親と子の関係。
血は水よりも濃いといわれる家族の関係ですが、家族である前に一人の人間なんだということを痛感させられる作品でした。

精神疾患が原因で手に負えなくなった子供を、親としてどこまでサポートできるのだろうか?
自分だったらどうするだろうか?と自然と考えさせられてしまいました。

主人公=原作者でもあり、おそらくノンフィクション(フィクションだとしても、限りなく実体験に近い)だろうと思います。

それゆえに、全てが漫画的にハッピーエンドで終わるかというそうでもないし、どちらかというと主人公の押川は、そうした精神疾患のある子どもを医療につなげるまでを生業としているので、そこで終わることが多い。

というか、その後どうなったかまでは言及している話は、むしろ少ない。

言い換えれば、社会復帰のスタート地点に立たせるまでで、そこからは本人なり家族なりに委ねている。
スタート地点に立つことすら難しい人たちなので大きな一歩であることは変わりないが、それが安易に幸せにつながるわけではないし、現実はむしろ地獄かもしれない。

だからこそ一層、彼ら彼女らのその後を想像してしまって、この点が本作の魅力だなと思う。

日曜14時からやっている「ノンフィクション」というドキュメンタリーが好きな人はハマると思います。
自分たちの知らないところで、現実にはこういう世界があることを突きつけられる作品でした。

読みたい
「子供を殺してください」という親たち

まずは知ることから

「子供を殺してください」という親たち 鈴木マサカズ 押川剛
野愛
野愛

病気を抱えた人間が、適切な治療を受けられないまま閉じ込められるのはおかしなこと。体の病気だったり怪我だったりに置き換えてみれば簡単にわかることなのに、精神疾患になるとどうしてこうも認識が変わってしまうのか。 押川のもとを訪れる親たちは、子どもを救いたいというよりも手に負えない子どもから解放されたいように見える。 家庭内暴力や異常行動に悩まされ追い詰められという気持ちはわかるけれど、もっとはやく気づいてあげられないものなのかと虚しい気持ちになる。 健やかに生きるという人間の根本を忘れるなんてそれこそ病的な発想だと思うのだけど、家庭という閉鎖的な社会だとかえって見誤ってしまうこともあるのかもしれない。 実話をもとにした作品なので、出てくるすべての人間が救われるわけではない。適切な医療に繋げられなかった、最悪の結末をむかえたお話もある。 この作品を読んだところで誰かが救われるわけでも、救えるわけでもない。でも、知ることや興味を持つことは重要だと思う。 ひとりでも多くのひとが健やかに生きていけるように、願うだけではなく知ることからはじめていきたい。

だれでも抱けるキミが好き

ただのエロかと思ったら

だれでも抱けるキミが好き
六文銭
六文銭

童貞地味男のゴトウとビッチなギャル・アガワさん。 冒頭からアガワさんのビッチさ全開の姿を見せつけられ、ゴトウくんはカルチャーショックをうける。 と、いうのも普段は委員会が一緒で、ギャル特有のフランクさに童貞のゴトウくんは秒でやられて、アガワさんが気になる存在になっていただけに、生々しいビッチさにショックをうけてしまった、、という流れ。 そこで童貞特有の女性に対する幻想に、第3者的に苦しむだけかと思ったら、そんな葛藤も一瞬で、ゴトウくんもアガワさんとやることをやってしまう。 そこが、ひと味違い個人的に面白いと感じました。 ゴトウくんもアガワさんのセフレの1人に成り下がってしまったことで、どこか自分だけは他の男子と違うとか思っていただけに、その落胆さと、身の程をわきまえ始める感じが、哀愁漂います。 ピュアな気持ちなど、最初からなかったのか?と。 アガワさんも掴みどころなく、ポンポン相手を代えるから、またすごい。 そんな姿にゴトウくんが嫉妬で狂いそうになって、今後どう動くのだろうか。 そして、それにアガワさんはどう反応するのかな? アガワさんがヒキ気味だと現実味があって面白いと思ってます。

ようこそ!FACT(東京S区第二支部)へ

嘘か真実か陰謀論

ようこそ!FACT(東京S区第二支部)へ
六文銭
六文銭

自分が何かと恵まれていないのは、何か大きな陰謀によるものではないか?という、ネットではびこる「陰謀論」がテーマの本作。 主人公は、いわゆる社会的に弱者の部類で、それでも自分にも特別な何か(人生大逆転できるようなものが)あるんじゃないかと日夜怪しいセミナーに通いながら過ごす。 そんな中、偶然出会った大学生の女性に恋してしまう。 関係を深めていくなかで、彼女につきまとうFACTという謎の組織の存在を知り、彼女を守るために接触。 そこは、陰謀論に染まった集団で、自分の境遇の悪さも、彼女と出会ったのも全てが大きな陰謀だったと諭され、気づくと彼もまたその思想に染まりはじめてしまう・・。という展開。 社会的な問題を扱う重そうな感じもあれば、コミカルなヌケ感もある。 現実を描いた漫画だから明らかに嘘っぽくも感じつつも、これ実はファンタジー漫画なのでは?と思うと真実のように感じてしまう。 ついつい、陰謀も本当のように感じてしまう。(ちょっと調べればわかるんですけどね) そんな感じで嘘か真実かわからないながら、自分なんかは読んでいたのでめちゃくちゃ楽しめた。 特に2巻。 主人公が上述した恋心を抱いている女性に、付け焼き刃的な稚拙な持論を展開し、一瞬で論破される様は読んでいてホント痛々しく、ゾクゾクした。 共感性羞恥をこれほど感じたシーンはないと思う。 4巻で最終巻らしいけど、どうオチをつけるか気になる。

珍遊記2~夢の印税生活編~

奇跡の続編

珍遊記2~夢の印税生活編~
六文銭
六文銭

小さい頃、色んな意味でトラウマを植え付けられた珍遊記。 当時、絵を見るのも怖くて、だけどドラゴンボールは読みたいから、珍遊記のページにはいかないよう恐る恐るめくっていたのも、今となっては良い思い出です。 本作というか、著者を語る上でもはや絵柄に触れないのは無理なのですが、とにかく子供がみたら泣き出すような絵の濃さ。 特に婆さんキャラのシワがえぐい。 下品な下ネタも満載で絵柄と相まって、初見の方は気分悪くなると思うんですが、、、 著者が、現在、子供向けの絵本作家としても活躍しているというから驚きしかない。 謎に時代を感じる。 さて、本作の内容だか、前作珍遊記の続編という立ち位置だが、前作をなぞりながら、その裏で起きていたことを描きながら始まる。 もう一つの怪作、漫遊記とも繋がっているので両方知っているとより面白いのだが、正直、何も知らなくても大丈夫だと思う。 著者の作品を知ってる人ならわかると思うが、ストーリーはあってないようなもので、とにかく勢いが魅力。 そこは本作も健在で十二分にある。 映画化もした作品だが、玄人受けとか言うつもりもないが、毒にも薬にもならない作品と異なり、モノづくりに携わる人間に、何らかのインパクトを残す作品なんだろうってことは理解できる一作です。

こどもをころしてくださいというおやたち
「子供を殺してください」という親たち 1巻
「子供を殺してください」という親たち 2巻
「子供を殺してください」という親たち 3巻
「子供を殺してください」という親たち 4巻
「子供を殺してください」という親たち 5巻
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「子供を殺してください」という親たち 7巻
「子供を殺してください」という親たち 8巻
「子供を殺してください」という親たち 9巻
「子供を殺してください」という親たち 10巻
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教育虐待 ―子供を壊す「教育熱心」な親たち

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教育ジャーナリスト・石橋大地が代表を務める「エデュケーション企画」。ここでは教育関係のメディア企画などを行っており、教育の名のもとに行われる違法な虐待行為「教育虐待」にまつわる問題も扱っている。過熱する中学受験ブームの影響により、石橋のもとには様々な相談が寄せられ――。巻末には原作・石井光太氏による書き下ろしコラムを特別収録!

「子供を殺してください」という親たち ベストセレクションーー「家族の恐怖」編

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各界で話題を呼ぶ『「子供を殺してください」という親たち』。10巻、100万部突破の記念として、初のベストセレクションを刊行する! 全ての話に解説として、雑誌連載当時の押川剛による「現場ノート」が収録、特別編の「現場からの声」も。連載当時のカラーページも復活!「家族の恐怖」編として編纂される内容は…第1巻収録「精神障害者か犯罪者か」「親と子の殺し合い」第2巻収録「親を許さない子供たち」第5、6巻収録「すべて弟にのしかかる」

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捜せ、幸脈を。天運あふれる奇蹟の人を。掘っても掘っても運が出る。尽きることなく運が出る。そんな鉱脈があると言う。富も地位も名声も。愛も子孫も長命も。掘り当てた者はすべてを手に入れる。人はそれを「ラッキーマイン」と呼んだ。俺は神を信じる!!都合がいいときだけ!!

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母を殺され父を殺され姉を兄を殺され妹を弟を殺された。そんなアタイは殺されっこ。生きるために殺すのさ。斬る、ユー。――渡世人、それは浮き世のしがらみを捨てたならず者。生きるも死ぬも、てめえ次第。そんな奴らが跳梁跋扈(ちょうりょうばっこ)した江戸後期に名を馳せた、極悪非道の女渡世人・宵闇(よいやみ)のお紺(こん)。一族を惨殺した七匹の首を翔ばすべく、復讐三昧で御座います。

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