会社からもらった長めの夏休みに帰省した主人公は、相変わらず無職でポテチを箸で食う35歳の兄を目の当たりにし、不安がつのるばかり。しかも見たところ母親は要介護状態。父親の姿は見えず。
この兄が、これから何かしでかすのか、しでかさないのか。予想がつかないのが怖いです。あとタイトルの「住みにごり」の意味もわからず、それも怖い。

幸せな人間が悲劇なんか読んでも「?」で全然おもしろくないと思います。金銭的にも余裕があり、両親が心身ともに健康かつ良識があり東京に実家があるような人。あと10代。

自分は人には重くて話せないような家庭の事情があるから(末吉ほどじゃないけど)、読んでて笑いながら救われる思いがする。あのまっとうな森田さんですら家ではどうかと思う扱い体験してるし。

家庭で起きたことななかったフリしてみんな社会で生きてるんだなとホッとする

柳さんが親父のこと好きになった気持ち理解できたわ…。てかガッツリ不倫してたのかと思ったらキスだけだったんかい!甘い思い出やないか!でもそれを目撃した兄貴にとっては許せないことだったんだね。

このマンガを読め! 7位おめ〜

マンガランキング「THE BEST MANGA 2023 このマンガを読め!」の結果が、本日12月20日発売のカルチャー誌・フリースタイルVol.54(フリースタイル)で発表された。1位に輝いたのは、いしいひさいち「ROCA 吉川ロカ ストーリーライブ」。

英孝ちゃんかなりハマったんだな

最新号のカラーページで見た時もインパクトあったけど、背景に門松があると強制的におめでたくなっていい感じだね。

ぶっちゃけそういう人を見下して安心する楽しみ方してる人は少ないと思うけども。

住みにごり

ギャグなのかホラーなのか漂う狂気に翻弄される

住みにごり たかたけし
六文銭
六文銭

引きこもりの兄、要介護の母、アル中の父、モラハラ気質でバツイチの姉。 そして、都落ちして絶賛失業中の主人公。 この時点で濃度マシマシな家族構成だが、主人公が実家に帰省したところから始まる本作。 田舎出身の自分的には、あながち非現実的とも言えないのが、興味をそそりました。 言葉は一切発しないが、謎の存在感がある兄を軸に物語は展開されるのですが、冒頭でその兄が通り魔殺人を犯している夢を主人公がみていて、それが全話通して、こびりついて離れないんですよね。 兄の容姿も、ちびまる子の永沢くん(玉ねぎ)みたいに一見ギャグっぽい感じなのですが、この最初の光景のせいで逆に狂気すら覚えます。 ところどころ、例えばキャベツを部屋で千切りしてたり(それに血がついていたり)、主人公の同級生(女性)の名札でいかがわしいことしたり、狂気じみたことをしているので、あながち間違いではないのですが、それ以上のことをしそうな雰囲気が、常にある。 引きこもりかつ無口ってのが、否が応でも、その手の妄想をかきたてます。 似たように、父親もヤバいし、唯一家族の中でまともだと思った母親も、意外とキレてやらかすから、もうザワつきっぱなしです。 家族からみたら当たり前だったことが、世間では当たり前じゃないことって少なからずあると思うのですが、それを実際にありそうな絶妙なラインで、まざまざと見せつけられている、そんな作品です。 家族を再構築していく話なのか、それとも崩壊していく話なのか、ぜひ見届けたいです。

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