名無し
1年以上前
竹田エリ先生はこの作品がデビュー作だったらしい。 女性作家が青年誌で女子高生四コマギャグマンガで 連載デビューというのは冒険だったんじゃないかとも 思うが、成功した、と言っていいのだろう。 単行本は10巻まで出ているのだし。 実際、キャラの設定が面白い上にブレないので 回を追うごとに各キャラがドンドン持ち味を積み重ねていく。 というかエスカレートして行く。 今になって読み返すと、これで本当にデビュー作? と驚くくらいにチャンとしている。 4コマの起承転結としては最期にダメ押しで 死者に鞭打つ感じのワリとブラックなギャグが多く、 性格悪ッツといいたくなるキャラが多いのだが、 カラッとした感じで何故か嫌味はない。 この辺が竹田先生の漫画の特徴だろうか。 特に上手いなあと思うのは、 区切りが良いのに纏まってもいる、という点。 毎週4~5ページで計8~10本の4コマ作品が 掲載され、週ごとにテストだったり修学旅行だったり、 共通テーマで数本の4コマ作品が掲載されることが多かった。 「今週のテーマは学園祭です」みたいな感じで。 そして1本づつの4コマそれぞれで充分に笑わせつつ 2本目はうまくリセットした感じで始まったり、 逆に連作的なノリをエスカレートさせていき、 最期の4コマで今週全体のオチって感じで 綺麗に締めたりとか変幻自在だ。 単品で食べてもそれぞれいに美味しいオカズを 辛口のスパイスで後口よく纏め上げた 美味しい週代わり定食、 とでもいう漫画かな?
竹田エリ先生はこの作品がデビュー作だったらしい。
女性作家が青年誌で女子高生四コマギャグマン...
名無し
1年以上前
かつてビリヤード・ブームがあった。 バブルの時代の象徴的なオシャレというか トレンディというか。 プール・バー(ビリヤード場)がアチコチに できた時代があった。 映画の「ハスラーⅡ」や「道頓堀川」なんてのもあったし。 残念ながらビリヤードはメジャーな娯楽になり 世間に定着するまでにはいたらず、 むしろバブル時代の蜃気楼と化している感もあるが。 ヤクザもバブルの時には地上げだなんだと話題になった。 この漫画では、目的のために球を弾く、避ける、落とす、 などのビリヤードの競技性が絶妙にヤクザの生き方と クロスしてなんともいえない味わいになっている。 バブルの時代の狂熱と、その後の凋落を 今となっては暗示的に象徴し感じさせる漫画、 それが「獣のように」だ。 途中からはビリヤード色が薄くなって ヤクザ漫画になるけれど、それはそれで ヤクザという男の行き方「色気」が メチャクチャに弾けまくる。 まさにビリヤードでセットアップから 球を弾くゲーム・スタートの興奮のように。 いまとなってはともに絶滅危惧種になりつつある 「ビリヤード」と「ヤクザ」が、 省みると、バブルとその後の時代を舞台に 絶妙に偶然に?マッチングした かわぐちかいじ適でいて奇跡的な ビリヤード・ヤクザ漫画だ。