愉快な話と料理とワインと
感覚が敏感なジルベールさんが、職場やアパルトマンの住人たちと触れ合いながら心を溶かし成長していく。 彼だけでなく個性豊かなキャラクターたちも、各々問題や苦悩抱えている。 人を理解するって難しいけど、 「人と違う」を「その人のよさ」と受け止め個性や性格として受け入れて日々を楽しんで暮らしているところは、フランスだなぁ。日本ではまだまだ難しいですね。 読みやすいし楽しめる良い作品です。
パリのレストランで働く気弱な青年・ジルベール。雑用係として、毎日皿を洗い続ける平凡な日々を送る彼だったが、陽気な新人・マルコとの出会いによって、世界は変わり始める。気鋭の新人が全霊で描く、すべて人々に贈るお仕事青春ストーリー。
初出では露骨に性格が悪いと言うかめんどくさそうなキャラが話が進むと良い面が見られてジルベールや他の登場人物と和解する、その過程の描き方が本当に上手い。なので巻ごとに波乱はあるんだけどずっと穏やかな気持ちで読んでいられる。
そう言えば、4巻後半のマンガ家の話について、実体験が入っているのでは?的な感想を幾つか見かけたけど、個人的には深読みし過ぎではないかと思ってます。入居者に”芸術家”という条件があるのでマンガ家の登場自体は自然だし、そもそもこの作品はそういう不条理さを訴えることが主題の作品ではないと思うのです。
4巻まで読了。