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最後の秘境 東京藝大―天才たちのカオスな日常―

特殊で面白い芸大の実情

最後の秘境 東京藝大―天才たちのカオスな日常― 二宮敦人 土岐蔦子
六文銭
六文銭

上野の一等地にバコーンとキャンパスを構える「芸大」 何年間も浪人しないとはいれない 東大よりも難しい 就職率は異様に悪い 偉大な卒業生以上に、何しているかわからない人が多い など、不思議な魅力と謎多き「芸大」に迫った本作。 高倍率な上に、特殊な人しか入れない学校だからか、本当に多種多様な人たちがいます。 その一風変わった学生たちを、おもしろおかしく実録的に描いた内容。 のめりこむと何をするかわからない姿や、特定の分野に特化した知識でとりあえず試してみるなど、芸術の探究心は科学に近いものなんだなぁと感じます。 驚いたのが、音楽学部のほうで、演奏技法を学ぶことはもちろんだけど、はやくから色んな場所でドレスを着飾り、演奏して、宣材写真などで自分を売りこむ努力をしているところ。 芸大まで出ても、演奏で食べていけるのは一握りなのだと衝撃を受けました。 日本の最高峰に位置しているので、なんとなく引く手数多かと思ってましたが、芸の世界はかくも厳しいのだと痛感します。 実力世界に学歴など関係ないんですね。(当たり前か) 原作小説に、いまをときめくking gnuのボーカル(当時東京藝大声楽科在籍)も取材対象として出てきた様で、今後でてくるのかな? 掘れば、まだ何かでてきそうな感じが、まさに秘境ですね。

創作文芸サークル「キャロット通信」の崩壊

なぜ人は物語を綴るんだろう?

創作文芸サークル「キャロット通信」の崩壊
toyoneko
toyoneko

「今年読んでよかったマンガリスト」を作ったときに、今年読んだ読み切りで何が良かったかな…と思いだす中で、真っ先に思い出したのが本作だったんですよね というか、「ゼロ災でいこうっ」のシーンが思い浮かんだ(添付) 衝撃的なシーンでした 大人になっていく中で、飛行機事故を契機に、自分の「核」が創作ではなくなっていたということ(又は、自分の「核」は最初からそんなところにはなかったということ)、そして、現実を前に情熱は失われてしまっていたこと、そのことを自覚する物語 それが、本作に対する私の印象でした …が、読み返してみると、実はそうではなかった だって、主人公は、そのことを自覚しながら、それでも、創作をやめられないから 「他の選択肢がない」という理由で、やはり創作を辞めることができない 別の人生を歩めるなら歩みたいと泣くのに、それでも辞めることができない それどころか、キャロット通信は解散し、仲間もいなくなり、 誰も読んでくれない、読者すらいないのに、辞めることができない 「にもかかわらず…私は…懲りもせず」 「また繰り返す…どうして?」 「なぜ??」 たぶん、このセリフこそが、この作品の核心なのでしょう 主人公にとって、創作は、苦痛なのでしょう でも、主人公の救いは、もはや創作しかない だから、主人公は、創作に向き合い続ける 「赤羽」に登場するペイティさんが、 「やはり創らないと気が狂いそうだから創るってコトですね…」 と言ってました(増補改訂版4巻、ボーナストラック9話)、 「創作」というのは、もともと、そういうものなのかもしれないです あ、ところで、そんなふうに「創作」をやめることのできない綿本おふとん先生ですが、トーチwebで新連載とのこと!みんなで応援しようね! https://x.com/offton_w/status/1873197901478019149

最後の秘境 東京藝大―天才たちのカオスな日常―

さいごのひきょうとうきょうげいだいてんさいたちのかおすなにちじょう
ジャンル:エッセイ学園
最新刊:
2021/07/08
さいごのひきょうとうきょうげいだいてんさいたちのかおすなにちじょう
最後の秘境 東京藝大―天才たちのカオスな日常― 1巻
最後の秘境 東京藝大―天才たちのカオスな日常― 2巻
最後の秘境 東京藝大―天才たちのカオスな日常― 3巻
最後の秘境 東京藝大―天才たちのカオスな日常― 4巻(完)
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