例えば『からかい上手の高木さん』のアダルト版のような良さがある。 色気のあるタッチ、夏の暑さを感じさせる温度感、どこか涼し気な美女、手玉に取られてしまうちょっとダメな男性。 なんでだろう、吸い付くように読んでしまう。 余裕と少しの陰がある三十路美女にダメな自分の欲求を見透かされて気持ちよくコロコロ転がされたい男性諸君は読むべし。 主人公(男)が人生めちゃくちゃになって自殺する前に蟹食べたくなったけど金無くてセレブ妻脅したら逆にマウント取られてなぜか一緒に蟹食べに車で北海道に向かうちょっとエッチで闇が垣間見えるロードムービー的なお話。 女性が描いてそうで実は男性が描いてるのかなと思ったら、ちゃんと女性が描いているという部分になんでだか妙に興奮してしまう。 ここで出てくる美女は意識的にか、なんでも許してくれちゃう「嘘のような」母性を見せてくれるし、男性のすべてを見透かし幼稚な欲求さえも叶えてくれるミューズを演じてくれてるので、非常に性的に消費しやすい。 だからこそ、達観したような全く見えてこない本心の部分にやきもきしてしまうし、何が目的か分からないミステリアスさにもんもんとさせられるが、それも気づけば目の前の性欲にかき消されてしまう巧妙さもある。 この女の前だと男はみんな、なんだかよく分からないけど事態は進んでるし気持ちいいからいっか、みたいに思考をスポイルされてアホな感じになってしまう。 この美女は凄まじく出来た女なのだ。 果たしてこれは、上手く行ってない旦那への憂さ晴らしなのか、自分だけを見てくれる純情青年の新鮮さ、嬉しさから振り回しているのか、今後の展開で描かれていくかと思うと楽しみだ。 「幻想ですよ、三十路の女に貞操観念なんて・・」 序盤で事後に出るこのセリフのすごいのは、金の為に強盗した男が人妻と半ば無理矢理にセックスした罪悪感を(じゃあいいか、と)軽減させる謎の効果があることと、ここまで肝が座ってるこの女はなんだか普通じゃないぞ、思わせてくれてワクワクすることだ。 このあたりから毒のようにじわりじわりと効いてきて気づいたらいいように気持ちよくマウント取られて自分では舵を切れなくなってしまっている。 死ぬための旅だと忘れて読んでいてエッチなシーンでドキドキしながら感情移入していると、たまに旅の終わりの死に向き合ったときにとんでもなく気持ちが落ちるので、その感情の落差で頭がクラクラする。 しかしエッチなシーンではどうしても感情移入せざるを得ないので、引き込んで一緒に落とすというすごく上手な作り方だなーと思った。 この手法ってホラー映画でよくある、序盤で若い男女がエッチなことしてると殺人鬼に殺されるみたいなベタなあれと同じ効果なのかもしれない。 それにしても、こんだけ肉体的にも精神的にも良くしてもらったらそこらの男は簡単にコロっと好きになっちゃうわけで、でも相手には世間的に成功している立派な旦那がいるのに比べて自分は北海道にゴールして蟹食ったら自殺するわけで、そして好きになった美女は旦那のもとに帰ってしまうということを考えると、死んでも死にきれないというか、なんて残酷なんだ、と。 もう、恋と性と愛と性と嫉妬と絶望と憧憬と性がぐちゃぐちゃに混ざっていて混乱しまくりの楽しさがあります。
@吉川きっちょむ(芸人)

からかい上手の高木さんからかい上手の高木さん』のアダルト版のような良さ

うおお書き出しからもうわかりすぎて最高です。例えが的確すぎる…!
そしてエロとうつの「感情の落差」という表現もすごくしっくりきました。あの読んでいて感情が振り回される感じ好きです。

三十路美女に転がされる楽しさと絶望のスパイスがいいバランスにコメントする
さうのあっ!
きらら発JK×サウナマンガ! #1巻応援
さうのあっ!
兎来栄寿
兎来栄寿
世は大サウナブームです。子供のころは熱いだけで一体何が良いのかまったくわからなかったサウナ。しかし、気付けばいつの間にか私も同年代の方々も30代くらいからみなサウナの虜になっています。しきじにもDESSEにも足を運びました。これが加齢……もとい歳を重ねるということでしょうか。 ところで、マンガ界の鉄板といえば「美少女」と「おっさんの好きなもの」の掛け合わせ。故に、こうした作品が出てくるのも時代が生んだ必然と言えましょう。 今までも「美少女×お風呂」というマンガはいくつかありましたが、完全にサウナに特化した「美少女×サウナ」マンガの真打がきららから登場しました。その名も『さうのあっ!』。フィンランド語にある「サウナに入る」という意味の動詞だそうです。 ゲームや動画鑑賞が大好きで、その時間を削られるお風呂は嫌いで数日に1回しか入らない景山こかげ。 フィンランドからやってきて銭湯に居候しているサウナ大好き少女のリューディア・アラヤ。 クラスの委員長でサウナ知識を語り出すと早口になる清水芹香。 ひとりだけ他クラスで、スーパー銭湯の娘でお嬢様口調の高野槇。 4人の高校1年生たちを中心とした、サウナコメディ4コマとなっています。 ・サウナの効用 ・交互浴の基礎 ・ととのうとは ・フィンランドのサウナと日本のサウナの違い ・アウフグースやヴィヒタについて ・野外でのテントサウナ などなどについて、サウナ初心者であるどころか、そもそもお風呂に入る時間ももったいないという主人公のこかげの視点からサウナに関する知識を0から学んでいくことができる内容となっています。 サウナ後はオロポも良いですが、作中で紹介されるフィンランドコーヒーも飲んでみたいです。その際の「飲料を提供する場合は保健所の許可や手洗い設備などの設置が必要〜」という件からは、昨今の情勢を鑑みた細かい配慮を感じました。 シンプルにキャラクターたちがかわいく、きららジャンプをしているところなどもあり、青春の1ページが楽しく描かれています。 「怪我人の救急搬送」 「歩きスマホに注意のポスターみたいですわ」 など、ちょくちょく挟まれるツッコミにもセンスを感じるものが多くクスッとします。専門知識ネタに偏りすぎることもなく、しっかりとツボを押さえながらメインテーマをバランス良く描いている作品です。 最近はなんだかんだ若い女性でもサウナ好きが増えていますが、この作品がアニメ化されて更なるサウナブームが起こったらますます老若男女問わずサウナに入るようになる世界が訪れるかもしれませんね。元々日本人はお風呂好きですし、それによって健康が増進されていったら良いことだと思います。
ゆきおんなとかにをくう
雪女と蟹を食う 1巻
雪女と蟹を食う 2巻
雪女と蟹を食う(3)
雪女と蟹を食う(4)
雪女と蟹を食う(5)
雪女と蟹を食う(6)
雪女と蟹を食う(7)
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