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「子供を殺してください」という親たち
タイトルに偽りなし
「子供を殺してください」という親たち 鈴木マサカズ 押川剛
六文銭
六文銭
親と子の関係。 血は水よりも濃いといわれる家族の関係ですが、家族である前に一人の人間なんだということを痛感させられる作品でした。 精神疾患が原因で手に負えなくなった子供を、親としてどこまでサポートできるのだろうか? 自分だったらどうするだろうか?と自然と考えさせられてしまいました。 主人公=原作者でもあり、おそらくノンフィクション(フィクションだとしても、限りなく実体験に近い)だろうと思います。 それゆえに、全てが漫画的にハッピーエンドで終わるかというそうでもないし、どちらかというと主人公の押川は、そうした精神疾患のある子どもを医療につなげるまでを生業としているので、そこで終わることが多い。 というか、その後どうなったかまでは言及している話は、むしろ少ない。 言い換えれば、社会復帰のスタート地点に立たせるまでで、そこからは本人なり家族なりに委ねている。 スタート地点に立つことすら難しい人たちなので大きな一歩であることは変わりないが、それが安易に幸せにつながるわけではないし、現実はむしろ地獄かもしれない。 だからこそ一層、彼ら彼女らのその後を想像してしまって、この点が本作の魅力だなと思う。 日曜14時からやっている「ノンフィクション」というドキュメンタリーが好きな人はハマると思います。 自分たちの知らないところで、現実にはこういう世界があることを突きつけられる作品でした。
銀のくに
雪国に降り積むあたたかな想い #1巻応援
銀のくに
兎来栄寿
兎来栄寿
はやしわかさんについては以前に『変声』の際に書きましたが、その表題作「変声」を含んだ短編集が新たに『変声』として発売になると同時に、こちらの『銀のくに』と同時発売となりました。 新潟の外れにある雨生町を舞台にした、雪国のヒューマンドラマです。 通学にバス45分+電車で20分かかる学校に通う高校1年生の五十嵐風花の家に、体を悪くした伯父の息子で同じ高1の賢心と、小3の娘のゆき枝が神奈川から突然やってきてしばらく同居していくことになります。 思春期の少年少女にとっては、どちらの立場からしても大きな戸惑いが生じるできごとでしょう。最初はお互いにぎくしゃくしていますが、さまざまなできごとを通して少しずつ、雪がとけるような速度で歩み寄っていきます。 それは、何も風花と賢心の間のだけの話ではなく、環境の変化への不安から涙をこらえられないゆき枝と、一見すると偏屈に見える風花の祖父もそうです。自分も、小3のころにあった大きな環境の変化に上手く順応できずゆき枝のように心細い想いをしたなぁと懐かしい思い出が蘇りました。一方で、祖父の方としても折り合いがつこなかった息子の方の孫ということで、接し方が難しいのも大人になると解ります。 どうしたって、初めは潤滑にはいかない関係。社会にはざらにありますが、そこで何とか互いに歩み寄っていくことで世界は開けます。そんな様態を、いじましく尊い努力を上手く描いている作品です。 また、雪国での生活のさまざまな困難が克明に描写され、10cm雪が積もったらニュースになる東京や神奈川との違いを感じさせます。一方で、そういう風土であるからこそ受け継がれてきた伝統料理の「のっぺ」のような存在もあり、美味しそうで食べてみたくなりました。 年頃なので、当然同級生たちを含めて恋愛方面の話も出てくるわけで、そうした部分における展開もどうなっていくのか気になります。 読んでいて凍えるような銀色の世界で営まれる生活がまずベースにあり、その上で絡まり合って動いていく人間模様。雪国育ちの人は共感を覚えるところも多いと思いますし、そうでないところで育った人も楽しめる物語です。
こどもをころしてくださいというおやたち
「子供を殺してください」という親たち 1巻
「子供を殺してください」という親たち 2巻
「子供を殺してください」という親たち 3巻
「子供を殺してください」という親たち 4巻
「子供を殺してください」という親たち 5巻
「子供を殺してください」という親たち 6巻
「子供を殺してください」という親たち 7巻
「子供を殺してください」という親たち 8巻
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「子供を殺してください」という親たち 10巻
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