くらもちふさこ&いくえみ綾、絶賛! さあ行こう、日常を「発見」する旅へ。みんなを虜にした大ヒット作『町田くんの世界』の安藤ゆき、最新作! 学校にも家にも居場所がなく「俺の人生終わってる…」と嘆くい中1・土屋悠人は、ふとしたことから隣人の元バレリーナ・宮本琥珀と出会う。家族でもない、友達でもない、歳の離れた隣人同士。そんな二人が子供の頃に流行った都市伝説「地図にない場所(イズコ)」を探すため、ご近所探索を始めることに。これまで海外生活が長く、人生の全てをバレエに捧げてきた琥珀にとって、半径数mの「日常」は新鮮なことばかり。悠人もそんな琥珀と一緒に料理をしたり、野良猫を愛でたり、民族楽器のコンサートに行ったりするうちに、琥珀との時間がかけがえのないものになってゆくが…?
地図にない場所・イズコの謎が明かされる! 子供の頃の都市伝説「地図にない場所(イズコ)」を探すため、ゆるゆるとご近所探訪を続ける悠人と琥珀。途中、琥珀さんと親しげにしていることをお母さんに知られて余計なお節介を焼かれたり、琥珀さんが行方不明(!?)になったりといろいろハプニングが起きつつも、2人の絆は深まってゆく。普段は絶対立ち入らないようなお店へイズコの聞き込みを続けるうち… やがて悠人は、聞いた人それぞれのイズコ像があり、その人の人生や日常を浮かび上がらせていることに気付いてゆく。そんな中、かねてより約束していた花火大会の日が到来。すずと琥珀さんの税理士も合流して、いざ!夏のメインイベント!の日に… 悠人の胸を騒がせる、思いがけないことが次々と起きて…
『町田くんの世界』が控え目にいっても、スゴイ好きだったので、最新作待ってましたとばかりに読みました。 町田くんが無理しない等身大でいる感じがしましたが、 こちらの主人公・悠人は無理して大変なことになっている感じ。 頭の良い兄、イケメンの弟、そのどちらも中途半端なことに悩み、 はやくも人生終わったと絶望している。 中学生くらいだと、この2つが絶対的な価値基準になりがちですから、この悩みは共感できますね。 反面、天才と称されたバレリーナだったお隣のお姉さん・琥珀は、もう頑張る理由がないからと、怪我をしたと嘘をついてまで引退する。 頑張る理由…喜ばせたかった母親が亡くなったから。 何もかも捨てて才能以上のことをやっただけ、と言う姿は、プロの世界の厳しさを感じグッときました。 この対比が良いですね。 ただ、全く違うというわけではなく、ところどころお互い共感できている部分があるので接点がないわけじゃないのも良い。 根っこは同じなのかな?と思う。 自分の能力に限界を感じている悠人。 人生全てをかけていたバレエを辞めた琥珀。 それぞれ、今後何を目指すべきなのか、目指していくのか。 まだわからない。 二人が出会ったことで新しいスタートきった感じでしょうか。 「地図にない場所」というタイトルと相まって、今後(特に二人の関係性)が気になります。