最高クラスの面白さ!
1970年〜1971年にかけて連載された手塚先生の青年向けマンガシリーズ。ハズレのないビッグコミック連載ものの1作品です。 なんか手塚先生というと、アトム、火の鳥、ブラックジャックときて、あとはジャングル大帝とかリボンの騎士とかアニメにもなった子供向け作品がドギツク有名なのですが、その偉業も功罪相半ばで、そのおかげでいまいち青年向けの傑作が意外と知られてないのは残念です。 本作は、面白さが凄すぎて、じゃあ読み終わった後に「どこが面白かった?」と聞かれても、なんとも答えにくいのですが、とにかくストーリーがあとひく面白さで、本当に時を忘れます。電車だったら乗り過ごし注意です。本当に没頭すること大うけあいです。 ある架空の奇病がテーマの医学ものではありますが、そんなことは全部すっ飛ばしてとにかく面白いです。 まず間違いなく手塚ベスト10には入ってくる超名作なので、是非読んでみてほしいです。
手塚治虫を初めて読むという人に、なにを薦めればいいだろう。
どう考えても最高傑作の『火の鳥』か、面白いってことなら抜群の『ブラック・ジャック』や『三つ目がとおる』か、そりゃあやっぱり『鉄腕アトム』か…。
まあ、どれでも良いんですけどね。
「天才といえるのはダ・ヴィンチと手塚治虫だけ」(立川談志)で、「手塚のほかに神はなし」(関川夏央)なんですから。
なんつっても「神」ですよ。
その全作品が漫画の「聖書」なんです。
とりあえず、ここでは神のダークサイドを薦めましょう。
だって、黙示録だって聖書ですからね。
『きりひと讃歌』。
ダークですよ。暗すぎです。すごいです。
『ばるぼら』『奇子』『MW』…ヤバいほどにダークな傑作がたくさんあるんですが、手塚本人が「自分で自慢できるものといえばアンハッピーエンドだ」と言っていたわけで、神が「暗い」漫画を指向していたことは、何度でも確認しておいたほうがいいです。
『きりひと讃歌』を読みましょう。
これが漫画の聖書ですよ。
忘れてはいけません。