これまでの安斎の言動から、黒を白に隠蔽したとは考え難いんだよね。
遠野の言うようにグレーで法的には立証不可で無実になるから、
これ以上、会社に損害が与えられないように細工したのかもしれん。
ただ、これでは猿側の行為が無意味になってしまうから、
安斎が法を盾にして、薬害被害者を侮辱するような発言をするとか、
藤谷に非がある方向へ持っていくと思う。
藤谷の薬の被害者がいるのは紛れもない事実なわけだし。

黒を白に隠蔽したとは考え難い、には同感。
自称・絶対正義の安斉だが、グレーを白にはしても
黒を白にはしない男だと思う。
黒を白にする男なら、絶対正義というより
勝てば官軍とか、歴史は勝者が作るもの、
みたいな方向にもう少し寄ったキャラになっていた
のではないかと思うし。

ただ、そういう自分の安斉への印象は当初のもので、
救助隊を殺して長谷川に罪を被せようと考え行動した時点で、
アレ?俺の考えていた安斉像と違う、
と疑問が生じてしまった。
これじゃ黒を白にする男だよな、と。
自分の安斉キャラの理解が間違っていたのか
安斉キャラが途中で変わってしまったのかは
今となってはよくわからなくなった。

藤谷に非がある方向へもっていく、にも同感。
被害者批判以外には、
藤谷社員は倒産で路頭に迷うとかならなくて
すんだのだから俺に感謝すべきだ、
とか、読者の反感を買う発言とかに走りそう。

安斎はもともとアメフトのチームメイトから自己中って言われて追放されるぐらい自己保身がつよいタイプ
建前は立派なことをいうが基本的に自分が生き残るために弱い人を犠牲にするというスタンスは早乙女拷問あたりから変わっていない
しかし安斎を凶行に走らせたのは間違いなく長谷川林早乙女
多少安斎や藤谷に非があったところで読者の反感はかわない

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宝石の国

重さと軽さが同居する、命の話

宝石の国
アフリカ象とインド象
アフリカ象とインド象

大好きな漫画です。 学生の頃、この漫画に狂っていた時期がありました。 友人全員にこれを読めとしつこく勧めて、 読んだ人に対してはお前はこの漫画の何もわかってない!と浅い考察を語る最悪のオタクでした。黒歴史です。 つまり、人を狂わせるほど魅力ある漫画ということとも言えます。言えますね。 とはいえ、こちらは既に多方面で紹介され尽くした人気作でもあります。 今さら自分の稚拙な語彙でレビューしても読むに耐えませんので、 ネットの海に散乱した情報に少しだけ補足をして、読むことを迷っている方の壁を取り払えればと思います。 この漫画が話に上がる時についてくるのが、とんでもない鬱漫画だという話題。 これが読み手の1つのハードルになってしまっていると思います。もったいない! 大丈夫。救いはあります。怖くないです。 確かに取り扱うテーマは重く、展開に心が締め付けられることはありますが、この作品の魅力はそこだけではないです。 素晴らしいのは重厚な世界観の中に、ポップさのエッセンスを忘れず組み込んでいること。 (ここで言うポップさとは、いわゆる大衆に寄り添う心のこと) 会話のテンポ、 キャラの関わり、 かわいらしいジョークのセンス。 そういう要素の節々に、作者である市川春子氏の人柄を感じられます。 そしてその人柄から読み取れるのは、 この人は読者の心をズタズタにしたい訳ではないよ〜。 ということ。 きっと最後まで読み切った方なら共感してくれると思います。 苦しさの先に希望がある。 これは人間の話。命の話。生と死の話。愛の話。宇宙の話。 火の鳥超えてます。ガチ。

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