変わらない人間関係を書くのがうまい!
さらっと読めるので読んでほしい。 作者は変わらない人間関係を描くのがうまい人ですね… 行動とか絵より会話でハッとさせるタイプの漫画かと思うんですが、その会話の選び方もうまいし、この二人の状況も劇的に変わったりするのに関係性が変わらない。 センス感じました。
平々凡々なサラリーマン・藤ノ木の秘かな楽しみは、小学生のとき同級生だった男・赤岩から不定期にかかってくる電話だ。もう20年も会っておらず、今はどこで何をしているのかも分からない。この電話だけで繋がった奇妙な友情は、いつしかとんでもない方向へ転がっていき――。『ガイコツ書店員 本田さん』の本田氏が贈る、男2人の物語! ラストシーンに大きな反響・感動を呼んだ読み切り傑作を電子書籍化。おまけ漫画も収録!
小学校の頃に出会った、転校が多い赤岩と藤ノ木の二人が会えなくなってからの奇妙な友情を描く。
それは電話越しだけでの関係だった。
会話のテンポや会話している状況、電話が一方的にかかってくるタイミングなど、少しだけの煩わしさといつかかってくるか分からない生活の楽しみになっている感じがとてもいい。
定期的に顔を合わせなくたって友達は友達なのだ。
僕自身が転勤族だったこともあり、この話は救いになるなーと思う。
というのも、基本的にはみんな転校していったやつのことなど忘れていってしまうものだから。
「手紙書くね」とか「電話するね」とかいった言葉は信用しなくなったし、今の時代のようにスマホがあれば違うのかなとも思うが、人間の本質なんてそう変わらないような気もする。
僕が忘れられていく恐怖に向き合えなかったせいで、自分からは連絡を取れなかった。
その点、この赤岩は乗り越えてちゃんとつながりをひとつだけ持っている。
これはとても素敵なことだ。
祝福したい。
親友は人生に一人いるだけで自分を取りまく世界は救われる。