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まずは前回の読切の話から。2019年1月にモーニングに掲載された読切「固定編成」は、双極性障害を持つ父を亡くしたばかりの女の子と、過度な教育で束縛する父を持つ男の子の2人の高校生の逃亡劇。

今回の「海の境目」もまた、複雑な家庭にある高校生・由美子と照が主人公。

由美子が家で食事を摂るシーンの、あの閉塞感と居心地の悪さが怖いくらいリアル(祖母だけコタツで食べているとこまでうちの実家と一緒…)

桃山先生のブレた線で細かく描く絵の独特の味がすごく好きです。


不安定な家庭環境に怒りを抱える由美子と、過干渉な父親を恐れる時田。 ふたりの高校生が訴える、ここで生きるしかない私たちの「孤独」と「怒り」。

閉塞感大爆発の第3話

仲良しの麗華が退学、映画のコラムは書けないし映研は廃部、部員同士はバラバラ、父親は全身に癌、祖母は痴呆、弟はラリってる。

この作品の閉塞感・息苦しさは、由美子が気づいたように「自分の居場所が失われていくのにどこにも行けない苦しさ」で、今回のアオリの「ここで生きるしかない私たちの『孤独』と『怒り』」という表現がまさにピッタリ。

自分が田舎の高校生だった時にヒシヒシと感じていた辛さが思い出されてしんどい…

状況はサイアクだけど、前を向いた二人の成長が眩しかった。
ふがいない大人たちと悪堕ちした弟も変わってくれればいいな。

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見守りたい短期集中新連載
吉川きっちょむ(芸人)
吉川きっちょむ(芸人)
1年以上前
『豪雨』http://www.moae.jp/comic/morningzero_gouu 『固定編成』http://www.moae.jp/comic/chibasho_koteihensei 桃山アカネの短期集中新連載。 過去2作の読切はどちらも考えさせられる素晴らしい読切で、絵も漫画の描き方もどんどん上手くなっている。 今回の『海の境目』は前作の『固定編成』の状況をや取り巻く環境を少し変えつつ掘り下げる形、もしくは前日譚的な立ち位置になっていると思う。 事後そして解決をロードムービー的に描く『固定編成』に対して、そこに至るまでも描く『海の境目』。 読切を読んだときも感じたのは、こんな作品を20歳、21歳で描けるのはとんでもないなということ。 ゴロッとした自分の中で処理しきれないような感情、どうしようもなく忘れたい記憶、逃げ出したくてもその糸口さえ見えない日常、どこまでいってもつきまとう血縁、家族ということ、親ということ、無力な子供ということ。 誰にも言えない、理解されえない、逃げられない「孤独」。 登場人物の息苦しさや生きづらさが生々しく表現されているのは今作にも共通する。 ふと、松本剛を思い出した。 短期集中連載のまだ1話目。 これから冒頭で明かされた結末へ向けて物語はどう進むのか。 どうか、由美子にも時田にも救いがあってほしい。 終わっている家族に何を想うか。 怖いもの見たさで楽しみだ。
海の境目

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