どこにもいけないコロナ禍の我々に刺さりすぎる生き辛さ #1巻応援にコメントする
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人気のコメント

吉川きっちょむ(芸人)
吉川きっちょむ(芸人)
1年以上前
アラサー独身女性のどこにも着地できない居心地の悪い浮遊感を味わえる作品で、非常に興味深かったです。 30歳、契約社員の菊池あみ子。 世間の顔色を伺いながら、自分がどうしたいかという欲求に目を向けずマニュアル通り、立場なりの波風の立たない言動を繰り返す毎日。 自立してはいるが、どこか満たされず、彼氏でもいれば変わるのかとマッチングアプリでの出会いを機械的に1年こなすが、彼氏は5年いない。 そんなとき、職場に「仕事以外に何かやってる人」っぽい女性が気になっていき、交流が始まってから日々に少しずつ変化が生じていくのだが…。 https://comic-days.com/episode/3269754496402490831 これを読んだ僕自身はアラサーの男性なんですが、3話あたりまで読んでグゥーっとみぞおちのあたりが冷え込むような、ジェットコースターで落ちるときの内臓の居心地悪い浮遊感を味わいました。 普段はあえて言葉にしてないような漠然とした小さな不安や、こう振舞っておけば波風立たないだろう、本心でなくとも上手く会話が回るだろうという人をなめた浅ましい考えがすべて言語化されて目の前に差し出されたようで、すべて見透かされてお前はこういうところがあるよなとチクチクやられているような、あの感覚。 どこにもいけない。どこにも着地できない。そして目的地もないが、どこかにはいきたい。 頑固にもなれなければ、道化にもなれない真面目さ。 すべてが中途半端で自分の欲求にも素直になれなければ、世間の「普通」にハマるよう社会生活を送るだけの個を消した状態にも違和感を感じてしまう。 否応なく現実を突きつけられているように感じ、背筋をひやっとしたものが走る。 こういう漫画って、必要です。 そういう気持ちになりたいときもあるんです。 生活、仕事、貯金、将来の不安、義務、責任、世間体。 隣の芝生の青さ。 自分は自分、強くやっていくって思えればいいんですけどね。 現時点での最新6話をポイントで購入して、ここまでは登場人物たちの関係性のこじれ具合や変化などのお膳立てが整うまでの序章に過ぎなかったのかもしれないと思わされました。 おや、と思って改めて公式のあらすじを見てみると、最初からそれが目的だったのかと。 面白いです! 演出次第だとは思いますが、ドラマ化してほしいと思いました。
COBRA THE SPACE PIRATE

夢と呼ぶにはあまりに厳しく余りに哀しい影に向かってのオデッセイ

COBRA THE SPACE PIRATE
阿房門 王仁太郎(アボカド ワニタロウ)
阿房門 王仁太郎(アボカド ワニタロウ)

著者のライフワークなので一言で括れない幅がある作品で、私は 1.手塚治虫的なタッチが残り奇想展開なアイディアの楽しい「少年ジャンプ初期」(「コブラ復活」~「ラグボール」) 2.線がややソリッドになりシニカルな描写の増えた「少年ジャンプ中期」(「二人の軍曹」~「黄金の扉」) 3.ヒロイックな描写の光る「少年ジャンプ後期」(「神の瞳」~「リターンコブラ」) 4.「聖なる騎士伝説」 5.CGフルカラー期 で分けている。どの期間も見るべき所のある漫画であるが、4.の「聖なる騎士伝説」について書きたい。  「聖なる騎士伝説」は青年誌に掲載された長編で他の話より暗く、いつもよりシリアスでアダルトな展開や描写が多い異色のエピソード(何てったって、レディーさえ出てこない) だ。ここでは新世界の興奮は悪鬼に蹂躙され、コブラのいつもの剽軽な態度やヒロイックな勇気は鳴りを潜め、笑みは嘗て見られなかった暗い影を忍ばせている。絵の線もどの辺よりも細く、陰影もまた濃く、混沌とした悪意蔓延る世界をこれでもかと描き出す。筋も宝や冒険ではなく悪鬼の暗殺と言う剣呑な代物で、終盤に明かされる種も周到に張られた伏線もあり陰惨な世界観を補強する。  今までのスペースオペラと比べると余りにもノワールであり、退廃的でもあるが、それだけに強烈であり、私はこのエピソードが一番好きだ。けだし、このノワールが単なる露悪に終わらず、コブラが常に世を儚むようなニヒルな皮肉を呟きながら銃をぶっ放しながらもどこか善や正義を諦めきれていないからではないかと思う。有名なコマでもある様にコブラは終盤、実際には何の利益を齎さなかった教会を批判し「神か……最初に罪を考え出したつまらん男さ」と呟いてみせたが、これはやはり神や正義についてどこか夢を持っている証拠に他ならないと思う。さもなくばこんなセリフは決して言わないだろう。  コブラの海賊としてのアウトローな性格や享楽主義は上記の理想主義的な思想やストイックさに支えられている。寺沢武一は彼の初期作品を「思弁的」と批評していた記憶があるが、そういった性格が彼の作品から消えた事は一度も無かったことは確かだろう、そしてそれこそがこの漫画をいつまでも輝かせているのだろう。海賊と言う自由とギルドに対抗する高潔な戦士の顔を持つあの男のとこしえの旅に祝福を。

まじめなかいしゃいん
まじめな会社員 1巻
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