ネタバレ

二足歩行で日本語を話す猫が住んでいる島にやってきた主人公が、そこの秘密や仕組みを明らかにしたりしなかったりしながら日々を過ごす。

だいたい1話完結で、最後にポエティックな1コマが来ることが多い。これが全くいやらしくなく、意外性があるため読む度に想像力を刺激してくれる。近代美術やビートルズ、宮沢賢治などの影響が散りばめられているのも楽しい。主人公の最後の決断含めて今こそ響く作品。

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コスモス楽園記

マタタビドングリアンパン

コスモス楽園記 ますむらひろし
名無し

どこか遠くに、遥か遠くに逃散したいというのは、金持っていようが彼女がいようが、誰もが持つ願望ではないでしょうか。僕が想像するどこか遠くは『コスモス楽園記』のロバス島のイメージです。  作者のますむらひろしといえば、ヨネザアドという物言う猫と人が共存する世界を描いた「アタゴオルシリーズ」が有名です。『コスモス楽園記』も等身大の猫がでてきますが、舞台は現代日本となっております。  主人公は番組制作会社に勤める藤田光介という青年。「秘島探検シリーズ」という番組の下調べのため、無人島であるロバス島に単身向かった光介は、そこで二足歩行の猫による街を見つけてしまうのです。驚き戸惑う光介は、“マタタビドングリアンパン”という、島でご禁制のブツを楽しんでいた文太という猫に出会い、猫の社会に入りこんでいきます。ロバス島の掟で、人間社会にもどれなくなってしまった光介は、人と同じようだけど、どこか異なる猫たちの文化を目撃していきます。  巨大迷路を抜けないと診てくれない「迷路医者」、すべてのオキアミの救済を祈る「オキアミ教」、ゴッホの絵画にでてくる建物そのままを設計するジプレッション氏など、人間の文化を下敷きにしながらも、猫達の文化は独自に発展しているのです。  猫達がなぜ、このような文化を築くことになったのか、その創造主は誰なのかという問題に対して物語はハードに展開していきます。が、基本的に南国雰囲気なロバス島の和やかな日常が描かれています。  椰子の木に囲まれた露天風呂に入りながら寿司を食べたり、谷川の水で沈んだ街の底にある、潜水具をつけて行く床屋、海に沈んだ幻の酒・ジョジマアルを飲む昼下がり…。現実には体験できないけれど、自分がそこにいるような気持ちにさせてくれる、そんな不思議な漫画なのです。もし、漫画の中に入れるのなら、僕は間違いなく『コスモス楽園記』を選びます。

コスモス楽園記1
コスモス楽園記2
コスモス楽園記3
コスモス楽園記4
コスモス楽園記5
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オーロラ放送局

オーロラ放送局

「放送をおききのみなさん、今私は海底から不思議な小さな機械のようなものを発見しました」海中からラジオの実況中継をしていた美優。見つけたものを起動させると、氷がどんどん膨らんで大きな輪ができあがった。氷の輪で遊ぶペンギンの子どもたち。子どもたちが遊ぶ様子も実況されたが、彼らの数はいつの間にか減っていて……? オーロラ輝く南極の海で放送される、不思議なラジオ。みなさんも聞いていきませんか?※この作品は同タイトル分冊版の1~7話を収録した単行本版です。重複購入にご注意ください。

アンダルシア姫

アンダルシア姫

「おまえの中からこぼれ落ちる恨みの声が私を呼んだ」スペイン南部アンダルシア地方にスケッチの旅に来た時蔵。向日葵畑をスケッチしていると不思議な女性、オリベと出会う。オリベは時蔵の恨みを消せると言うが――? 太陽の光が降り注ぐアンダルシアの街でオリベが語りはじめる不思議な話の数々。爆弾魔、「39」と書かれた封印の箱、常人には手の付けられないそれらも、オリベにかかればこのとおり!※この作品は同タイトル分冊版の1~7話を収録した単行本版です。重複購入にご注意ください。

オーロラ放送局【分冊版】

オーロラ放送局【分冊版】

「放送をおききのみなさん、今私は海底から不思議な小さな機械のようなものを発見しました」海中からラジオの実況中継をしていた美優。見つけたものを起動させると、氷がどんどん膨らんで大きな輪ができあがった。氷の輪で遊ぶペンギンの子どもたち。子どもたちが遊ぶ様子も実況されたが、彼らの数はいつの間にか減っていて……? オーロラ輝く南極の海で放送される、不思議なラジオ。みなさんも聞いていきませんか?

ますむらひろし賢治シリーズ

ますむらひろし賢治シリーズ

宮沢賢治の不朽の名作を完全ビジュアル化。漫画家ますむらひろしのライフワークが待望の復刻!幻想的で緻密な作画に定評のある漫画家ますむらひろしがライフワークとしている、宮沢賢治作品の漫画化。根強いファンによって読み継がれてきたロングセラーが、宮沢賢治没後90年を機に待望の復刻です。ジョバンニとカムパネルラ。2人の少年が育む深い友情を通して、正しく生きることの難しさと尊さを描き、日本の文学史上にさん然と輝く宮沢賢治の名作『銀河鉄道の夜』。その賢治の心の中にあり、ビジュアル化は不可能と言われ続けた幻想第四次・銀河空間をますむらひろしが完全劇画化。また、『銀河鉄道の夜』の初期形「ブルカニロ博士篇」も併せて収録。2つの作品を読み比べることで、賢治の世界がより近くなります。※『銀河鉄道の夜』は1983年10月、『銀河鉄道の夜〈初期形〉ブルカニロ博士篇』は1985年8月に、それぞれ(株)朝日ソノラマより出版されました。本書は、1995年3月に小社より2編を合わせて文庫化したものの復刻版です。

試し読み
アタゴオルは猫の森

アタゴオルは猫の森

立って歩き喋る猫たちとニンゲン、その他諸々のヘンなもんたちが共存する不思議な国アタゴオル。中でも大食らいで傍若無人、無邪気だけどずるくていやしいヒデヨシは、いつも騒動のタネ!ギルバルス対冬の魔物、寒怒呂の闘いにヒデヨシが乱入する「冬をこの手に」他、6話と、書き下ろしあとがき「アタゴオル余波」を収録。

アタゴオル

アタゴオル

あなたも疲れた現実からちょっと離れ、心の安息地アタゴオルに癒しにいきませんか?アタゴオルを舞台に繰り広げられる猫と人間の物語。立って歩くし、お酒が大好き、強引で、酢ダコと紅まぐろも大好物だけど、ヒデヨシは猫なんです(タヌキではありません)。アタゴオルはそんな猫たちと多少の人間が住む森。影食い退治や、古代遺跡の探検、ネズミトランプ博打に、鉢植えベゴニアの巨船で海賊の宝探しに出かけたりと、何かと忙しいです。

グスコーブドリの伝記

グスコーブドリの伝記

宮沢賢治の作品世界をますむら・ひろしが完全ビジュアル化!!東北が生んだ国民的作家宮澤賢治は37年という短い人生の中で、三陸沖地震を含む大きな地震や大規模な冷害に何度も見舞われていた。それほど厳しい環境でも、賢治は故郷を愛し、作品中に登場する架空の理想郷に「岩手」をエスペランド語風にした<イーハトーヴ>と名付け、その美しいイーハトーヴの森を舞台に、困難に直面した故郷と大切な人たちを守る主人公の成長をますむら・ひろしがコミック化しました。

風の又三郎

風の又三郎

好評「ますむら・ひろし賢治シリーズ」第2弾!宮沢賢治の作品世界をますむら・ひろしが完全ビジュアル化!!日本の東北地方の自然に育まれた宮沢賢治の代表作「風の又三郎」少年期の子供だけが見ることができ、感じることのできる世界を描いた賢治の童話をますむら・ひろしがコミック化。

ますむら・ひろし 宮沢賢治選集

ますむら・ひろし 宮沢賢治選集

天変地異による不作と飢饉に苦しむ農民達。飢饉により一家離散となったグスコーブドリは困難を乗り越え、火山局の技師となる。全ての人々の幸せを願い、飢饉を防ぐため彼が選んだ道とは?登場人物を猫に置き換えながらも宮沢賢治の世界を忠実に漫画で描き宮沢賢治学会よりイーハトーブ賞を授与された珠玉の作品をお届けします。◆収録作品◆・グスコーブドリの伝記・猫の事務所・どんぐりと山猫・カイロ団長

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