六文銭
六文銭
6ヶ月前
ある時から痛みを感じない主人公イヌイ。 彼が営むのは運び屋という、ある人をあるところまで運ぶというもの。 その運ぶ人も大抵、裏社会系のやばい人やわけありの人だったりするので、当然何らかの抗争に巻き込まれていくというのが基本展開。 作中にも出てきた 「痛みを感じないからこそ躊躇がない」 という点が、妙に納得した。 確かに、多少の良心というか、相手の痛みに対する想像力というかが働くと、無意識に手加減をしてしまうものだが、全力でフルスイングできてしまうのも自分が感じないからできることだというのが、面白かった。 ある意味、最強の特性なのかも。 ただ、当然人間なので、出血が一定以上になると機能停止とかは普通にあるので、そのあたりも計算しながらバトルしていく感じ。 運び屋として依頼され、1000年に1人の美少女と噂されている女子高生ココアと出会い、彼女のおかれている環境やどういう思いでAV業界に自らいくのかの強い意思を目の当たりにし、無感情だったイヌイも変わっていく。 強い女性と朴訥な男、この手のパターンも、自分はわりかし好きなのでハマりました。 痛みを感じないので、バトルシーンの流血とかすごく、特に内蔵でたりとか結構グロい描写が多いので苦手な方は注意が必要かも。
六文銭
六文銭
6ヶ月前
久しぶりに漫画家漫画でアツイ!と思えた作品でした。 デビュー前の奮闘をリアリティたっぷりに描いたとかではなく、ひょんなことで、メジャー作家とアシスタントの肉体が入れ替わってしまう、ちょっとファンタジーが入った作品。 これがまず面白い。 そのアシスタント・深山忍は「カメレオン」の異名のとおり「模倣」が得意。 だから、入れ替わったとしても、元々の作家と近しいものができてくる。 なのでメジャー作家と入れ替わったとしても、ソツなくこなしていく。 かたや、メジャー作家・花神臥龍は、無名の漫画家に成り「下がって」しまい、知名度も実績も失った中から這い上がっていくしかない状況。 ここで大抵の凡人なら意気消沈しそうですが、 自分のヒット作に挑戦できる、そして、それ以上のヒットをつくる と燃える姿が、純粋にアツイです。 また、編集者もカッコよい。 カメレオンが、入れ替わってから再デビューしようとしている花神臥龍を同じ雑誌に掲載させないよう、いわゆる「潰し」を働こうとしたとき、いつもの展開だと、大御所作家の言い分に編集がコビうる感じになりそうだが、 「作品を活かすことが編集の仕事」 と、休載や他誌への移籍をちらつかされようとも屈しないシーンがめっちゃカッコよかったです。 漫画を読んだ時の感動の脚色とか、わかりやすい敵対構図、底抜けに明るい主人公が、THE少年漫画という感じで、自分にとって斬新でした。 (漫画家漫画って、どちらかというと人生の酸いも甘いも表現できる青年漫画が多い印象なので)