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この理不尽を生き抜け――!!すべての海が蒸発し、巨大化した水棲生物が “空流”を泳ぐ世界。「蟹工船」の底辺労働者たちは日々、国家の威信をかけた巨大蟹漁に身を投じている。孤児院に売られた流伽と柊は、命が使い捨てられる“この世の船底”で、いつか借金を完済し、二人で自由になる日を夢見ていた。しかし、蟹工船に暴政を敷く悪逆監督・九条に流伽が刃向かったことで二人の運命は大きく変わってゆく――。プロレタリア文学の傑作「蟹工船」を大胆SFリメイク。現代社会にも通ずる闇を深く抉る究極のエンターテインメント、開幕!
国の威信をかけた巨大蟹漁のため、奴隷のような扱いを受けている者たち。
この物語の世界では海はなく、空流とよばれるところを魚が泳いでいる。そしてその上空に浮かぶ巨大な船「蟹工船」が舞台。蟹を狩るときは地上に降りてノルマを達成するために命がけで漁をする。
その蟹工船の中で権力者として君臨している男(少年のようにも見える)九条に、主人公の流伽の親友・柊を理不尽に殺される。親友の死を無駄にしないため、なんとしてでも金を貯めてここから抜け出す決意をする、という話。
作家名に小林多喜二の名前はないし、全く別物として読むのが正しいのでしょう。巨大蟹と戦うシーンは個人的にもお気に入りでしたが、さっそく九条に逆らって船の底で蟹の殻剥き要員になってしまいます。
はやくのし上がってまた蟹を狩ってほしい。