ナローはよくわからないのであくまで漫画のみを読んだ感想ですが、充実したクオリティから期待の高さと気合の入りようを感じます。ナローに詳しい人いわく大変な人気原作だそうなので、化物語といいこれといいマガジン編集部の政治力すげーなと感心してしまいました。
SAOや幼女戦記リゼロこのすばといった一流ウェブ小説のアニメ化はいずれも面白くて映像も一級品の傑作アニメといえるものだったので、シャンフロがそれらに比肩すると噂に違わぬ作品であるなら、これからの連載が非常に楽しみです。
現状はまだイントロダクションというか、オリジナル作品の新連載と違って初っ端からガツンと掴んでくる感じではないのでこれからの展開に期待です。

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シャングリラ・フロンティア

パンイチ、青い鳥

シャングリラ・フロンティア 不二涼介 硬梨菜
ゆゆゆ
ゆゆゆ

最近よく見かける青い鳥の漫画は、フルダイブ型ゲームを舞台にした話だった。 レベル1からのし上がるような、王道系ストーリー。 出てくる人たちはバーチャルな見た目なので、鳥だけでなく、美人や可愛い子やイケメンや鎧や、いろいろ出てくる。 閉じ込められたわけでないので、現実世界へちゃんと戻れる。 日常の話もありつつ、神ゲー「シャングリラ・フロンティア」以外のゲームの話も出てきつつ。 原作者さんはゲームが好きなんだなあと伝わってくる。 ちなみに、その他のゲーム(クソゲー)の設定がおもしろく、そのゲームだけで別のストーリーが作れるんじゃないかと思った。 そして、主人公の青い鳥の人が、ものすごくバトルが上手で、弱々レベルでもそこそこにビシバシ動けていてかっこいい。 青い鳥の人と書いたけども、鳥の人は初期装備を売り払って、素顔を隠しつつ欲しい性能を持つ「青い鳥の頭」を購入。それを被っただけ。 種族は鳥でなく人間。 さらに短パンと思っていたものは実はパンツ。 いわゆるパンイチ状態。あと裸足。 昔ながらのゲームであるある紙装甲な装備かもしれないけど…。 他の人に見られるのにパンイチかぁ。すごいメンタルだ。 コミカライズもとてもきれいな絵柄で、読みやすい漫画にされているので、さくさくと読めてしまう。 アニメ化、さもありなん。という気持ちになる。

MA・MA・Match

映画『怪物』みたいな構成の話だった

MA・MA・Match
mampuku
mampuku

いい意味で誤解や異説の飛び交いそうな、多層構造のストーリーだったように思う。 主人公の一人である芦原(母)は、生意気な息子とモラハラ夫を見返すべく、息子の得意なサッカーで勝負を挑む。 前半は、ママさんたちが友情や努力によって青春を取り戻しながら、悪役(息子と夫)に挑むという物語で、この悪役というのがちょっとやり過ぎなくらいのヘイトタンクっぷりなのだ。その場限りのヘイトを買うキャラクターは、ヒーロー役の株を上げるための装置として少女漫画では常套手段だ。だが『マ・マ・マッチ』はそういう物語ではないため、話はここで終わらない。 後半は時を遡り、息子と夫の目線で描かれ直す。母目線ではイヤ〜な輩にしか映らなかった彼らにも彼らの言い分や考えがあったのだと明かされる。 真っ先に私が思い出したのが、是枝監督の映画『怪物』の主人公の一人、安藤サクラさん演じるシングルマザーの早織である。 息子が教師に暴力を振るわれたことに抗議するため学校に乗り込むも学校側からぞんざいな対応をされ不信感を募らせる早織。その後教師や子供など、さまざまな視点が映し出されることでやがて全体観が像を結ぶ。 『マ・マ・マッチ』でも、後半部分を読んだあとに最初から読み返すと些か感想が変わる。息子や夫がイヤな奴らとして描かれているのは確かだが、先入観によって印象が悪化していたのも事実だ。なにより、序盤に出てくる夫のコマは母を嘲弄するような不快なものだったが、そもそもこれは芦原母の回想であり主観だ。その後実際に登場する夫は彼女と衝突こそすれ至って真面目だ。 つまり、それぞれの立場から不満を抱いたり譲れない部分でぶつかり合いながら、逐一仲直りしたり折り合いをつけているのだ、という話に畢竟見えなくもない。悪者退治という少女漫画にありがちなフォーマットで導入を描いて入り込みやすくしておいて、後半の考えさせる話でモヤモヤさせる。末次由紀先生、さすがの巨匠っぷりを見せつけた怪作だ。

テセウスの船

どちらかというと『テセウスの船』というより『動的平衡』じゃない?

テセウスの船
mampuku
mampuku

時間遡行をして人生をやり直したとしたら、それは本当に同一の自分といえるのか?という問いを有名なパラドックス「テセウスの船」になぞらえたタイトルだ。 ストーリーに関しては論理的整合性や感情的整合性においてやや粗い部分も感じられたもののサスペンスとして緊張感もあり、ラストは新海誠監督『君の名は。』のような美しい締め方だったし概ね面白かった。 ただ、タイトル『テセウスの船』がイマイチストーリーにハマっていない感じがした。 どちらかといえば「動的平衡」のほうが比喩としてしっくりくるのではないだろうか。 「動的平衡」とはシェーンハイマーの提唱した概念であり、日本では福岡伸一氏による著書『生物と無生物のあいだ』『動的平衡』で有名になった言葉である。“生命”とは、取り込まれ代謝されていく物質、生まれ変わり続ける細胞どうしの相互作用によって現れる“現象”である、という考え方だ。 主人公の田村心は生まれる前の過去に遡り、そこで巻き起こる惨劇を阻止することで、その惨劇により自身に降りかかった不幸な運命を変えようと奮闘する。作品では、過去を改変して自らの人生を曲げようとする一連の試みをテセウスの船にたとえているが、やはりピンとこない。作中、田村心は殺人事件を未然に防ぐため凶器となった薬物を隠したり被害者に避難を呼びかけたりするが、その影響で心の知る未来とは異なる人物が命を落としたり、結果的に大量殺人を防げなかったばかりか予想だにしなかった事態を招くことになる。 この予測不可能性こそがまさに動的平衡そのものって感じなのだ。生命体は、船の部品のように壊れた部分を取り替えれば前と変わらず機能する、ということにはならない。ある重要なホルモンの分泌に作用する細胞を、遺伝子操作によってあらかじめ削除してしまったとしても、ほかの細胞がそのポジションを埋めることがある。これは心が殺人事件の阻止に何度も失敗したことに似ている。思わぬ不運や予想しない死者が出てしまったのも、脚のツボを押すと胃腸の働きが改善するなどの神経細胞の複雑さに似ている。 船は組み立てて積み上げれば完成するが、生命は時間という大きな流れの中で分子同士が複雑に相互作用しあうことで初めて現象する。『テセウスの船』での田村心の試みは人生あるいは歴史という動的平衡に翻弄されながらも抗う物語だったのかもしれない。

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安息の地球は、理不尽に終わりを迎えた。東京上空に現れた、“神”を名乗る謎の物体。死を告げる五人の使者。豪州が灰燼と化し、米国は壊滅。日本は機能を停止。初日の死者は11億人を数えた。尊敬する総理大臣の父を殺された桂しるしは、彼らに抗う“力”を求めた。そして“神”から与えられた、不思議な力を秘めた“3枚のコイン”。70億人類vs.“神の五本指”。人類の存亡をかけた100日間のサバイバルがはじまる──。

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