天沢聖司
天沢聖司
1年以上前
コミックDAYSでなんとなく別フレを読んでたときに見つけた新連載がこの『花と紺青』。少女漫画には珍しい防衛大ものだ〜と、とりあえず目を通してみたら…もうすごかった…! まるでお手本のような純愛で汚れきった心がみるみる浄化されました。 主人公はみつあみが似合う女子高生・葉月。花屋でバイトしているときに、店長の弟だという防衛大学校の学生・高宮が店を訪れたことで2人の物語が始まるのですが、も〜〜〜葉月も高宮さんもめっちゃいい子で! ホントたまらないんですよ…! https://twitter.com/betsufure/status/1288732375698960384?s=20 店長に用事があって来たはずの高宮さんは、葉月とお喋りだけして帰ってしまう。そしてその後も度々、店長が居ないときに訪れては話をするんですね。 素直で表情豊かな葉月と、それを見て思わず笑顔になってしまう高宮さん…! 無自覚に高宮さんが好きであわあわしてしまう葉月と、全く動揺を見せずに微笑んでいる高宮さん……!! も〜〜!! この2人あまりにも尊すぎる…尊し…尊死…。 葉月が擦れてない素直で優しい子で、高宮さんが厳しい規律を遵守する防大生なので、まるで大正時代か? というような超ピュアなやりとりを見ることができ、読んでてどうにかなってしまいそうになります。 https://twitter.com/betsufure/status/1227802072550080513?s=20 そして「防大生は傘を差してはいけない」という規律を利用して相合い傘する話はマジで天才なんじゃないかなと思いました。 しかもその後の話もホント天才で…! パンフだけもらい防大から出るバスに乗る葉月と、それを走って追いかける高宮さん。窓越しに見て「会えた…!」と喜ぶ葉月。 何時代の人だよ…!!! っていうピュアすぎるやり取りなんですけど、それがこの爽やかな2人には似合ってしまうんですよね。 またテーマとなっている防衛大学校について。一般人である葉月が高宮さんを通じて、少し離れた場所からその存在を知っていく…という構図がすごく自然で物語に入りやすくて、とても読んでいて心地良い。これは少女漫画だからこそできる描き方だなと思います。 さらに、本編の幕間には防大の規則について補足もしっかりあって、ただ「萌え」の記号や属性として利用しているわけでは決してなく、きちんと敬意を持って描いているのが伝わってくるのも好きです。 とにかく、「お互い気になってるけどまだ付き合ってない」という、恋愛の一番美味しいところがこれでもかと描かれているので、恋愛漫画で癒やされたい人にぜひ手に取ってほしいです…!! https://comic.pixiv.net/works/6472
コミックDAYSでなんとなく別フレを読んでたときに見つけた新連載がこの『花と紺青』。少女漫画に...
みや
みや
1年以上前
『サイコミステリー』という名称で紹介されてる事が多いようです。 夢中になれるものが何もなく『恋愛とかわかんない』なんて言ってる美少女大学生こころちゃん。 大学の講義を切っ掛けにココロに強く興味を持ちます。 興味を持てる事が出来て上の空な所に、ド緊張で心臓バックバクな夏川くんからの不意打ちの告白! 胸に手を添えて赤面するこころちゃんの姿が艶やかです。 帰ってからは 『これが、「恋」なのかなァ…』 なんて呟いてみたり… 1度自覚してしまったら後は、恋する乙女パワーで徐々に積極的になっていくこころちゃんです。 イケメンな先輩に家に押しかけられたり、夜の学校に忍びこんだり いろんなハプニングもありましたが… 結果! 【 麻薬組織 vs こころ様 】 になっていきます。 スピード感ある展開で最後までダレる事なく読みおえる事が出来ました。 終わり方も変に皆がハッピーなエンドに落ち着く事なく良きです。 こころ様にとってはベストとまではいかなくてもベターなエンドだったのでは? (注1:感じ方には個人差があります) ちょっと人を選ぶ漫画かもしれませんが、5巻完結と手を出しやすい漫画なのでご興味があればっ。 ・個人的に好きなサブキャラ 【くち先輩】が一押しです。 100%善意の天然系。 残念ながら1巻以降はほぼ出番ないですが、3巻では過激な姿で再登場っ! 画像は 幼女時代のくち先輩添付。 おばあちゃんの教えのまま良い子に育ってます。 (注2:本作は微グロにつき苦手な方はご注意を)
『サイコミステリー』という名称で紹介されてる事が多いようです。


夢中になれるものが何...
pennzou
pennzou
1年以上前
『異類の友 空木帆子よみきり集』は、そのタイトルの通り、主に『月刊フラワーズ』にて発表された、空木帆子先生による読切を集めた作品集です。 本作は、『月刊フラワーズ』で注目の3作家のコミックスを発売する「NEXT3フェア」という括りで発刊されました。本作以外の「NEXT3フェア」のコミックスは、大上貴子先生による『メイドのエミリーは今日も笑わない』、江平洋巳先生の『煌燿国後宮譚』。各コミックスの帯には、現在『フラワーズ』で連載されている大御所作家によるコメントが寄せられています。本作は田村由美先生なのですが、コメントが詩的かつ分析的で、その表現力にさすが田村先生……とおののきました。なお他作のコメントを担当されたのは、『メイドの~』が波津彬子先生、『煌燿国後宮譚』がさいとうちほ先生でした。各作品がどのような立ち位置に想定されているのかが、うかがえるような気がします。 空木先生および大上先生はフラワーズ新人作家(という表し方の是非については脇に置かせてください。なにせ空木先生がデビューしたのはもう6年も前の2015年12月号で、新人と呼ぶには憚られるところがあるのは確か……)にあたりますが、新人作家の紙の単行本が出るのは、2017年の笠原千鶴先生『ボクんちの幽霊』ぶりのことです。自分はかねてよりフラワーズ新人作家のコミックスが発刊されることを待ちわびていたので、今回のフェアで空木先生と大上先生のコミックスが日の目を見たのは、とても嬉しい出来事でした。 『異類の友』の話に戻ります。本作品集は6作品が収められています。ショートショートから長編まで幅広く取り揃えられており、色々な読み味が楽しめますが、自分が好きだったのは「アザミと芙貴の指定席」と「おしどりふうふ」の長編2作です。 「アザミと芙貴の指定席」で描かれているのは、人であるアザミと人ならぬ者を自称する芙貴という二人の交差です。『異類の友』という作品集のタイトルは、このような描写から取られたものと想像します。その他の収録作品も、全く性質の異なる二者をメインに据えた作品が並んでいるので、このタイトルは作品集のムードを的確に表していると思います。 「アザミ~」で特徴的なのは、人ならぬ者・芙貴だけでなくその対となる人・アザミもまた孤立しているように見える点です。互いが孤立しているゆえに惹かれてしまうというのもわかる、しかしながらその上で……という部分が描かれているわけですが、ここで発生する二人の関係性のあざやかさが、とても心地よく感じられました。 さきほど、『異類の友』というタイトルは、人と人ならぬ者、全く性質の異なる二者からきていると書きました。その点で、「おしどりふうふ」は他作品と一線を画しています。というのも、「おしどりふうふ」でメインに置かれているキャラクターは、二人ともロボットだからです。つまり、自分たち読者と作品中のキャラクターが異類、という関係になっています。 子細は省略しますが、「おしどりふうふ」の物語は美しく終わります。二人の間にある感情だけを見ればハッピーエンドです。しかし自分が突きつけられたと感じたのは、さびしさであり、世界への絶望感でした。異類から世界はどう見えているのか、自分は異類を友にできているだろうか……そういった問いかけがあったように思えたんですよね。読み違えかもしれないのですが、空木先生もこのエピソードを反語的に描いているような気がしてなりません。(反語的というか、絶望を描きつつも、同時にこの二人を絶対に幸せにしたいという意志があったのかなと思う。この二人を幸せにするということは、現実にいる似た境遇の二人たちを幸せにするということなので) 「おしどりふうふ」を読んで、この問いかけについて考える、それだけであれば難しさはそれほどでもない気がします。しかし本作品集には、異類を絶対的に相容れない存在として描いている作品も収録されています。それがこの問いかけに対する答えをより困難にします。世界、複雑すぎるし残酷すぎる。 結局は、ケースバイケースで考えて、その時に一番いいと思う行動をするよりほかなく、それこそアザミがとったような行動をする、ということなのかもと思います。 本作は、異類というテーマで統一しながらも、異なる切り口の作品を集めることで、作品集としての強度を高めています。それが面白さの一端を担っている一方で、今回収録された作品はテーマに沿って選ばれた一握りである、ということも示しています。空木先生のデビューが2015年ということから察せられると思いますが、本作の収録作品数は、これまで発表された作品の半分にも満たないのではないでしょうか。(ちゃんとは把握できていないのですが……) 空木先生の残りの作品が、そしてこれをここに書くのもなんですけど、他のフラワーズ新人作家のコミックスが発表されることを、自分は心より願っております。