講談社マンガの感想・レビュー6231件<<119120121122123>>「ダンゲロス」シリーズ第3弾。バカと下品のオンパレード!ダンゲロス1969 横田卓馬 架神恭介toyoneko「ダンゲロス」シリーズには「戦闘破壊学園ダンゲロス」「飛行迷宮学園ダンゲロス」「ダンゲロス1969」があり,もともとは架神恭介先生による小説です(その小説のもとになったTRPGっぽいものもあるらしいのですがよくわからないので説明省略)。 基本的には超人たちの能力バトルなのですが(なお能力者は「魔人」と呼ばれます。),能力は本当に異常なものばかり。 たとえば漫画版「戦闘破壊学園」1話に登場する女の子の能力名は「災玉」。男にのみ感染するウィルスを作り出す能力で,感染した男はありとあらゆる性病を発症したうえに精液を吐き散らしながら金玉が爆散して絶命するという,狂気に満ちた能力です。 そんな「戦闘破壊学園ダンゲロス」を漫画化したのは,今となってはジャンプ作家の横田卓馬先生。 シンプルながらも魅力的な絵柄と,原作をうまく整理したストーリー,そして何より,迫力ある演出が加えられたことで,最高の作品になりました。 さて,ここで紹介するのが,シリーズ第3弾「ダンゲロス1969」。 舞台は,1968年~1969年。過激化する学生運動の中で,「魔人」学生と,「魔人」警察/公安が入り乱れ,抗争を繰り広げるというストーリーです。 それまでのシリーズと比べてもさらにバカかつ下品になった「魔人」能力のため,これはもう絶対漫画化不可能だろうと思われた作品です。 特に警察側がヤバくて,常に下半身丸出しで精液で敵の動きを封ずる奴とか,常にうんこを食べている奴とか,オナホール刑事とか,触手生物(名前は「姦崎姦〔かんざきれいぷ〕)とか,異常な奴しかいませんでした。 そもそも「戦闘破壊学園」と「飛行迷宮学園」の原作小説は講談社から出版されてるのに,この作品だけ,作者の自費出版です(キンドル版のみ)。 ところが!この作品も商業作品として漫画化されました。 漫画化したのは,「戦闘破壊学園」と同じく横田先生。 横田先生は,「戦闘破壊学園」同様,原作の魅力を充分に引き出しつつ,一方で,その絵柄によって,癖のありすぎる「魔人」能力を,ちょっとマイルドな印象に仕上げることで,ぎりぎり商業出版に耐えられるようにしてくれました(画像参照)。 なお,小説版の表紙は武富健治先生が書いてます。武富先生が漫画版を描いた場合は,商業出版の範疇を超えた可能性がありそうです。 ヤバすぎる能力を持った魔人たちが次々あらわれ,学生と警察/公安の戦いは過激化していき,物語はどんどん盛り上がっていったのですが,しかしやはり,読者を選ぶ作品ではありました。 何しろ1巻ラストのヒキが,精液で敵の動きを封ずる「魔人」公安vs女子小学生のおしっこを操る能力を持った「魔人」学生の戦いが始まる!というものでしたから。 安田講堂決戦開始の直前で,漫画版の連載は終了してしまいました(打ち切り)。 コミックは全5巻。原作のうち三分の二強までが消化されました。 ある意味で一番盛り上がる聖百合超特急(リリアンエクスプレス)は描かれたものの,まさにこれから最終決戦!というところでの連載終了でした。 「革命の構造」の秘密は明らかにされておらず,「転校生」も戦いの舞台にはあらわれていません。 無念…実に無念です。 とはいえ,横田先生のツイッターをみると,いつか続きを描きたいとのことです。 https://twitter.com/kyooteta/status/1202790198771208192 いつか,どこかで,この作品の続きを読める日を待ち続けたいです。よりぬきちょいエロクッキングパパ深夜のクッキングパパ うえやまとち野愛タイトルとコンセプトだけでもう面白い。 ちょっと大人な回を集めたクッキングパパだなんてイカれてる最高すぎる。 とはそこはクッキングパパ。 虹子さんが色っぽかったり田中君と夢子さんがイチャついてたりするくらいで、どエロいものはなかったので安心しました。 ただし「とろろフォンデュ回」は終始下ネタでした。 勃ちが悪いとお悩みの大平課長。謎のED薬ではなくとろろで解決するのが平和でいいですね。 読み始めはコンセプト面白すぎ!!というテンションだったけど、読み終えてみると「食も性も人類の営みだ…」みたいな感情に包まれました。やっぱりクッキングパパはクッキングパパでした。ジェットコースターのような展開HOTEL CALFORINIA すぎむらしんいちstarstarstarstarstarかしこカリフォルニアって名前は付いてるけど北海道のとんでもない山奥にあるホテルが舞台。しかもよく見るとスペルが間違っていて【カ「ル」フォ「リ」ニア】になんです。ホテルから町に通じる唯一の道が土砂崩れで崩壊したことから、そこで研修を受けていた新入社員7人と支配人と掃除のおばちゃんが閉じ込められてしまうのですが、新入社員のみょ〜に色っぽい女の子が実は社長の愛人だったことが発覚します。ただでさえ絶体絶命の状況なのに社長に愛人として斡旋していたヤクザも乱入して現場はもっと混乱します。あとは熊やら大麻畑やら老人の集落やら…まるでジェットコースターのようなスピードで展開するので退屈しません。しかもストーリーの合間にたびたび挟まれる一枚絵がどれもカッコよかったです。実写化おめでとう!きのう何食べた? よしながふみ名無し「2LDK男二人暮らし 食費、3万円也。-ちょっと増えました-」のキャッチフレーズで知られる『きのう何食べた?』が実写化するらしい。 表情の変化とモノローグ。さらりと描かれる、身に沁みそうなご飯の数々。『ゲイカップルの日常』という難しい題材を丁寧に紡ぐ原作を、どのように表現するのか気になる。 https://taishu.jp/articles/-/62205?page=1 個人的にもったいない作家「ハナムラ」先生おとりよせミッドナイト ハナムラ六文銭小生、ハナムラ先生が好きなんですよ。 「ハナムラさんじゅっさい」でハマリ、 端的に言って好みの絵柄で、氏の描く女性キャラの可愛さにやられております。 だけど、あんまり売れている印象がなく、本当にもったいないと思います。本作もおそらく1巻で終わり…だと思います。 少しでも布教できるよう頑張りたい所存。 さて、本作の内容なのですが、 ここまで言っておいて大変恐縮ですが、本作は氏の魅力である、可愛い女の子は皆無です。 編集部のむさい(失礼)男たちと、夜な夜な取り寄せたご当地グルメなどを食べるという展開です。 相変わらずの画力の高さはいわずもがななので、ご飯の絵は上手で美味しそうです。 また、舌の肥えた編集者たちが色んな所から取り寄せた食材の数々は、一度試してみたい気になります。(結構、いい値段はしますが・・・) しかし、やはり、なぜこの題材なんだろうと思わずにはいられないです。 せめて形だけでもヒロインがいればなぁと、残念!もったいない!と思わずにはいられなかったです。 こういうところも不遇な感じが、よりファン熱を高めてくれるポイントですね。親和性が高すぎるwザ・ファブル&よしふみとからあげ 関口かんこ名無しまさかのコラボ漫画で読んでみましたが、親和性高すぎですね! ファブルのキャラクターたちが自然すぎてファブル自体この絵柄でもいいんだなと思いました!めっちゃ喋るインコのピピ代原バード ピピ ポテチ次郎名無しのイブニング「ボクが大好きブロッコリーは昔は観賞用でしたが昭和50年代から食用となり…」と、買われたそばからめっちゃ喋るインコのピピ。 しかもすごく博識で、ちょっとした豆知識や面白話を家族に披露してくれます。大根とか小松菜とか、ピピちゃん野菜に強い。 家族みんなその知識に感心しつつも、オチではインコに教わっている複雑さが拭いきれない顔をしているのが面白かったです! 直球すぎるタイトルで笑ってしまったのですが、これ本当にどなたかの代原だったのでしょうか…?気になります。 (画像は本編より。大根はヒゲは一直線上にまっすぐ生えているやつが甘いらしい) この物語はフィクションですフィクション スギムラ尚夜野愛とある女性の失踪事件に関して取り調べを受ける引きこもりの男・岸田。 死体も証拠も何もないと余裕を見せていたが、徐々に事件の真相が明らかになっていき……。 画力も展開も凄すぎる。ずっと緊張感を保ったまま最後まで読み切ってしまった。 描かれている事柄や言葉すべてに無駄がなく、すべてが詳らかになった瞬間に気づく悪魔の恐ろしさ。 フィクションというタイトルもまた素晴らしい。結局、どこからどこまでがフィクションだったのか。 ぜひ読んでほしい。ぜひ悪魔に出会ってほしい。本編にも出演してたザ・ファブル&よしふみとからあげ 関口かんこ名無し久々にヤンマガに登場した「よしふみとからあげ」短いけど作品への愛が伝わる読切。 毒のある軽妙なトークは健在で、関口かんこVerヨウコと息合いすぎでしょう笑 タサカ兄さんのツイートで知ったけどザ・ファブルのウツボ編にチラッと登場してたのね https://twitter.com/tinpozaru/status/1322296498709655552?s=21球道即人道バトルスタディーズ なきぼくろこはち※ネタバレを含むクチコミです。 怪我と学ランのハーモニー矢野くんの普通の日々 田村結衣たか今日コミックDAYSのトップを見てたらバナーに怪我でボコボコの男の子がいて、気になって開いたら「えっ!もしかしてBL?」と思ってしまうほど繊細かつ色気のある扉絵が待ち受けていてまんまと読んでしまいました(スニーキーレッド好きな人) https://comic-days.com/episode/3269754496323056140 矢野くんマジで毎日ビビるほどボッコボコで吉田さんと同じく悪い想像をしてしまい心配だったのですが、単にドジっ子なだけらしく(それはそれで逆に心配だけど)ひと安心。 「怪我だらけの男子高校生は見たいけど、暴力はちょっと…」という複雑な乙女心にこたえてくれます。 和山やま先生の色気&ユーモアと舟本絵理歌先生のフェチズムをフュージョンさせたような作風でどひゃ〜とあっさり好きになり予約購入してしました(明日発売) ギャグシーンのデフォルメがレトロな感じで特に笑ってるときの三角形みたいな口の描き方が好き。さもえど太郎先生とかたなと先生っぽい。 巨匠に似てる似てる言いまくってしまったあとに恐縮ですが、この作品はなんといっても絵が素敵なんですよ…! すべすべお肌に桃みたいなほっぺにちょっぴりしかない鼻……!愛らしすぎる。 私は存じ上げなかったのですがもともと有名なイラストレーターさんとのことで納得です。 明日の1巻楽しみ!真面目に面白い♬ケンシロウによろしく ジャスミン・ギュstarstarstarstarstar干し芋ハマること間違いなし!! 子ども頃、母にヤクザの恋人ができて、捨てられその恋人に復讐をするために『北斗の拳』を読み込みトレーニングを重ね10年後にヤクザを殺しに行ったところ全く歯が立たず、もっと詳しくツボを勉強した結果、指圧の国家試験に合格し、治療院を開業することになった。 という、導入部分から面白すぎます。 私が、一番面白いと思ったのは、お金持ちの老夫婦が死ぬ前にもう一度交わりたいので治療して欲しいと懇願し、色々なツボを刺激して結果願いがかなったという話。 人が幸せになるのは、良いことだ!! 助手のリカちゃんの正しいツッコみもいい!! 仏像とフィギュアをクロスオーバーブッシメン!THE IMAGE MAKER 小野洋一郎名無し仏師というと希少で堅そうな題材ですが、意外とユルい雰囲気です。フィギュア業界とクロスオーバー観点からの薀蓄は面白く、画力もあります。一話完結タイプの良い職業漫画だと思います。題材が題材のためか短く畳まれたのは惜しいですが。ヒロインよりサブヒロイン兼好敵手といった風な仏師の方が光ってました。 有一の女の人との関わり方、自分の保ち…誰かのことを好きなだけ 藤緒あいymzkrm有一の女の人との関わり方、自分の保ち方、母親との距離の取り方など、私も母子家庭で育ち、愛着障害を抱えているので共感する部分が多く、 唯衣子の投影や執着から解放されて、自分を取り戻していく様子にも、読んでいるこちらの心が救われるような気持ちになりました。 ひとつひとつの言葉も深くて、サッと流して読めるものではなく、かけてきた呪いが解けるような、本当はもっと別の道でもいいのかもと、肩の荷が下りるような、頭と心に留めておきたい言葉がたくさんで、読んで良かったです。 エーリッヒフロムの「愛するということ」読んでみます。読んでみてほしい四季大賞の読切 #読切応援修羅と華 岩橋月巳starstarstarstarstar吉川きっちょむ(芸人)四季賞2021秋 四季大賞受賞作品 すっごくよかったです。 この世界観を、どこか懐かしいような新しいような優しく鋭いタッチの絵で描かれ、最後まで引き込まれ続けました。 特に月と華を背負い変貌した修羅の一枚絵と、ラストの2ページにグッと惹かれました! 登場人物のモノローグが全くなく、それでもそれぞれから滲み出る想いを、彼女らの強い表情から読み取れたような気がします。 素晴らしかったです! http://www.moae.jp/comic/shuratohana排他的な島で起こる猟奇殺人の犯人は…!!寄生列島 江戸川エドガワ名無し※ネタバレを含むクチコミです。 世界で一番偉そうな悪役令嬢ヴィクトリア・ウィナー・オーストウェン王妃は世界で一番偉そうである 新城一 海月崎まつり天沢聖司まとめで見てまんまと釣られて単行本買いました。王妃イッケメン……!!堂々とした女性の為政者っていいですよね(エボシ様とか)大好きです。 https://twitter.com/ichicox/status/1454013954536054786?s=20 今より進んだ世界と、今より逆行した作…ランド 山下和美ymzkrm※ネタバレを含むクチコミです。16歳で結婚できなくなる時代に読みたい教書 #1巻応援あの子の子ども 蒼井まもる兎来栄寿2022年4月から民法が改正され成人年齢が18歳に引き下げられると共に、女性が結婚できる年齢は16歳から18歳に引き上げられます。 身体的な機能は成人と同様となっても結婚できるまでには今まで以上のタイムラグが生まれることにより、今後この作品で扱われている「高校生の妊娠」というテーマはより重い意味を持ってくることになるでしょう。 本作では本当にどこにでもいそうな普通の子が主人公となっています。また、この手の作品では代表的な『14歳の母』では妊娠させた彼氏は年相応に子供っぽく無責任な性格でしたが、『あの子の子ども』においては珍しく彼氏側が大人びていて非常に誠実です。最初から二人の問題として、一緒に乗り越えて行こうという姿勢を見せてくれます。しかし、たとえそんな素晴らしい彼氏であっても一筋縄では行かない難題であるということが逆に浮き彫りになっていきます。 私は、この作品を小学生高学年くらいからの性教育と並行して読んで、学んで考えてみて欲しいなと思います。 いざ妊娠した時、それは自分だけの問題としてもあまりに大きいものです。体調の変化やメンタルへのダメージ、周囲との関係性。妊娠した後の想像以上の大変さを妊娠する前からリアルに考えられる子は少ないでしょう。 そして、自分のことだけではなく家族や周りの人間にもどれだけ大変で辛い思いをさせることになるか、というのが物語を通してよく伝わってきます。 そうした想像力を補ってくれる、意義のある作品です。彼らがどんな決断をしてどのように歩んで行くのか、見守りましょう。 コミカライズの最高峰でしょ!源氏物語 あさきゆめみし 完全版 The Tale of Genji 大和和紀starstarstarstarstarかしこ大和和紀先生の絵ってゴージャスなのに可愛らしくって令和になっても変わらず憧れさせてくれる魅力があります。そんな先生が千年前から愛されている名作「源氏物語」を漫画化してくれているなんて最高としか言いようがありませんね。私も寝ても覚めても光源氏のことしか考えられないほど夢中になって読んでしまいました。 結構ゲスいこともしてるけどこんな絶世の美男に愛されるなら大抵のことは許すと思ったり、最愛の人である紫の上の死期を早めたのはやっぱり光源氏の浮気心のせいだから許せんとも思ったり、心が揺れまくりました。こうやってみんな「源氏物語」にハマってしまうんだなぁ…。 ただ今回初めて読んでみて後半から始まる光源氏が40歳を超えてからの話もすっごく面白いんだなってことを知りました。生まれた時からイケメンの光源氏も年を取ってからは若い人に嫉妬したり恋愛で憂き目を見ていたなんて人間らしくって新鮮です。 1コマ1コマが美しすぎて読み飛ばせないので描くのも相当大変だったはずと思っていましたが、読み終わってから大和和紀先生のインタビューを検索しまくってたら「私は描くの早い方なのよ」とおっしゃってるのを発見して驚きました。やっぱりレジェンド作家と呼ばれる方々って普通じゃないですね!才能がすごい!#1巻応援ココ・ロングバケーション 近藤令名無し実録物は数々あるが、どれだけディープな事象に出会い、 何を感じたかに作家性というか価値があると思う。 その点、今作はフィリピンでのダンサー斡旋業という 割とよく知られた稼業ではあるが、そこに深くかかわった 体験を日本人の青年の視点で描いているのが新鮮であり スリリングだと思う。絵柄も疑似4コマだが丁寧に描かれていて 読みやすい。楽しみな作品です。漫画家がスーパーのレジ係をやってみた!レジより愛をこめて~レジノ星子~ 曽根富美子starstarstarstarstarかしこネット広告で「おやなるもの 断崖」が再ヒットする前の曽根富美子先生が、50代で仕事もお金もなくなりスーパーでレジ係のパートを始めていた…という、ほとんど実話漫画です。とはいえ曽根先生の性格が明るいので悲壮感は全くなく、気軽に楽しく読めて面白かったです! 漫画家として自由業の経験しかない人がいきなり50代で接客業をする度胸がすごいですよね。最初は失敗ばかりで曽根先生のドジっぷりにハラハラするんですが、途中から同じ新人仲間の女性と仲良くなって…しかも女子中学生のように2人でキャッキャッしててとっても楽しそうなんです!曽根先生の印象に残ったお客さんの話も面白かったな〜。 「幻魔大戦」読んでみた幻魔大戦 石ノ森章太郎 平井和正かしここないだNHKの「100分de石ノ森章太郎」の再放送を観ていて気になったので読んでみました。番組では「現在では漫画家というよりコンセプターとして石ノ森先生のDNAが受け継がれている」と話されていて、確かに今読むと古い作品という印象が強く残りますが、たまにハッとするシーンやアイディアがあって、これが現在の少年・青年漫画の源流なんだなぁと思いました。未完であることを知った上で読んだのですが、あまりにもいいところで終わってるので逆にインパクトがありました。 主人公・東丈のお姉さんが幻魔大王に殺されてからも残留思念になって丈を助けてくれるんですが、美人で優しくてトキワ荘のマドンナだった石ノ森先生の早逝されたお姉さんを彷彿とさせて泣けました。犬飼いである私に猫も飼いたいと思わせるチカラがある犬と猫どっちも飼ってると毎日たのしい 松本ひで吉さいろくよく「チワワはうるさいよね」「トイプーは懐っこいよね」みたいに種類で偏見的な意見をお持ちの方がいらっしゃいますが(当てはまることが多いのは事実だけど!) 犬も猫も個性があり、表現があり、一つの個体・生命体として千差万別なのです。 一般的にチワワはよく吠えるし大人しくはないと(病院とかで大暴れしたり噛んだりする子はよく見る)いう印象ですが、うちのチワワは驚くほど大人しくて吠えないし家族以外が大の苦手の引っ込み思案です。 世の中のすべての犬猫も個性に溢れていて、家族として迎えることはそうかんたんなことではないのですが、松本ひで吉先生は「迎えることが出来たらこんなに幸せなんだよ」というのを本作で存分に教えてくれてます。 犬も猫も誇張表現があるであろうけれども、本当にこういう子なんだろうなーというのも想像しやすくて萌え死ぬ。 先生の描く猫のツンデレぶりやドジを誤魔化す様がたまらんです。 犬は無償の愛をくれるよねーそうだよねーうんうん、ってうなずきまくり。 本当にタイトルの通りでそれ以外の何者でもないんだけど、それが素晴らしい。 そんな作品です。<<119120121122123>>
「ダンゲロス」シリーズには「戦闘破壊学園ダンゲロス」「飛行迷宮学園ダンゲロス」「ダンゲロス1969」があり,もともとは架神恭介先生による小説です(その小説のもとになったTRPGっぽいものもあるらしいのですがよくわからないので説明省略)。 基本的には超人たちの能力バトルなのですが(なお能力者は「魔人」と呼ばれます。),能力は本当に異常なものばかり。 たとえば漫画版「戦闘破壊学園」1話に登場する女の子の能力名は「災玉」。男にのみ感染するウィルスを作り出す能力で,感染した男はありとあらゆる性病を発症したうえに精液を吐き散らしながら金玉が爆散して絶命するという,狂気に満ちた能力です。 そんな「戦闘破壊学園ダンゲロス」を漫画化したのは,今となってはジャンプ作家の横田卓馬先生。 シンプルながらも魅力的な絵柄と,原作をうまく整理したストーリー,そして何より,迫力ある演出が加えられたことで,最高の作品になりました。 さて,ここで紹介するのが,シリーズ第3弾「ダンゲロス1969」。 舞台は,1968年~1969年。過激化する学生運動の中で,「魔人」学生と,「魔人」警察/公安が入り乱れ,抗争を繰り広げるというストーリーです。 それまでのシリーズと比べてもさらにバカかつ下品になった「魔人」能力のため,これはもう絶対漫画化不可能だろうと思われた作品です。 特に警察側がヤバくて,常に下半身丸出しで精液で敵の動きを封ずる奴とか,常にうんこを食べている奴とか,オナホール刑事とか,触手生物(名前は「姦崎姦〔かんざきれいぷ〕)とか,異常な奴しかいませんでした。 そもそも「戦闘破壊学園」と「飛行迷宮学園」の原作小説は講談社から出版されてるのに,この作品だけ,作者の自費出版です(キンドル版のみ)。 ところが!この作品も商業作品として漫画化されました。 漫画化したのは,「戦闘破壊学園」と同じく横田先生。 横田先生は,「戦闘破壊学園」同様,原作の魅力を充分に引き出しつつ,一方で,その絵柄によって,癖のありすぎる「魔人」能力を,ちょっとマイルドな印象に仕上げることで,ぎりぎり商業出版に耐えられるようにしてくれました(画像参照)。 なお,小説版の表紙は武富健治先生が書いてます。武富先生が漫画版を描いた場合は,商業出版の範疇を超えた可能性がありそうです。 ヤバすぎる能力を持った魔人たちが次々あらわれ,学生と警察/公安の戦いは過激化していき,物語はどんどん盛り上がっていったのですが,しかしやはり,読者を選ぶ作品ではありました。 何しろ1巻ラストのヒキが,精液で敵の動きを封ずる「魔人」公安vs女子小学生のおしっこを操る能力を持った「魔人」学生の戦いが始まる!というものでしたから。 安田講堂決戦開始の直前で,漫画版の連載は終了してしまいました(打ち切り)。 コミックは全5巻。原作のうち三分の二強までが消化されました。 ある意味で一番盛り上がる聖百合超特急(リリアンエクスプレス)は描かれたものの,まさにこれから最終決戦!というところでの連載終了でした。 「革命の構造」の秘密は明らかにされておらず,「転校生」も戦いの舞台にはあらわれていません。 無念…実に無念です。 とはいえ,横田先生のツイッターをみると,いつか続きを描きたいとのことです。 https://twitter.com/kyooteta/status/1202790198771208192 いつか,どこかで,この作品の続きを読める日を待ち続けたいです。