ウダウダやってるヒマはねェ!

主役でもないのに、いちいちかっこ良すぎる天草銀。

ウダウダやってるヒマはねェ! 米原秀幸
華子
華子

ヤンキーマンガと言えば同じチャンピオンで連載されていた、クローズが若手俳優総出演で人気をはくしましたが、ワタシはこちら派でした。 箕輪道伝説が好きだったので、一巻が発売されていると知ったその日に近所の本屋へ走って予約に行った程です。 受け付けたのが凄いおばあちゃんだったので、タイトルを聞き取って貰えず、五回ぐらいレジで復唱した遠い記憶。 二回目くらいから、半笑いでした。 ヤンキーバディと言えばトオルとヒロシが定番ですが、こちらはナオミとアキ。 名前がオシャレ(?)。 かたや硬派で案外真面目なナオミと、ちゃらちゃら軟派だけど、本当は真面目なアキのコンビがヤンキー相手に全国喧嘩行脚(?) というかヤンキーなのか?最後は巨悪と闘うヒーローへとなって行きます。 喧嘩強すぎて。 ちょっと暑苦しい部分はご愛敬。 一番お気に入りだったのはアマギンです。 古いベンツのカブリオレに乗ってるし、ハーレーに乗ってるし、グリーングリーングラスオブホームがテーマソングなところも十九ごときで渋すぎる。 作者が一番思い入れのある登場人物なのかも知れませんね。 最終巻の最後のページは感涙しました。

KILLER APE

戦争と死のリアル

KILLER APE 河部真道
吉川きっちょむ(芸人)
吉川きっちょむ(芸人)

第一話読んだ。 前作「バンデット」の勢いとかキャラの強さ、圧みたいなものの描き方が好きなので、この新連載も楽しみ。 2199年。 AIや機械に頼り戦争にも人間を必要としなくなっていたが、「大断絶」が起き、文明は若干の退行を見せ、再び人の生身が必要になっているという時代。 主人公は「配信者」で有名になることを夢見ているが、復興が目の前に横たわった世間の状態では白い目で見られている。 社会が裕福で許容できる時代じゃないと立場が低そうだ。 そんな彼が兵士になるため、圧倒的にリアルな仮想現実の中で、肌で過去の戦争を体験することになるのだが、その様子がなかなか痺れる。 偶然だろうが、たった一発の銃弾が向かった先に人がいればあっさりと命は摘み取られるのが戦争のリアルだ。 戦争、死の現実感を目の前でまざまざと感じ、ちゃらんぽらんな生き方をしてきた主人公はどうなってしまうのか。 過去の戦場と未来の戦場を横断する感じになっていくのか。 「12モンキーズ」という映画で、未来では囚人が過去の戦争に参加したり、重大な事件を阻止するために過去に送られるというシーンがあって、それをふと思い出した。 映画「マトリックス」然り、圧倒的な現実感を持った仮想現実は現実とほぼ変わりない。 最近でも、VRと自覚したうえで斬首を受けた人が、体調に異変を生じてしまったという話がある。 リアルすぎて痛みを感じられるほどの仮想現実の戦場での死は、精神が死を感じ取って現実の死に直結してしまうのではないかと勝手に変な心配をしてしまった。 大作になりそうな予感がビンビンするので、ぜひ最後まで描き切ってほしい。

はやて×ブレード2

天地の星、黒鉄の星。

はやて×ブレード2 林家志弦
あうしぃ@カワイイマンガ
あうしぃ@カワイイマンガ

はやて×ブレード、読みました? どうでした?最高でしょ? もちろん続編読みますよねー? というわけで『はやて×ブレード2』です。ツーではありません、「ニャーン」と読んでください。 ★★★★★ 中高一貫女子校・天地学園で、剣技に優れた「剣技特待生(剣待生)」達が、「刃友」(しんゆう)とバディを組んで「星奪り」というランキングを競うお話。 前シリーズでは、熱いドラマと暑苦しいおバカなギャグで、様々な「刃友」達の関係性を描き、感動と笑いで悶死させられた訳ですが、終盤に新たな勢力が編入してきた事で、物語は新たなフェーズに入り、それは「2」に引き継がれます。 「2」の大きな柱として、新勢力「黒組」と旧勢力の、学園統治を巡る全面戦争……会長を完全に引き摺り下ろそうとする黒組に対し、旧勢力が「やっぱ天地会長がラスボスでないと、つまらん!」という結束で立ち向かう争いになっていきます。 しかし一筋縄で行かないのが、我らのラスボス・天地会長。 会長の意向は全ての剣待生を翻弄し、自分を脅かす者達が「自分を見ていない」事に腹を立てると、とんでもない舞台を設定。全ての剣待生が自分を目指し向かってくるように仕向けます。 この物語は全ての剣待生の為に在りながら、最終的には「天地会長」が光り輝く独壇場となっていくのです。 その存在感、圧倒的。 しかし、天地会長の大きな物語から、はみ出す物語がありました。前シリーズで解決しなかった、主人公・黒鉄はやてと、双子の姉・ナギの因縁です。 二人は自らの存在証明を賭けて、ようやく刀を交えます。分かり合えない心、分かってしまう互いの感覚、よく覚えている相手の動き……双子ならではのバトルと感情交換は、どこまでも熱く、尊い。 いつもバカみたいにはしゃいでた黒鉄はやての、全てを曝け出した全身全霊の闘いを、最後まで見届ける物語……その感動も、圧倒的!