堅物小説家と妻が遺したレシピ帳
とにかく堅くて真面目な時代小説家・米蔵は、最愛の妻を病で亡くし、仕事どころか生きる気力さえなくしていたが、妻が遺したレシピ帳に載っているかんたんな料理にチャレンジすることで、自分の小説のファンでもあった妻のためにも生きようと決意するという1話目から感動が止まらない内容でした。料理を入れるお皿を探している時にイラストと同じお弁当箱を選ぶシーンがとても良かったです。
わずか0.5ミリの侍が50匹入っているという新製品の電気カミソリ。舞踏会に出席する坊ちゃまのために、じいやが買ってきたものだ。しかし、1匹の侍の腕が未熟で剃り残しが生じ、その侍が恥ずかしさのあまり逃げ出してしまい…!? (「ヒゲソリ武士道」) 吉田戦車が紡ぎ出す不思議な「機械」ワールド。タイトルに偽りなく、それぞれの機械が使命を全うすべく「一生懸命」働きます。あまりの健気さに感動すら覚える、オムニバス形式ギャグ漫画、第1巻!
気付けば毎日色んなものを充電し続ける生活を送っている。昔に比べれば確実に便利にはなってるのだけど、色んなSFとかで夢見た世界ってこんなんだっけ?という気持ちにもなる。
しかし何というかそういう、若干の残念さを持った機械は愛おしい。
どうしても使ってもらいたいウォシュレット、モグラを守りたいモグラ叩き、スキューバダイビング中にウナギのにおいをかがせてくれる潜水具、オーブントースターみたいにマヨネーズを塗って焼けないことを申し訳なく思うトースター(一番好き)…擬人化や機械の暴走みたいなものは手垢のついたテーマだが、流石に独特過ぎる想像力が発揮されていて感動した。
脱・人間中心主義という言葉が声高に叫ばれる昨今、大いにインスピレーションを与えてくれる作品。