どんな時も諦めない気持ちは、大切。
終戦直後の日本の様子、戦争孤児の生活、戦後生まれの私には、想像もできない人々の精神的な苦痛。 それでも、生きていかなければならない状況。 その中で、人の弱みに付け込み商売をするやから、弱いものを相手に横行する暴力、長いものに巻かれないと生活できない生活弱者。 その人たちが、がんばって居てくれたから、私の今があると思うと、生き抜いてくれてありがとうという言葉しか出てこない。 そして、闇市での運命的な出会い。 人と人の縁とは、不思議なものである。 1巻読了。
個人的に2018年中でもトップ10に入るほど好きな作品です。
『ALL OUT!!』や『ここは今から倫理です。』でお馴染みの雨瀬シオリ先生。全部タイプの違う作品でありながら、全部が高水準で面白いのですから最高です。
この『結ばる焼け跡』は、戦争の良い悪いは別として第二次世界大戦直後の日本に生きる人々の心持ちは一体どのようなものだったのか、という所に焦点を当てて描かれた人間ドラマです。
食べる物も乏しく、今日を生きるのに命懸け。衣食足りて礼節を知るのであれば、逆もまた然り。ただ、そんな過酷な時代であっても、現代から見ても尊い人間の営みというものも同時に存在する。人の世の何とも言えない無情さ、愛おしさが綯い交ぜになって去来する、極めて文学的な読後感の物語となっています。
これはこれで続きをもっと見たいのですが、『ALL OUT!!』も『倫理』も読みたいし……もう雨瀬シオリさんは5人くらいに分裂して頂けないでしょうか、と無茶な想いに駆られるほどに素晴らしい作品です。
昭和20年、上野──。終戦直後の焼け跡で、全てを失った者達の魂が爆ぜる。自分以外の家族を失った戦争孤児・兼吉は、絶望の中でもがき続ける。だが謎の青年・金井田との出会いが、少年の心を解きほぐし…? 「ALL OUT!!」「ここは今から倫理です」で、今最も注目を集める気鋭の作家・雨瀬シオリの最新作、満を持して登場!!
昭和20年、上野──。終戦直後の焼け跡で、全てを失った者達の魂が爆ぜる。自分以外の家族を失った戦争孤児・兼吉は、絶望の中でもがき続ける。だが謎の青年・金井田との出会いが、少年の心を解きほぐし…? 「ALL OUT!!」「ここは今から倫理です」で、今最も注目を集める気鋭の作家・雨瀬シオリの最新作、満を持して登場!!