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こいまん

ヤクザに少女マンガの真似事は難しい…?

こいまん 井出圭亮
sogor25
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"鬼の愛染"の異名を持つ日文組の若頭・愛染恭司。彼が一目惚れしたホステス・幸善子に「俺の女になれ」と詰め寄ったところ、幸善子は愛染にビンタして一言「お断りよ!わたし、"こいまん"みたいな恋がしたいので!」 "こいまん"とは今巷で大人気の少女マンガ「友達以上恋人未満」のこと。この日から幸善子"こいまん"みたいな恋に落ちさせるため、"こいまん"ファンの舎弟・ヤスの協力を得ながら"こいまん"の作中シーンを再現しようとする愛染の日々が始まった…という作品。 愛染のほうは幸善子を好きな気持ちに偽りはないものの、ヤクザらしく暴力で問題を解決しようとしたり心のなかでは欲望丸出しだったりと、少女マンガとは似ても似つかない人物。 一方の幸善子は普通の女の子かと思いきや、頭の中をかなり"こいまん"に侵されているのか、わりかし普段どおりのヤクザっぽい振る舞いをしている愛染に"こいまん"の主人公の姿を勝手に重ねて勝手に胸キュンしていく。最初に愛染をビンタした勢いはどこへ行ったのか、ただただちょろい。 そんな噛み合わない2人の関係が絶妙なご都合設定を駆使して上手く回っていく様子にはニヤニヤが止まらない。 そして、愛染を始めとした彫りの深い顔面の作画と"こいまん"のベタな少女マンガ展開とのギャップ、そしてそれが(主に幸善子の脳内で)重なり合うというアンマッチな感じが最高に面白い。舎弟のヤスや日文組組長・権三郎、幸善子とSNSで繋がった"こいまん"ファンの女子高生・康江と、サブキャラクターもおしなべて味付けが濃くていい感じ。雰囲気は「ヒナまつり」や「Back Street Girls」に近いので、このあたりのコメディ作品が好きな方にはオススメ。 しかしこうやって並べてみると"ヤクザ"と"コメディ"って案外相性が良いみたいですねw 1巻まで読了

宝石の国

重さと軽さが同居する、命の話

宝石の国
アフリカ象とインド象
アフリカ象とインド象

大好きな漫画です。 学生の頃、この漫画に狂っていた時期がありました。 友人全員にこれを読めとしつこく勧めて、 読んだ人に対してはお前はこの漫画の何もわかってない!と浅い考察を語る最悪のオタクでした。黒歴史です。 つまり、人を狂わせるほど魅力ある漫画ということとも言えます。言えますね。 とはいえ、こちらは既に多方面で紹介され尽くした人気作でもあります。 今さら自分の稚拙な語彙でレビューしても読むに耐えませんので、 ネットの海に散乱した情報に少しだけ補足をして、読むことを迷っている方の壁を取り払えればと思います。 この漫画が話に上がる時についてくるのが、とんでもない鬱漫画だという話題。 これが読み手の1つのハードルになってしまっていると思います。もったいない! 大丈夫。救いはあります。怖くないです。 確かに取り扱うテーマは重く、展開に心が締め付けられることはありますが、この作品の魅力はそこだけではないです。 素晴らしいのは重厚な世界観の中に、ポップさのエッセンスを忘れず組み込んでいること。 (ここで言うポップさとは、いわゆる大衆に寄り添う心のこと) 会話のテンポ、 キャラの関わり、 かわいらしいジョークのセンス。 そういう要素の節々に、作者である市川春子氏の人柄を感じられます。 そしてその人柄から読み取れるのは、 この人は読者の心をズタズタにしたい訳ではないよ〜。 ということ。 きっと最後まで読み切った方なら共感してくれると思います。 苦しさの先に希望がある。 これは人間の話。命の話。生と死の話。愛の話。宇宙の話。 火の鳥超えてます。ガチ。

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