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まるまる
まるまる
2020/10/29
ネタバレ
この漫画で描くのは「大人の恋」ではなく「人の生き方」 #完結応援
今月号のココハナ読んだら番外編が載っていて、本編知らなくてもすごく面白かったので本編の方も読んでみました。最終10巻に載る予定の最終回まで。 タイトルとカバーだけでは「パンと恋愛の話」という印象だけだったんですが、ちょっとこれは正直、想像を絶するというか、「生きるとは」みたいな話にも通じるような物語だったんです。この漫画で描くのは「大人の男女の恋」じゃない。本作を読んだだけでわかる。芦原妃名子という漫画家は凄いです。 "出会って二日目で婚約者になっちゃった!?"という恋愛漫画としての掴みはバッチリなのに、9巻でもふたり関係性はほぼ変わってない。そんなことある?本当だったら読者の「キュン」をせめて1冊に1回は入れるものなのでは?でもそんな考えはこの漫画の前では意味をなさないんですね。「そんなことより」なんですよ。すれ違ってもすれ違っても、逃げずに向き合って、会話を重ねて、少しずつ理解し合っていく。この過程を追うのが本作の醍醐味。 主人公ふたりに限らず、登場人物はみんないつも頭で考えて行動してる。その場の感情に任せて動いたことは殆どないんじゃないかな。 人のどうしようもなく不器用な部分や、諦め悪く心のどこかでしがみついてしまうところ、「好き」だけじゃない人と人が一緒にいる意味、何歳だろうと成長を諦めないこと、30代以上のひとがこれから生きていく上でのしかかってくる責任とか覚悟を、これでもかと時間をかけて丁寧に描き出してます。 柚季が最初から最後まで貫き通したポリシーである「一緒に毎日おいしいご飯を食べたい」というもの。結婚の条件としてもものすごく大事な要素だと思いますが、結婚とか関係なしに、毎日美味しいものを美味しいと思いながら生きる人生は理想であると、この漫画を読んで改めて噛み締めたのでした。 芦原妃名子先生の次回作、心よりお待ちしております…!