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Bread&Butter
この漫画で描くのは「大人の恋」ではなく「人の生き方」 #完結応援今月号のココハナ読んだら番外編が載っていて、本編知らなくてもすごく面白かったので本編の方も読んでみました。最終10巻に載る予定の最終回まで。 タイトルとカバーだけでは「パンと恋愛の話」という印象だけだったんですが、ちょっとこれは正直、想像を絶するというか、「生きるとは」みたいな話にも通じるような物語だったんです。この漫画で描くのは「大人の男女の恋」じゃない。本作を読んだだけでわかる。芦原妃名子という漫画家は凄いです。 "出会って二日目で婚約者になっちゃった!?"という恋愛漫画としての掴みはバッチリなのに、9巻でもふたり関係性はほぼ変わってない。そんなことある?本当だったら読者の「キュン」をせめて1冊に1回は入れるものなのでは?でもそんな考えはこの漫画の前では意味をなさないんですね。「そんなことより」なんですよ。すれ違ってもすれ違っても、逃げずに向き合って、会話を重ねて、少しずつ理解し合っていく。この過程を追うのが本作の醍醐味。 主人公ふたりに限らず、登場人物はみんないつも頭で考えて行動してる。その場の感情に任せて動いたことは殆どないんじゃないかな。 人のどうしようもなく不器用な部分や、諦め悪く心のどこかでしがみついてしまうところ、「好き」だけじゃない人と人が一緒にいる意味、何歳だろうと成長を諦めないこと、30代以上のひとがこれから生きていく上でのしかかってくる責任とか覚悟を、これでもかと時間をかけて丁寧に描き出してます。 柚季が最初から最後まで貫き通したポリシーである「一緒に毎日おいしいご飯を食べたい」というもの。結婚の条件としてもものすごく大事な要素だと思いますが、結婚とか関係なしに、毎日美味しいものを美味しいと思いながら生きる人生は理想であると、この漫画を読んで改めて噛み締めたのでした。 芦原妃名子先生の次回作、心よりお待ちしております…!
この漫画で描くのは「大人の恋」ではなく「人の生き方」 #完結応援今月号のココハナ読んだら番外編が載っていて、本編知らなくてもすごく面白かったので本編の方も読んでみました。最終10巻に載る予定の最終回まで。 タイトルとカバーだけでは「パンと恋愛の話」という印象だけだったんですが、ちょっとこれは正直、想像を絶するというか、「生きるとは」みたいな話にも通じるような物語だったんです。この漫画で描くのは「大人の男女の恋」じゃない。本作を読んだだけでわかる。芦原妃名子という漫画家は凄いです。 "出会って二日目で婚約者になっちゃった!?"という恋愛漫画としての掴みはバッチリなのに、9巻でもふたり関係性はほぼ変わってない。そんなことある?本当だったら読者の「キュン」をせめて1冊に1回は入れるものなのでは?でもそんな考えはこの漫画の前では意味をなさないんですね。「そんなことより」なんですよ。すれ違ってもすれ違っても、逃げずに向き合って、会話を重ねて、少しずつ理解し合っていく。この過程を追うのが本作の醍醐味。 主人公ふたりに限らず、登場人物はみんないつも頭で考えて行動してる。その場の感情に任せて動いたことは殆どないんじゃないかな。 人のどうしようもなく不器用な部分や、諦め悪く心のどこかでしがみついてしまうところ、「好き」だけじゃない人と人が一緒にいる意味、何歳だろうと成長を諦めないこと、30代以上のひとがこれから生きていく上でのしかかってくる責任とか覚悟を、これでもかと時間をかけて丁寧に描き出してます。 柚季が最初から最後まで貫き通したポリシーである「一緒に毎日おいしいご飯を食べたい」というもの。結婚の条件としてもものすごく大事な要素だと思いますが、結婚とか関係なしに、毎日美味しいものを美味しいと思いながら生きる人生は理想であると、この漫画を読んで改めて噛み締めたのでした。 芦原妃名子先生の次回作、心よりお待ちしております…!
薔薇はシュラバで生まれる―70年代少女漫画アシスタント奮闘記―
少女漫画はこうして作られる!超貴重なアシスタント目線のエッセイ日本の少女漫画文化の礎を築いた名だたる作家たちのアシスタントをつとめ、数々の「シュラバ」を経験した著者から見た、知られざる少女漫画制作の裏側。 その裏側には、薔薇が舞いアハハ..ウフフ...と笑顔が輝く少女漫画(例えが薄っぺらくて申し訳ない)イメージとは正反対の、寝食を限界まで犠牲にする作家とアシスタントたちの姿がありました。 ただ本書で描かれるのは、そのシュラバが如何に地獄だったかとかそういう話ではなく、いまやレジェンドと呼ばれる作家たちの名作誕生秘話や、それぞれの人柄がよくわかるエピソードなどです。 大変なこともたくさんあるけど、何よりみんな漫画が好きで描くのが楽しくてしょうがないというのが伝わってきます。 衝撃的だったのは、萩尾望都先生自ら作詞、作曲、歌、ナレーションをこなしたアルバム「エトランゼ」に収録された「アシスト・ネコ」の歌詞。シュラバの混沌をそのまま歌詞にした内容(のよう)です。聞いてみたい…。 あとは美内すずえ先生に、著者が新人の頃に犯した失敗を7年越しにお詫びしたときに放たれた言葉。これには本っっっ当に痺れました…!!! どんな言葉だったかはぜひ本編で確かめてください。
少女漫画はこうして作られる!超貴重なアシスタント目線のエッセイ日本の少女漫画文化の礎を築いた名だたる作家たちのアシスタントをつとめ、数々の「シュラバ」を経験した著者から見た、知られざる少女漫画制作の裏側。 その裏側には、薔薇が舞いアハハ..ウフフ...と笑顔が輝く少女漫画(例えが薄っぺらくて申し訳ない)イメージとは正反対の、寝食を限界まで犠牲にする作家とアシスタントたちの姿がありました。 ただ本書で描かれるのは、そのシュラバが如何に地獄だったかとかそういう話ではなく、いまやレジェンドと呼ばれる作家たちの名作誕生秘話や、それぞれの人柄がよくわかるエピソードなどです。 大変なこともたくさんあるけど、何よりみんな漫画が好きで描くのが楽しくてしょうがないというのが伝わってきます。 衝撃的だったのは、萩尾望都先生自ら作詞、作曲、歌、ナレーションをこなしたアルバム「エトランゼ」に収録された「アシスト・ネコ」の歌詞。シュラバの混沌をそのまま歌詞にした内容(のよう)です。聞いてみたい…。 あとは美内すずえ先生に、著者が新人の頃に犯した失敗を7年越しにお詫びしたときに放たれた言葉。これには本っっっ当に痺れました…!!! どんな言葉だったかはぜひ本編で確かめてください。
ときめきまんが道 ―池野恋40周年本―
りぼんのレジェンド・池野恋のまんが道池野恋先生は意外と、野心家ではなく、自分に自信もない非常に謙虚な人だった。 10代の頃は、漫画は趣味の範囲で続けられればいいやというスタンスで、高校卒業後は事務系の専門学校に通いしっかり就職もしてしまった(漫画で食っていくつもりがなければ普通の判断だけど)。 しかし同級生の「19歳でデビューする」という謎のお告げがずっと心のどこかにあり、20歳になる前に一度チャレンジすることを決め、りぼんの新人賞にギリギリで応募→準入選、そのままデビュー。 結局はそんな彼女の隠しきれない才能を漫画界が放っておくわけがなかったというところでしょう。 そこからの怒涛の会社員+漫画家生活は目まぐるしいことこの上ない。読んでる方も息切れしそう…でも若くしてデビューすると体力面では多少の無理がきくからいいですね。 短期連載を経験してからも、まだプロとしての自覚も自信も少なく、就職先を辞めるという判断は一ミリもない。なんて真面目で慎重なんだ! 最終的には、担当編集に背中を押されるかたちでついに退職。そこから専業漫画家の道が始まったということでした。 冒頭でも書いたように、人気作家になる前も後も、池野恋先生は(悪い意味でなく)受け身の作家なのかなと思います。絶対にこれを描くんだ!そして売れるんだ!という燃えたぎる心や強いこだわりはなく、人からの意見を素直に受け入れ作品に反映させる。それもある意味才能ですが。 時代もあるかもですが、“お見合い結婚”であることもそれが非常に現れていると思いました。 ときめきトゥナイトのヒロイン・蘭世もキャラ設定時は、突飛な髪型にするか、もしくは黒髪ストレートのどっちかが良いと担当編集から言われ、突飛な髪型が思いつかなかった(あと新鮮だった)から黒髪にした、という衝撃エピソード。 でも上下巻よんでみて、今まで自分が漫画を通して得ていた先生の人物像とほとんどギャップがなかったというか、むしろそれが嬉しかったです。 そして最後に、「まだまだ元気だし、描きたいものもある」と書かれていたのでファンとしてはそんな嬉しい話はないなと感動した次第です。
りぼんのレジェンド・池野恋のまんが道池野恋先生は意外と、野心家ではなく、自分に自信もない非常に謙虚な人だった。 10代の頃は、漫画は趣味の範囲で続けられればいいやというスタンスで、高校卒業後は事務系の専門学校に通いしっかり就職もしてしまった(漫画で食っていくつもりがなければ普通の判断だけど)。 しかし同級生の「19歳でデビューする」という謎のお告げがずっと心のどこかにあり、20歳になる前に一度チャレンジすることを決め、りぼんの新人賞にギリギリで応募→準入選、そのままデビュー。 結局はそんな彼女の隠しきれない才能を漫画界が放っておくわけがなかったというところでしょう。 そこからの怒涛の会社員+漫画家生活は目まぐるしいことこの上ない。読んでる方も息切れしそう…でも若くしてデビューすると体力面では多少の無理がきくからいいですね。 短期連載を経験してからも、まだプロとしての自覚も自信も少なく、就職先を辞めるという判断は一ミリもない。なんて真面目で慎重なんだ! 最終的には、担当編集に背中を押されるかたちでついに退職。そこから専業漫画家の道が始まったということでした。 冒頭でも書いたように、人気作家になる前も後も、池野恋先生は(悪い意味でなく)受け身の作家なのかなと思います。絶対にこれを描くんだ!そして売れるんだ!という燃えたぎる心や強いこだわりはなく、人からの意見を素直に受け入れ作品に反映させる。それもある意味才能ですが。 時代もあるかもですが、“お見合い結婚”であることもそれが非常に現れていると思いました。 ときめきトゥナイトのヒロイン・蘭世もキャラ設定時は、突飛な髪型にするか、もしくは黒髪ストレートのどっちかが良いと担当編集から言われ、突飛な髪型が思いつかなかった(あと新鮮だった)から黒髪にした、という衝撃エピソード。 でも上下巻よんでみて、今まで自分が漫画を通して得ていた先生の人物像とほとんどギャップがなかったというか、むしろそれが嬉しかったです。 そして最後に、「まだまだ元気だし、描きたいものもある」と書かれていたのでファンとしてはそんな嬉しい話はないなと感動した次第です。