原点にして頂点の酒漫画
原点にして頂点という言葉をこの漫画に捧げたい!! 現代的なアイテムや背景が登場すればするほど、時代感のアップデートされなさが浮き彫りになっていく酒のほそ道。 楽しく美味しく呑めればいいじゃないかと言いながらもめんどくさい酒呑みばかりが登場し、でも結局みんな楽しければいいじゃないかというところに収束していく酒のほそ道。 アプデ前の人も後の人も、楽しくなるまで呑んで食べればそれでいいよね。自分がよければいいの極地がここにある。みんな自分勝手に楽しければいいんです! という空気感が絶妙に好きなんですよね。 めんどくさいこと言いながら、干渉し合っているよいでありながら自由に酒を楽しんでいる宗達がなんだかんだ好きなんだなあ。 自宅でつまみを作りながら酒を飲む回はレシピ漫画としても重宝するし、一人酒も飲み会もちょっといい店もいろんな酒の楽しみ方が学べる(?)のもいいところ。 時代に迎合することもなく、自分の信念を押し付けることもなく、適度にめんどくさいリアルなスタイルを貫いてくれる酒のほそ道が好きです。 誰よりもめんどくさいカスミちゃんがどんどん宗達に影響されてるのかわいい。めんどくさかわいい。
今週号の「酒のほそ道」の内容とか読んで思った。
これってラズウェル先生流の遠回しな
「コロナ禍」での生活への提言なのかな、と。
冒頭が「今年もよく飲んだ」と居酒屋で飲む宗達君。
このシーンを見て、まったくだ、と思うとともに
そういや今年はコロナで日本中が外飲み自粛みたいに
なったけれども、宗達君はあいかわらずだったし、
今回もそうだがマスク姿なんて出てこないな、と。
そして正月三が日は自宅で飲みながら、日替わりで
カスミちゃんや松島さんとの新婚生活を妄想して楽しむ宗達君。
正直、三十路独身男が日替わりで新婚生活妄想とか
ちょっとキモイんじゃねーの、とも思った。
が、冒頭で外飲みを楽しんでいて、
次に家に籠って飲みを楽しんでいる宗達君をみて、
これってコロナ云々抜きに、外飲みを楽しむのも
家飲みを楽しむのも、どちらをするにしても
「コロナ対策で」なんて身構えないで
リラックスして楽しもうよ、
という先生の意思表示なのかな、などと思った。
そう考えるとカスミちゃんや松島さんの
「今年の正月は外出しません」発言も、
あえて「コロナの問題もあるから」などと言わずに
どちらもがコロナとは無関係なスタンスで言っていることとか、
これまたコロナを意識しないで自然体で
(でも無理なくコロナに罹患する行動は避けて)
ゆったり暮らしましょうよ、というメッセージなのかな、と。
こういうことをハッキリと
「コロナなんかきにしないで」とか言っちゃうと
やはりいろいろと批判も出てくるだろうし、って
ところななのかもなあ・・と邪推してしまいました。
結構な漫画がタイムリーにコロナ禍を反映してる中でいつもどおりの「酒ほそ時空」が貫かれているのはホッとします。漫画の中だとしてもピリピリせずのんびりお酒を楽しんでる姿はいいものですね。
「酒ほそ時空」って言葉、いいですね。
独特な世界をマイペースに長期連載で、
単に「酒ほその世界」とか「酒ほそワールド」とか
いうよりも、長い年月・時代を経たことで作り上げた
「時空」といっていい深みがありますし(笑)