気づいたら読み終えていた
良かった点 ・主人公の刀鍛冶としての成長部分と歴史上の人物との絡みが良かった ・刀と刀鍛冶に詳しくなれる 総評 ・あおきてつおの漫画はどれを読んでもそこそこ面白い
刀鍛冶であった父が、非業の死を遂げる。そして、16歳の少女・お涼は。父の仇を討つため江戸へと舞い戻ってきた。幕末の動乱に乗じ荒稼ぎを企む刀商人や、亡き父の師匠・沢渡秋水たちとの関わりの中で、少女は人を斬るだけではない刀の本質、その本来の美しさや精神性を学び、刀鍛冶としてさらなる成長を遂げていく。切れ味抜群で、でも斬れない刀とは――至高の一振りを目指し刀鍛冶・お涼が鎚を振るう!!
実用的な道具が有する美があるなら、
その究極の存在とも言える日本刀。
だが、いかに美しくあろうが、それが
「人斬り包丁」
であるなら意味が、価値があるのだろうか?
平和な令和ならいざ知らず、
手打ち、天誅、世直しなどと
勝手な名目で突然に刀で斬り殺されることもあった幕末に
それは身近かつ理不尽な日常の問題でもあった。
好きなだけで刀を打つには、
無視できない問題がすぐ近くにあった時代。
刀鍛冶師としては天才的な素質を有しながら
人間として女性として、
当たり前に未熟な若いお涼性が悩み苦んで
見出した結論が「水の剣 火の刀」
その刀は、単なる夢物語、理想像だったのだろうか。