あらすじお涼が新たな刀工修行先に選んだ京は、江戸以上に荒んだ地であった。しかし、火室鉄心や坂本竜馬、そして後の新撰組となる壬生浪士組たちとの出会いと経験からお涼は刀の本質を掴み始めていた。そして、大政が奉還され、刀の時代が終わりを告げようとする最中、お涼は目標である「水の剣火の刀」へ到達することができるのか!?刀の重さは命の重さ、大事な人のために少女はただ槌を振るう――至高の刀工浪漫、ついに完結!!
人を殺すための道具、日本刀。 生殺与奪の究極の実用品にして美的な存在。 天下泰平の世を経て、武器としてよりも 侍の権威の象徴であり美的な存在になりつつあった日本刀が 幕末・維新の時代に武器として再評価された時代。 それは日本刀が最期の輝きを示した時代でもあった。 人を斬るために、命を守るために、 美の追求のために、金儲けのために、 様々な目的と思惑で日本刀が扱われた時代。 そんな時代に生まれた女性刀鍛冶師・お涼。 刀鍛冶師であった父が残した玉鋼・青玉砂の存在と 自身が刀を打つ意味、打ちたい刀の姿、 それらを自問自答しながらたどりついたのが 「水の剣 火の刀」 お涼は、その刀を打てるのか? 悩むお涼を追い越すように時代は流れ動き、 人は生きて死んでいく。