地図にない場所 安藤ゆき
安藤ゆきの青年誌初連載『地図にない場所』
『町田くんの世界』が控え目にいっても、スゴイ好きだったので、最新作待ってましたとばかりに読みました。
町田くんが無理しない等身大でいる感じがしましたが、
こちらの主人公・悠人は無理して大変なことになっている感じ。
頭の良い兄、イケメンの弟、そのどちらも中途半端なことに悩み、
はやくも人生終わったと絶望している。
中学生くらいだと、この2つが絶対的な価値基準になりがちですから、この悩みは共感できますね。
反面、天才と称されたバレリーナだったお隣のお姉さん・琥珀は、もう頑張る理由がないからと、怪我をしたと嘘をついてまで引退する。
頑張る理由…喜ばせたかった母親が亡くなったから。
何もかも捨てて才能以上のことをやっただけ、と言う姿は、プロの世界の厳しさを感じグッときました。
この対比が良いですね。
ただ、全く違うというわけではなく、ところどころお互い共感できている部分があるので接点がないわけじゃないのも良い。
根っこは同じなのかな?と思う。
自分の能力に限界を感じている悠人。
人生全てをかけていたバレエを辞めた琥珀。
それぞれ、今後何を目指すべきなのか、目指していくのか。
まだわからない。
二人が出会ったことで新しいスタートきった感じでしょうか。
「地図にない場所」というタイトルと相まって、今後(特に二人の関係性)が気になります。