国の威信をかけた巨大蟹漁のため、奴隷のような扱いを受けている者たち。
この物語の世界では海はなく、空流とよばれるところを魚が泳いでいる。そしてその上空に浮かぶ巨大な船「蟹工船」が舞台。蟹を狩るときは地上に降りてノルマを達成するために命がけで漁をする。
その蟹工船の中で権力者として君臨している男(少年のようにも見える)九条に、主人公の流伽の親友・柊を理不尽に殺される。親友の死を無駄にしないため、なんとしてでも金を貯めてここから抜け出す決意をする、という話。

作家名に小林多喜二の名前はないし、全く別物として読むのが正しいのでしょう。巨大蟹と戦うシーンは個人的にもお気に入りでしたが、さっそく九条に逆らって船の底で蟹の殻剥き要員になってしまいます。
はやくのし上がってまた蟹を狩ってほしい。

巨大蟹の甲羅は刃物も銃も効かないくらい硬いので、あの関節の薄い皮膚?のところをハサミでチョンって切ってバキッと折るんですよ。
つまり、わたしたちが実際に蟹を食べるときと同じなんです。
食べたくなっちゃいますね、蟹。

案外さっさと殻剥き要員から狩りに戻れてよかった。
あのアル中のじいさん、シャコが出てきたときだけ冷静になっててちょっとおもしろかった

蟹工船を読んでたらもっと面白くなるのか全然関係ねーよ!って感じなのかどっちなんですかね(旧約聖書っつって出てきたときは笑っちゃった)

底辺からのし上がるため、巨大蟹を狩れ!!にコメントする
新約カニコウセン
小林多喜二もびっくり #1巻応援
新約カニコウセン 原田重光 真じろう
兎来栄寿
兎来栄寿
まさか、あの『蟹工船』がこんなSFバトルマンガにされるとは小林多喜二氏も想像もしなかったことでしょう。 この『新約カニコウセン』は、日々命懸けで「蟹」との死闘を繰り広げる立場の弱い奴隷のような労働者と、彼らを支配する者を描いた作品となっています。 恐ろしい進化を遂げた「蟹」とのバトルシーンは非常に激しく、緊迫感があります。傷つけ過ぎると商品としての価値が損なわれるのでただ殺せばいいというわけではないのは、モンハンでの捕獲の難しさを髣髴とさせます。 アクションも良いのですが、この作品の一番の見どころは何と言っても原作『蟹工船』に通底するテーマ性です。原作が書かれてから100年近くが経ちましたが、労働者の苦しみは今の世でも不変。もう少し未来になれば、AIなどによる労働が普及して人間が働かなくていいようになり事情も変わっているかもしれませんが、過酷な労働を課せられて命まで絶ってしまう人は令和になっても存在します。 しかし、もし仮に人間が全く働かなくて良くなったとしても、別の面で人間は互いを相対比較してマウントを取り争いを起こし優越感に浸る体験を求めて止まないし、それによって傷つき悲しみを抱える人間は尽きないであろうなという絶望感を感じさせるエピソードが描かれます。 SFバトルアクションになりはしましたが、一見した印象とは違い深奥のテーマとしてはしっかり『蟹工船』を踏襲しており、リスペクトも感じる内容です。 時代を越えて人間の普遍性へ響く名作の力を感じずにはいられませんでした。
ストアに行く
本棚に追加
本棚から外す
読みたい
積読
読んでる
読んだ
この作品のお気に入り度は?
星をタップしてお気に入り度を入力しましょう
メモ(非公開)
以下のボタンから感想を入力することができます(別ウィンドウが開きます)
感想を投稿
完了する
フォローする
メモを登録
メモ(非公開)
保存する
お気に入り度を登録
また読みたい