実にエレガントですわ。
事故から転生、そこは娘のやっていた乙女ゲームの中?! 悪役令嬢の設定なのに、どうしても元のおじさんの心で接してしまう。 おじさんらしい丁寧な応対が、「エレガントチート」なる能力のおかげで優雅な令嬢に仕上がる面白い。 転生して悲しんでいるかと思いきや、目がよく見えたり指が乾燥してないことや物忘れがないことなどに喜んでいる順応性がすごい。 作者さんは読みたい転生ものを書いたとありましたが、視点が面白いので手に取ってしまいました。
52歳の真面目な公務員・屯田林憲三郎は交通事故に遭う。気が付いたらそこは学園舞台の乙女ゲームのような世界…しかも校内一高飛車なオーヴェルヌ侯爵家の令嬢グレイスに転生してしまい!?次マン2020コミック部門4位の期待の新作!
ネットでバズりまくっていたので、ご存知の方も多いと思われるあの悪役令嬢転生おじさんの第1巻が発売となりました。どんな内容かと言うと、おじさんが悪役令嬢に転生するお話です。タイトル通りで助かりますね!
▼第1話
子供を助けて交通事故に遭った屯田林憲三郎は、気がついたら娘がリビングでプレイしていた乙女ゲーの世界にいて、悪役令嬢・グレイスとなっていた。憲三郎は悪役令嬢という立場からこのゲームの主人公・アンナを誰かとくっつけようとするわけですが、中身が娘を持つ父親のためどうしても親目線で優しく接してしまうおじさんムーブが本当にかわいい!!
憲三郎さんは若い頃ゲームや漫画を楽しんでいた往年のオタクらしく、乙女ゲーや異世界といった最近の話題への順応力がやたら高い。
(悪役令嬢という概念について娘の說明を受けると、『キャンディ♥️キャンディ』のイライザや『エースをねらえ!』のお蝶夫人を自ら例に挙げて秒で理解します)
流石は年の功というか、推しへの愛が強くてテンションが高い若い世代と比べてコンテンツ落ち着いて楽しんでる感じがまた素敵です。
そんな生来の憲三郎さんの物腰に加え、公務員として身についた丁寧な応対が自動的に公爵令嬢らしい気品ある振る舞いに変換される『優雅変換(エレガントチート)』なる能力のおかげで、憲三郎さんは平穏に異世界に馴染んでいきます。
(△『悪役令嬢転生おじさん』上山道郎 第2話)
「人の名前が覚えられない」
「よく見える目と滑らない指が嬉しい(※普段は老眼&指先がパサパサ)」
「そろばんでの計算が得意」
などなど、散りばめられたおじさん要素にキュンが止まらない…!
そしてこんな紛うかたなきおじさんが主人公・アンナと第1王子の好感度を知らぬ間に爆上げしてるのがホント面白い。
あとがきで知ったのですが、著者の上山道郎先生は2度の打ち切りを経験。これではいかんと今流行りの異世界ものを勉強したところ悪役令嬢ものにハマってしまい、自分が読みたい作品を描いてみたらバズった…! という流れだったのだそう。
▼プロトタイプ版
ベテランの先生がこういう風に最新のジャンルで活躍されているのを見ると、本当に漫画家ってすごいなと思わされます。
【※以下、Pixiv版のネタバレ】
ちなみに上山先生は、2020年3月にアワーズGHで商業連載が開始する以前よりPixivにてプロトタイプ版を掲載しています。憲三郎さんは子供を助けてトラックに轢かれ転生することになったわけですが……実は、現世で死んでないんです!妻と娘を遺して死んでしまった父親はいないのでぜひ安心して読んでください!
▼Pixiv版
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