バビロンまで何マイル?

20年前に読んでおきたかった漫画

バビロンまで何マイル? 川原泉
タマゴ・ボーロ

歴史の教科書のような漫画だなと思った。教科書というと堅苦しくて退屈そうだけど、これは読んでいるとワクワクしてもっと知りたい!という欲が湧いてくる。これを10代で読んでたらもっと歴史に関心持ててたかな… はじまりはファンタジーで、子供の頃助けた小人が12年の歳月を経て、お礼として種族年代問わず言葉が通じてさらにタイムスリップ(ただしアトランダム)できる機能を持つ指輪を主人公たちに授ける。 その主人公ふたりのキャラクターがかなり魅力的。魅力が爆発している。 本編でふたりは恐竜時代とイタリアルネッサンス時代に飛ばされるんだけど、いずれも恐ろしいほどに自分らの置かれてる状況を冷静に分析して柔軟に適応し、飄々と受け入れる。出会った人々にも必要以上に感情移入しない。 だから読んでる方は純粋に歴史上の出来事でハラハラドキドキできたのかもしれない。 また数奇な運命を共にしたことで幼馴染の男女の関係性に変化があるかと思いきや、全くない。だがそれでいい!読めばわかる。 一巻完結で気負わず読めるけど、せっかくの指輪の特性を生かした展開がもっとあってもよかった。 と思った一方で、あそこでスパッと終わってたからこその面白さもあるのかな… 自分にとっては川原泉作品の入門として適していたと思える。他のも読も。

eensy-weensyモンスター

ゆっくり進むかわいい恋の話

eensy-weensyモンスター 津田雅美
nyae
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たぶん、カレカノの次の連載作品だったと思うけど、落差がすごくて大丈夫か…と思った記憶が。結果大丈夫でした。 主人公の七花は地味で平凡な女の子なんだけど、まわりのキャラクターがめちゃめちゃ濃い。 七花の幼馴染には、日仏ハーフの超絶美女(中身は美男子で女子に大モテ)ののばらと、学年一の秀才・蓮華(こちらも美女)。それぞれにまたキャラの濃い兄たち(通称・兄ーズ)がいる。高スペックの濃いキャラがわんさと出てくるところはカレカノぽくていいですね。 七花の恋の相手は、学校で女子に王子ともてはやされている葉月。 七花は葉月のナルシスト気質が受け入れられず、関わりを拒絶したことから恋が始まる…のですが、 一話目が1月の話、二話目が2月の話…といった感じである意味一定のペースで進むことでかなりじっくり恋が育つのですが、それがこの漫画の良さで、月刊連載なので雑誌の発売月と内容が連動していたらしく、読者と同じ時間の流れを漫画の中にも作ったような、画期的(?)な作品です。 葉月の気持ちが七花に向いたことで、王子・葉月を取り戻すために女子たちが七花をどうにかしないと…という流れで、そういう展開か、と思いきや「でもこれっていじめでは…?」といまいち悪者になれずに、尾行してても人気のない道を歩く七花を心配しちゃう女子たちがかわいい。 悪者キャラ殆ど出てこない。安心。