主人公・藤岡椒太郎は東京の呉服屋の若旦那。
呉服屋の仕事もけして気楽に適当にすませられる
わけでもないし、婚約者との結婚式に向けて
決めなければならないことも山ほどある。
それでも無類の鰻好きの椒太郎は
なんだかんだと鰻を食べる。
理由をつくって大阪、九州まで食べ歩く。
それでも食べても食べても鰻の魅力、
美味しい食べ方に次から次へと出会ってしまう。
なんと奥深い鰻の世界。
椒太郎が呉服屋の若旦那という設定は、
鰻をそこそこ食べ続けられる金と時間を
持っている人ってことでの設定だろうけれど、
キャラ設定の一番大きな要件は
主人公に和服を着せたかったことではないだろうか?
いまどき街中を着物で歩いている椒太郎の姿は
やはり少々、日常的な風景とは違う。
その違和感も「う」という漫画の味ではあるが、
なによりやはり和風の家屋の鰻屋で鰻重を食す姿は
和服姿のほうが絵になる。
そのへんに作者のラズウェル先生は
拘ったのではないかと思う。