友達を大切にしたくなるマンガ
作品の紹介文に「新しい世代の『ちびまる子ちゃん』だと評する人も」とのことですが、確かに主人公の幼馴染の岡崎さんはぐるぐるメガネでたまちゃんを思わせるし、絵柄などもなんとなく近しい雰囲気も感じさせるのですが、こちらはもう少し現実の厳しさも描かれています。 ちびまる子ちゃんは毒はありながらも、何処か一線は超えないというか、やはり子供向けってのがあるんだと思いますが、こちらは結構切実なエピソードもあるという違いがあるように感じました。 ちびまる子ちゃんが好きな小さいお友達がこの本を手に取ったら多分泣くと思います。 が、私は大人なのですごく楽しめました!!!うまくいくだけではない青春時代のほろ苦さなどもあり、綺麗事一辺倒では全然ないのですが、そんな時、時に支え合い、時に励まし合い、時に衝突してしまう友達! 自分を振り返ってみても、そんなにたくさんはいないよなと思いつつも、何人か心に浮かんだ私の友達。これからもよろしくという思いを込めて、このレビューをそれら我が友に捧げます。
今のアラサー・アラフォーに刺さるちびまる子ちゃん的に言われているそうだけど、言われてみたら確かにそうだ!
ただ、彼女らはちゃんと歳を取るので、同じような話が続いたりは一切しない。単純に「とても面白い」「良いよね」みたいな感想が出てくる作品。
作者であり主人公の山本さほと友人の岡崎さんはベクトルは違うものの二人共個性的で、とにかくアクが強い。
岡崎さんは家庭環境もめちゃくちゃだし全てを許してくれそうな聖母マリア的な存在にも見える(山本さん視点)
山本さんはそんなかけがえのない親友の岡崎さんを漫画にせざるを得なかったのであろう、というようなエピソードがてんこ盛りである。
ただ、山本さんはあえて岡崎さんと対比して普通っぽさが見える反面、そんなことするの!?と驚くようなことも割としている。
あえてそういう描写にしてるんだろうけど、それが漫画的でこの作品の面白いところでもある。
高校に入ってからの彼女らの関係もそうだし、山本さん単体での生活はアラサー・アラフォーな読者には懐かしさと共感とで色々うわー!ってなるのがまた良いところかもしれない。
一時期めちゃくちゃ話題だったけど、もっとずっと話題でいいし国民的漫画にしちゃっていいのに!と思ったけど内容的に子供には見せづらいかもしれない(笑)
そして全部飛ばさずに読んで欲しい。
どのRPGだってエンディングだけ見たって味わえる感動は全てを歩んだ人と雲泥の差があるものだけど、それと一緒でちゃんと最後まで全部読んだ人はきっと最終話まで読んで良かったと感じるはず。