にわか2018/12/20正真正銘の「悪女」この話は本当に「悪女」なところが面白い。それもキャラクター的な「悪」じゃなくて、人間的に悍ましい邪悪。エゴによって人を蹴落とし、処分し、自分のものにする。あまりにも上手く行き過ぎてるとこが少しリアリティに欠けるが、なかなか良い。どうも本誌での連載は終わり、アプリ「ヤンジャン」に移籍される様子。まぁたしかにWeb向きといえばそうだなぁ。隣の悪女玉木ヴァネッサ千尋2わかる
にわか2018/12/14狂ってしまった世界の謎GANMAの大人気作。人々のあり得ない奇行や狂気の中で生きる「まとも」な主人公の話。ホラーとしても読めるが、本作には「なぜみんながおかしくなってしまったのか」を主人公が探っていくというミステリの体裁をとっている。とはいえ、毎週視点人物が変わり、謎の断片と後味の悪い話を混ぜこぜにしながら読者に見せる。謎を深める二年前の「613」というキーワード。これらがしっかりと繋がり、真相があきらかになるのか、楽しみ。 https://ganma.jp/hazuneji外れたみんなの頭のネジ洋介犬
にわか2018/12/14クスっとくるけど時折怖いゾンビ漫画読んでると、つい笑いが漏れてしまうタイプの漫画。youtuberなどの時事ネタも組み込み、ゆるゆるコメディをやりながらも、ふとしたとき、ゾンビの怖さをしっかり書いている。日常と化した身近に死のある世界のリアルをコメディタッチながらちゃんと考えている(ように思える)。 ニコニコ静画だと間に謎セクシーおまけ絵がはいる。こうしてみると画力は結構高いんだなぁと思う。 http://seiga.nicovideo.jp/comic/20152醤油を借りにいくだけで死ぬことがある世界の中級サバイバルガイド荒井小豆
にわか2018/12/14小さい頃に大切だったモノ子供の頃になんとなく抱いていた印象が裏切られることはよくある。けど、よく見てみると、そこに本当の宝物があるかもしれない。そんなことを教えてくれる作品。オジサンの、自分の大切なモノに気づいて、ゴミ屋敷のおばあさんの味方をしちゃうという展開もよい。気づいたときにまた手に取りたい漫画。ヤナギダクリーク路田行1わかる
にわか2018/12/13ネタバレ巨弾ダークファンタジーを好きに語ろう優しい箱庭から絶望の世界へ。まさしく巨弾と呼ぶに相応しいダークファンタジー。主人公が独りぼっちで帝国に復讐をする。一話だと道筋が見えづらいが、わざわざ取り上げた「織田信長」キーになりそう。巨大で悪辣な「人」にどう立ち向かうのか、楽しみ童子軍鑑小田世里奈
にわか2018/12/10丁寧な構成に魅了されたよく練られた構成に唸らされた作品だった。地獄の『賽の河原』で石を積む主人公の視点から始まり、母との出来事を経て、『河原』で別れるというとこからして、堪らない。 泥酔したおかあさんが欄干を歩くシーンも上手い!の一言。青春期のどうしようもなさを引きずって、大人こどものようになってしまったおかあさんが危ういところから落ちる、という『ライ麦畑でつかまえて』の場面を彷彿させる描き方がされている。 さらに見逃せないのは、その時にお金を落としてしまっているところ。恐らく三途の川を意識しているのだろう。地獄に金は持っていけない。まさに此岸と彼岸の境。それが二人のいる、この川であり、ラストの岸辺なのだ。だから主人公はおかあさんを地獄へ連れて行こうか迷う。 けれど「ずっとあたしのとこにいなよ」。この一言で生きる世界が違うことを知り、同時に「元気にやってます」と云えるくらい主人公は救われた。いい作品だった。おナスにのって岩田ユキ20わかる
にわか2018/12/03ジャンプに奇才来たるファイアパンチの藤本タツキ、ジャンプの降臨。不規則な展開に、かなりバイオレンスな導入。ジャンプというかヤングジャンプって内容の気はしたけど、しっかり熱くできてる。公安の女性の表情もやっぱりイイ。期待。チェンソーマン藤本タツキ2わかる
にわか2018/12/03絡まり解けて、服になる戦前のエスを思い起こさせる舞台設定に、艶やかで絡まり解ける、女性らしい「髪」という題材で紡がれる話。制服を髪でつくる習慣という設定が、肝になっていて新しい。これが既存の髪のイメージに息苦しいという印象を抱かせ、女性同士の関係性と上手くリンクさせている(気がする)。画力は高く、雰囲気もしっかりと作っている。あとは物語の筋がはっきりと見えてくるのか。様子を見ていきたい。繭、纏う原百合子3わかる
にわか2018/12/03にんげんはこわいオガツカヅオのホラーの根幹には「人間」がある。それは悪意や暴力性、あるいは行き場のないどうしようもなさ、そうしたものが超常現象を生んで、物語となる。お腹が重くなるような独特の後味の悪さはこの露悪的な「人間味」に起因している。それが気持ち悪く、くせになる。この感覚を見事に描いてみせた星野茂樹の漫画力も見逃せない。ことなかれ星野茂樹 オガツカヅオ1わかる
にわか2018/12/03ケモノじゃないケダモノだ相手の指し手を全て殺して、喰らう将棋をする女性アマチュア将棋士の物語。バイトの休憩時間にトイレの個室に籠もり、対局鑑賞に熱中しすぎて、びっしりと棋譜を壁に描いてしまうシーンが好き。あのぞっとするような、止め処のない才能の漫画的表現は堪らない。 また、16歳時の援助交際疑惑や、昔はギャルの格好をしていたなど、パッと見からは想像のつかないギャップある過去を小出しにしている。こういった要素が「現在の彼女」にどう繋がってくるかが気になる。非常に楽しみな一作将棋指す獣市丸いろは 左藤真通
にわか2018/12/03ちがう人間だから「受け入れる」それぞれの孤独の在り方は違うし、理解し合えないことはあるけど、歩み寄れる。こうした人との距離の測り方は現代においてとても大事なテーマをもった作品だと思う。 槙生のスタンスは、分かるまで話し合うわけでも、押し付けるわけでもなく、「受け入れる」こと。理解できなくとも朝ちゃんだけの「寂しさ」があることを認める。それはどこか悲しいことにも思えるが、仕方ない。ふたりは「ちがう人間」なのだから。けれど、「砂漠」があることを認めてくれる人が側にいる。それは朝ちゃんにとって、一部の読者にとって命綱になってくれるのではないだろうか。違国日記ヤマシタトモコ2わかる
にわか2018/11/26退廃的なセカイの短編集鬼灯さん家のアネキの作者、五十嵐藍の短編集。退廃的な世界観と好みの人にはぶっ刺さる気だるげな女の子が魅力的。 「神様ごっこ」が個人的に好き。世界の終わり、と言われる日が来たら、あんな風に過ごしたい。退廃には夢があると思わされる一作ローファイ・アフタースクール 五十嵐藍短編集五十嵐藍
にわか2018/11/22ネタバレTS漫画の新境地『個人差あり〼』を語ろう男から女へ。女から男へ。性の揺らぎのある世界観は、近年マンガでよく取り扱われる題材となった。パッと浮かぶところでは「ボクガール」『バランスポリシー』『性別「モナリザ」の君へ』といったところだろうか。 こうしたTS(transsexual 性転換)漫画であるが、既存の作品の共通点を考えると、大凡が少年少女の心情の機微とセットであることに気づく。 本作はそのどれとも違う。主人公は32歳の男性。妻がいる。夫婦の間は少しギクシャクしていて、その要因は『子供ができない』ことにあることが暗に提示されている。その主人公が『女』になってしまうのである。 妻と同じ『女』になったからこそ分かること。男であったから分かること。そのどちらもをきっと主人公は覚えていくに違いない。この物語はそういった普通では見過ごされてしまう『夫婦』の感情を丁寧に汲み取るものになっていくのではないだろうか。 個人差あります日暮キノコ11わかる
にわか2018/11/19最近のジャンプ読切だと断トツ『アイアンナイト』『レッドスプライト』の屋宜知宏先生の読切。連載作家ということもあってか、話をすごく綺麗にまとめている。ここ最近のジャンプの読み切りだと断トツで面白いと思う。 ミステリ、能力の魅せ方、感情の機微。どれもが噛み合っている。主人公のコミカルな表情で緩急を付けているのも技巧的。特にキャッチーだけど荒唐無稽な設定を作中でちゃんと処理していたのが良かった。すこし無理があるところも話の面白さで気にさせない力がある。文句なし忘レ者探偵屋宜知宏3わかる
にわか2018/11/15料理の王道を個性的に仕上げた漫画出てくる食事が旨そうという大前提をしっかり抑えながらも独特のコミカルさが楽しい漫画。癖になる書き文字、ユニークな動き、豊かな表情。キャラもしっかりと立っていて、飽きない。いいグルメ漫画瑠璃と料理の王様ときくち正太
にわか2018/11/12世界が少しだけ広がる瞬間を捉えた漫画明るくて全能感に満ちている主人公が、父親の不倫を目撃することで挫折し、不良になるというのはよくある流れ。 けれど「人間の宇宙」という公園の遊具にある七不思議と主人公の精神状態のリンクによってオリジナリティのある物語となり、面白さが出た。 気に入らなかった妹が見えないところで自分の呪いを拭き取ってくれている、そんな「裏側」に気がついた主人公の世界は少しだけ広がったに違いない。よく出来た作品。 人間の宇宙じんのあい1わかる
にわか2018/11/12ループする現代風刺シュールファンタジーマンガワン連載中はコメント欄を含めて、ぶらパンダのことを皆が心配してたのが印象的だった。せめて野生に帰ってよかった。。 仮想敵としての魔王が居て、それを倒すことでしか自己承認や肯定を得ることができない勇者たち。逆説的にいえば自己承認を得るために魔王のような必要悪を生み続けるのは、とても現代的。「次の魔王を産まない努力」「森から抜け出す努力」を彼らはできない。 インスタやツイッターのモジりが作中では見受けられる。そうした現代風刺を意識して書かれたからだろう。WEBの漫画らしくて良かった勇者たち浅野いにお5わかる
にわか2018/11/12今週のハンチョウなんか今週は外出すらしなかったなぁ ていうか特別編だったんだなぁ。出版業界の話だし、外出しないし、そりゃそうか1日外出録ハンチョウ福本伸行 萩原天晴 上原求 新井和也5わかる
にわか2018/11/09ネタバレ不気味で優しい、醸成された雰囲気が堪らない『黒』の作者ソウマトウによる暗くて不思議な世界。前作に見られた空気感は健在。不気味なのになんか優しいような洋の空気感とでもいおうか。 物語は影のお嬢様と無辜な生き人形のふたりの生活を描いたもの。不思議なルールと常識が絶妙に入り混じる世界に読めば読むほど没入できる。 となりのヤングジャンプで試し読みができるので、こういう空気感に興味があるならぜひ読んでほしい。 https://tonarinoyj.jp/episode/10834108156634350002シャドーハウス カラー版ソウマトウ
にわか2018/11/09ネタバレキングダム最新話の感想・雑談トピ今週の信が檄を飛ばすのめっちゃかっこ良かった。前週のフリで盛り上げどころくるんだろうなぁと身構えててもなおテンションあがった。さすがだなぁキングダム原泰久
にわか2018/11/09「ひっコミュ系」女子のかわいいコメディ「干物妹!うまるちゃん」のサンカクヘッドによる、ひっこみじあんな女の子たちのメイド喫茶コメディ。「ひっコミュ」という「コミュニティが苦手なひっこみじあん」を可愛らしく表現した造語、可愛いデフォルメとオノマトペ、様々なタイプ分類など、コミカルな表現はさすが。週刊誌で箸休め的に読むのにちょうどいい漫画になっていきそう。ゆるりんと見ていきたい。メイド・イン・ひっこみゅ~ずサンカクヘッド
にわか2018/11/08分析系主人公による、新しいサッカー漫画弱虫の主人公が徹底的に自分や他人を分析して、サッカーを上達していく漫画。 徹底的に分析して、上達する主人公といえば「ベイビーステップ」を思わせるが、サッカーは集団戦。スポーツの特色の差により、意識せずに別の物語として楽しめる。 「TIENPO-ティエンポ-」というタイトルからも、仲間との連携に必要なTIENPO=タイミングが重要と分かる。その連携を取る仲間は一癖二癖ある。特に絶対的なサッカーセンスを持つ自己中の朝美はキャラはすでによく立っていて、面白い。弱虫な主人公だからこそ他人との関わり方、サッカーの連携に色が出る。今後が楽しみな新しいサッカー漫画。TIEMPO―ティエンポ―飯野大祐
にわか2018/11/05都会で失踪した少女を探す、渋い山男失踪した親友の娘を探す、渋い山男の話。 単純にミステリとしても良く出来ている。主人公からすると未開の地である渋谷で、どのように情報を集めるか、手掛かりがない中で真実にどう近寄っていくかという読みどころが意識されているため、飽きることなく読める。また、それぞれの場所で生きる者の考え方の差もしっかり書き分けられており、話に深みが生まれていた。 でもまさか高層ビルを山に見立てるとは思わなかった。そこのハチャメチャ感も含めて楽しめた。 捜索者谷口ジロー