歴史マンガの感想・レビュー1574件<<5152535455>>幕末を駆けた、それぞれの「士道」SIDOOH―士道― 高橋ツトムmampuku 数多い高橋ツトム作品の中でも屈指の長編大河。孤児となり反社会組織に売られ、絶望の泥の底から剣を振るうことで生き延び、やがて新撰組からも一目を置かれる剣客となった兄弟の物語。 高橋先生ほどの強力な作家さんが幕末という面白すぎる時代を真正面から描いたら、そりゃ面白くなりますわ。 正ヒロインの百舌ねえさんが物凄い美人でめっちゃいい女! 翔太郎もまた最高にかっこいい主人公なのでまさにベストカップル! それだけに戦いが始まるたびに死亡フラグなのではと疑心暗鬼でヒヤヒヤする羽目にw そしてあの結末──…… 以前、広江礼威と虚淵玄の対談で、「男が最も輝く瞬間とは」という話があったのを思い出しました。「武士道と云ふは……」と有名な格言もありますが、まさにこの作品のタイトルに相応しいラストと言えたかもしれません雨瀬シオリさん、どれだけ面白いマンガ描くんですか!結ばる焼け跡 雨瀬シオリ兎来栄寿個人的に2018年中でもトップ10に入るほど好きな作品です。 『ALL OUT!!』や『ここは今から倫理です。』でお馴染みの雨瀬シオリ先生。全部タイプの違う作品でありながら、全部が高水準で面白いのですから最高です。 この『結ばる焼け跡』は、戦争の良い悪いは別として第二次世界大戦直後の日本に生きる人々の心持ちは一体どのようなものだったのか、という所に焦点を当てて描かれた人間ドラマです。 食べる物も乏しく、今日を生きるのに命懸け。衣食足りて礼節を知るのであれば、逆もまた然り。ただ、そんな過酷な時代であっても、現代から見ても尊い人間の営みというものも同時に存在する。人の世の何とも言えない無情さ、愛おしさが綯い交ぜになって去来する、極めて文学的な読後感の物語となっています。 これはこれで続きをもっと見たいのですが、『ALL OUT!!』も『倫理』も読みたいし……もう雨瀬シオリさんは5人くらいに分裂して頂けないでしょうか、と無茶な想いに駆られるほどに素晴らしい作品です。設定も、演出も、物語も文句なしで面白い黒博物館 ゴーストアンドレディ 藤田和日郎ニワカ※ネタバレを含むクチコミです。かっこいい女性が活躍する漫画が読みたければまずこれを読め鉄腕ガール 高橋ツトムmampuku 戦後間もない頃、男女平等の機運が高まりつつある中、ビジネスとしての女子野球を立ち上げるべく奮闘する女たちの物語。主人公でチーム「キャンディーズ」のエース・加納トメがとにかく痺れるほどかっこいい! 高橋ツトム先生の作品らしく、政治やビジネスの駆け引きやハードボイルドな部分も多く、純粋な野球漫画というわけではないですが、その複雑さが面白さに深みと厚みを与えていますね。「料理マンガだと思って読んでいたのに、暴力沙汰や場外での足の引っ張り合いがひどすぎてテンションが冷めた」みたいな漫画も結構あるなかで、「鉄腕ガール」は理想的なスポーツ青年コミックだと思います。 時代モノだと戦国や幕末、明治などが人気のジャンルですが、戦後復興の時代が一番熱く燃えていて、読んでパワーをもらえる気がします。 これは「日出処の天子」戦争篇!レベレーション(啓示) 山岸凉子たぬきち※ネタバレを含むクチコミです。ちばてつや推薦!ペリリュー戦記ペリリュー ─楽園のゲルニカ─ 武田一義 平塚柾緒(太平洋戦争研究会) 太平洋戦争研究会名無し「世界中の人に読んでほしい」とちばてつやが推薦文を書いているようで、読んでみた。 なんか戦争ものって劇画タッチで火傷跡とか銃創とかもリアルに描かれて、痛くて辛そうって感じが多いイメージだけど、ペリリューはキャラクターがかわいいんだよね。 かわいいんだけど、やってることは戦争だから、悲惨さがリアルなタッチとは別の伝わり方がしてくる、気がしている。主人公よりも地球監視者に肩入れしたマーズ 横山光輝霧兵衛良かった点 ・横山光輝の書く六神体のかっこよさを堪能できる ・表紙もラストも衝撃的な内容 ・一番好きな神体はウラヌス 総評 ・このマンガに登場する地球監視者たちは自分の仕事に責任感を持ったプロ中のプロだ。 圧巻のクライマックス無限の住人 沙村広明ぱにゃにゃんだー漫画の終え方は難しいとよく聞きます。しかしながら、ムゲニンの終盤は美しくてため息がこぼれます。物語の佳境と長期連載で培われた作画技術があわさり素晴らしい出来です。 一方で、物語の序盤は、そんなに私の好みではありませんでした。主人公が不死身の侍と聞けば、捨て身の特攻無双のチートキャラをわたしは思い浮かべるのですが、ムゲニンではそうはいかない。万次さんは不死身だけど微妙に弱い。いえ、弱いわけじゃないんだけど、自分より強い敵には普通にガチ苦戦する。きっと登場人物を強さでランキングしていったとき、上の下くらいになりそう。だから、根性と策略でなんとかやり過ごしていく。その泥臭さたるや、愛想がいいキャラではないのに応援したくなるほど。 そういうのが好きな人はきっと序盤から楽しいはず。なんやかんやで主人公が圧倒的なほうが好きだとヤキモキするかも。けど、前述の通り、最終的には圧巻のクライマックスです。読んで良かったーという感想しかありません。 前作を読んでなくても楽しめる。読んでればもっと楽しめる(かもしれない)昭和オトメ御伽話 桐丘さなsogor25※ネタバレを含むクチコミです。侍の長屋にすねに傷を持つ人々が集うこはぜ町ポトガラヒー ~ヒト月三百文晦日払~ 昌原光一たか昌原光一ってすごい。 昌原先生の作品は「江戸の告白」がモーニングで掲載されていたのを見かけたことがあるだけで全く読んだことがなかった。 自由広場(https://manba.co.jp/free_spaces/15703) のカキコミでこの作品のタイトルは知っていたが、本屋で平積みにされた表紙を見て、「あー! あの顔が四角い人(の作品)だ」と気づき購入。 ポトガラヒーのタイトルに偽りなく、読んでいるとキャラクターがデフォルメされていることも忘れるほど写真のような生々しさを感じた。 陰と光の描き方が独特で、読み終わるころにはすっかりこの絵柄に惚れてしまった。 最初は流し読みしていたのに、大家・弥一郎の義理がたさに感化され気付けばがっつり集中して読んでいた。 各話の間にフランス人写真家らしき人物の手紙らしきものが挿入されており、それがいい味を出していたのだが、巻末の参考文献の1つにイザベラ・バードの日本紀行が入っていたのを見て納得。 歴史好きな人はぜひ手にとってください 激アツ西部劇!!!RED 村枝賢一ANAGUMAウィシャ族(インディアン)の末裔レッドが自分の部族を滅ぼした米軍「ブルー小隊」に復讐を仕掛ける物語。 西南戦争から逃げ延びた相棒の日本人イエロー、娼婦のアンジー、元ブルー小隊のゴールド、巡回牧師のグレイなど社会のはみ出し者たちがレッドとともに命を燃やす…。 全キャラシブすぎてマジで泣けてきます。 人種問題というモチーフは重厚ですが村枝賢一作品らしく読み味は爽快です。 レッドの必殺武器、巨大リボルバー「ヘイトソング」は必見!!鬼退治最高鬼滅の刃 吾峠呼世晴にこ鬼退治の話ですが、真剣な場面や大事な場面でも少し笑えるところや、グッとくるところがとてもハマります。小山ゆう先生の傑作雄飛 小山ゆうしんワクワク、ドキドキ。 岡田准一はイケメン過ぎた海賊とよばれた男 須本壮一 百田尚樹mampuku「日本国紀」が賛否を呼んでいる百田尚樹氏のベストセラー。「日本国紀」は未読なので言及は避けますが、議論の経緯や論点はこの記事がわかりやすかったです。 https://news.yahoo.co.jp/byline/yamamotoichiro/20181222-00108643/ 「永遠の0」では太平洋戦争を、そしてこの「海賊と呼ばれた男」は戦後の復興を描いています(どちらも同じ作家さんがコミカライズを担当しています。)どちらも単純に読み物として面白いです。 主人公・鐡造のモデルは出光興産の創業者・出光佐三氏。戦争で焼けた会社を立て直し、石油をめぐり英米と渡り合いながらイランとのシーレーンを切り開いた痛快な半生の物語です。鐡造は愛国的で厳格で、同時に封建的で古臭い人物として描かれています。昨今の働き方改革の世代とはまるで違う生き物のようです。どちらが優れているとかではなく、時代がそうさせたというか、結果的に豊かな日本を築いたのは彼ら戦前生まれの人々でした。 「日本国紀」といい、学校教育や大メディアをなぞるだけでは知ることのない不可視の歴史にスポットを当てるのが好きなようですね。「これが真実か……!」と鵜呑みにさえしなければ「永遠の0」もこれも面白い本だと思います。気づいたら読み終えていた水の剣 火の刀 あおきてつお 麻木遼 桜小路むつみ霧兵衛良かった点 ・主人公の刀鍛冶としての成長部分と歴史上の人物との絡みが良かった ・刀と刀鍛冶に詳しくなれる 総評 ・あおきてつおの漫画はどれを読んでもそこそこ面白い 岩明均の魅力とは七夕の国 岩明均影絵が趣味ことしも夏がやってきます。何やらことしは猛暑になるそうで、夏を迎える準備は出来ているでしょうか? 夏の情景を想像してみてみましょう。まだ夜の涼しさをのこした光りかがやく希望に満ちた朝、狂ったような太陽に照らさせて蜃気楼さえ見えてしまいそうな日中、沈みかけの夕陽が乱反射してちょっぴり切ない夕方、冷えたビールをゴクリと酔いも手伝い不埒な予感な熱帯夜などなど。夏、夏、夏、ほんとうに夏って魅惑されますね。どの瞬間を切り取っても胸を鷲掴みにされてしまいます。さて、私の夏好き話はこのぐらいにしておいて、皆さんにはこんな経験がお有りでしょうか? 暑い夏の昼下がり、涼しい部屋のなかで映画なり漫画なり小説なりを見たり読んだりして、物語の世界に入り込んでいる。読み終えて現実の世界に戻ってくると、どこからか蝉の鳴き声が聴こえてくる。立ち上がり、窓を開けると猛烈な熱気と狂ったような蝉の声がクーラーで冷えた身体を直撃する……。そんな時って、一瞬、現実と非現実の区別がつかなくなったりしないでしょうか? そんな夢まぼろし、白昼夢のような世界へと貴方をいざなう一夏の物語が『七夕の国』です。 作者は『寄生獣』や『ヒストリエ』でお馴染みの岩明均。乾いた作風なのに不思議な後読感を残す、ドロドロした内容なのに妙に風通しが良い、なんとも掴みどころがないんですよね、この人の作品は。もっというと、絵もそんなに上手いわけではないし、だからといってヘタウマな魅力があるわけでもない。特徴といったら、多用する苦笑いみたいな表情くらいのもので、なんだかな~という感じです。でも、不思議と彼の創り出す世界には引き込まれてしまいます。 何年か前に江口寿史が漫画の背景がトレース技術の向上と多用によって写実的になっている傾向に対して、浅野いにおや花沢健吾の名前を出して批判したことを発端に大きな論争になったことがありました。その際、江口寿史は岩明均の名前を出して「岩明均さんという漫画家さんがいらっしゃいますね。あの人の絵はこう言っちゃなんだけど、そんなに上手じゃない。絵も構図も演出も簡素です。なのに、何十億もかけて撮った映画以上にドキドキハラハラ面白く、感動させる物語を見せてくれる。僕はここらへんに漫画表現というものの謎というか秘密というかパワーを感じるんです。」といっていたのです。これを見てなるほどな~と感心しまして、改めて岩明均の宙ぶらりん(あるいは唯一無二)な魅力を再確認したのです。 そんなわけで岩明均の魅力を説明するのは大変そうなのですが、それでもひとついえそうなのは、苦手な部分を長所で補っているということだと思います。漫画表現力、江口寿史が挙げていた絵や構図や演出、その他にも幾つかの要素があるとは思いますが、岩明均はそれらの能力の殆んどが平均値かそれ以下なんですよね。いわゆる、人気漫画家という方々はこれら漫画表現力の各要素が総合的に高いのでしょう。では何故、岩明均の漫画が魅力的なのか?それは、ほとんどの能力がダメでも、いくつかの部門で圧倒的に突出した強みがあり、さらに、それを魅せるのが上手いということなのではと思うのです。逆にいうと、ダメな部分を隠すのが上手いとも言えるかもしれないです。何しろ、弱みに対して強みが圧倒的なので、他の人気漫画家のそれと比べても、より深く読者をエグることができるのでしょう。 浅野いにおにしても花沢健吾にしても各能力が高いだけに作品自体が放つ雰囲気が華やか(内容とは関係なく)ですよね。対して、岩明均の作品はどうあがいても地味な雰囲気が漂っているのですが、ひとつの道を極めた魅力というものには凄みがあり、"いぶし銀"といった言葉が良く似合います。 何はともあれ、『七夕の国』に話を戻しますと、時期的には『寄生獣』と『ヒストリエ』の間に描かれた作品です。SFと歴史物ではずいぶん差があるように思うかも知れませんが、作者本人にしてみれば過去も未来も同じように未体験で未知な領域であるからして似たようなものなのでしょう。『七夕の国』はそんな気分を象徴するかのようにSFと歴史を一緒くたに引き受けたトンデモ誇大妄想物語です。それを現代目線であっけらかんと描いてしまうから不思議なものです。 最初にもいった通り、ひとときの夢まぼろし、白昼夢のような世界へと誘ってくれること間違いないでしょう。一番最後のページで、浴衣姿でうちわを持ったヒロイン的な女の子が「ようこそ。」って言うのがすごく効くのです。これほどまでに夏を感じさせる漫画はなかなかないのではないないでしょうか。いや、実はぜんぜん夏っぽくはないんですけど、やっぱりそこここに夏が漂っているような気がするんですよね……。 「鬼に横道なし」!鬼カッコイイ復讐譚開幕鬼哭の童女 異聞大江山鬼退治 麻貴早人mampukuツイッターで公開されていた1話を読んで即購入。 源頼光麾下、渡辺綱擁する四天王に討伐された悪鬼・酒呑童子が主人公。おどろおどろしいタイトルに鬼気迫る少女の表情、そして帯文「源頼光、貴様を殺す!」。いざ中身を読んでみると、これらから受ける印象とはかなり違った主人公像が浮かび上がります。 とくに第2話で登場する「源頼光、貴様を殺す!」というセリフ、「そうきたか!!」と天を仰ぎました。めちゃくちゃエモいので必見です。 この悲痛な復讐譚はまだ始まったばかりですが、とにかく続きが楽しみです。俺好みの短編集だった’86~’02 かわぐちかいじ全短編 かわぐちかいじstarstarstarstarstarマンガトリツカレ男時代劇7作、現代劇5作と色々あるがどれも面白い 特に好きなのは 時代劇編だと「峠の茶屋」と「ぶらい」 現代劇編だと「人事を尽くして」かな 簡単な感想は以下の通り 峠の茶屋:二年くらい前に「グランドジャンプ」の読み切りで同名の「峠の茶屋」があったがこれに掲載されている「峠の茶屋」の1話目はその読み切りのプロトタイプっぽい。 ぶらい:渡世人が主人公で終わり方も含めてすごい好き。 人事を尽くして:国選弁護人が主人公の漫画。第3話のプロフェッショナルは、内容も主人公の職業意識も含めてすごい共感した。 アニメ化決定!ヴィンランド・サガ 幸村誠バイキング坂上ヴィンランドサガがついにアニメ化決定です。少年期の圧倒的なバトルシーンも最高ですが、青年期の葛藤しながら前に進んでいく様子もいいです。 出てくる登場人物もキャラが立っていておもしろいです。 この漫画を読んでいると本当の強さについて考えさせらます。 争うことを好まない主人公がどんどん争いに巻き込まれていってしまっていますが、自分を貫き通すことができるのかこの先も注目です。 アニメ化では圧倒的バトルシーンが再現されていることを願います。 驚くべきはこの頃すでに「BLACK LAGOON」が始まっていたことである新暗行御史 尹仁完 梁慶一mampuku今でこそジャンプで人気作を描いている人もいて活躍が目立つ韓国人作家ですが、当時はもっと珍しかったんじゃないですかね。「フリージング」や「黒神」よりもさらに前かな。挙げたどれにも共通して抱いた感想は、「やっぱり日本人とは文化とか考え方が違うな」って感じです。儒教的というか。漫画的な表現は寸分も違和感もなく我々がよく知る漫画ですね。 内容は時代劇ファンタジーというか、水戸黄門みたいな話。暗行御史ってのは要は悪代官を懲らしめる中央直轄の役職のようです。主人公の朴文秀も実在したみたいですね。中国の属国時代(李氏朝鮮)ってドラマとかだと過度に美化・演出されていそうで実態が想像しにくいところがあるんですが、「新暗行御史」の世界はかなり荒廃した印象を受けます。絶妙なテンポの漫画天堂家物語 斎藤けんむよく宣伝で目にするので一巻読んでみました。よくある少女漫画の明治時代ものだと思って読むと「ん!?」となります。 なんか絶妙なテンポの漫画。 なぜだろうと考えたのですが主人公の女の子が必要以上にときめかないから? 1巻読んだ時点で「死にたい女と死にたくない男」の話だと気づきます。 フルーツバスケットの主人公に似てる…?主人公が他に影響を与えていくタイプの漫画な気がするのですがどうでしょう。絶妙なテンポ感がくせになるので全巻追いたいと思います。本編/後書きも含めて感動的な傑作腕KAINA~駿河城御前試合~ 森秀樹 南條範夫霧兵衛良かった点 ・ベストバウトは「被虐の受太刀」次点で「石切り大四郎」 ・後書きの文章がこの劇画をかけるのは、この人だけだなと思わせる名文 総評 ・多少原作との違いもある ・世間的には同じ「駿河城御前試合」を元にしたシグルイの方は知名度は高いが個人的にはこちらの方が面白い 面白くない訳ないと思ったけどレイリ 岩明均 室井大資名無し案の定面白かった。一気に読んだ。後半はちょっと展開が早い気もするが一読の価値がある名作戦国自衛隊 森秀樹 半村良starstarstarstarstarマンガトリツカレ男※ネタバレを含むクチコミです。<<5152535455>>
数多い高橋ツトム作品の中でも屈指の長編大河。孤児となり反社会組織に売られ、絶望の泥の底から剣を振るうことで生き延び、やがて新撰組からも一目を置かれる剣客となった兄弟の物語。 高橋先生ほどの強力な作家さんが幕末という面白すぎる時代を真正面から描いたら、そりゃ面白くなりますわ。 正ヒロインの百舌ねえさんが物凄い美人でめっちゃいい女! 翔太郎もまた最高にかっこいい主人公なのでまさにベストカップル! それだけに戦いが始まるたびに死亡フラグなのではと疑心暗鬼でヒヤヒヤする羽目にw そしてあの結末──…… 以前、広江礼威と虚淵玄の対談で、「男が最も輝く瞬間とは」という話があったのを思い出しました。「武士道と云ふは……」と有名な格言もありますが、まさにこの作品のタイトルに相応しいラストと言えたかもしれません