読んでほしい一冊
主人公のさちの両親の考えが真逆で、さちの父親と相手の宝の母親は出産することに猛反対。父からは子どもに育てられるわけないとやる前から全否定され、反発心もありながら悩み悩んでいる中での母親の存在がすごい。どっしりしていて子どもが幸せを願っている。価値観が違うから衝突も生まれる。違う視点ではあるが誰もが子どもの幸せを願っている。続きも読みます。
2022年4月から民法が改正され成人年齢が18歳に引き下げられると共に、女性が結婚できる年齢は16歳から18歳に引き上げられます。
身体的な機能は成人と同様となっても結婚できるまでには今まで以上のタイムラグが生まれることにより、今後この作品で扱われている「高校生の妊娠」というテーマはより重い意味を持ってくることになるでしょう。
本作では本当にどこにでもいそうな普通の子が主人公となっています。また、この手の作品では代表的な『14歳の母』では妊娠させた彼氏は年相応に子供っぽく無責任な性格でしたが、『あの子の子ども』においては珍しく彼氏側が大人びていて非常に誠実です。最初から二人の問題として、一緒に乗り越えて行こうという姿勢を見せてくれます。しかし、たとえそんな素晴らしい彼氏であっても一筋縄では行かない難題であるということが逆に浮き彫りになっていきます。
私は、この作品を小学生高学年くらいからの性教育と並行して読んで、学んで考えてみて欲しいなと思います。
いざ妊娠した時、それは自分だけの問題としてもあまりに大きいものです。体調の変化やメンタルへのダメージ、周囲との関係性。妊娠した後の想像以上の大変さを妊娠する前からリアルに考えられる子は少ないでしょう。
そして、自分のことだけではなく家族や周りの人間にもどれだけ大変で辛い思いをさせることになるか、というのが物語を通してよく伝わってきます。
そうした想像力を補ってくれる、意義のある作品です。彼らがどんな決断をしてどのように歩んで行くのか、見守りましょう。
「わたし 妊娠したかもしれない」 女子高生の福(さち)には、幼なじみの恋人・宝がいた。ある日、体調に異変を感じた福は、妊娠検査薬を購入する。家から離れた、遠い町のファミレスで検査薬を使用した福の目に飛び込んできたのは、“陽性”を表す2本の線だった――。「女子高生の妊娠」というテーマを真正面から描く、新たな少女漫画、待望の第1巻発売!
「わたし 妊娠したかもしれない」 女子高生の福(さち)には、幼なじみの恋人・宝がいた。ある日、体調に異変を感じた福は、妊娠検査薬を購入する。家から離れた、遠い町のファミレスで検査薬を使用した福の目に飛び込んできたのは、“陽性”を表す2本の線だった――。「女子高生の妊娠」というテーマを真正面から描く、新たな少女漫画、待望の第1巻発売!