ウマタロ2020/01/25ヤンキー漫画の過渡期90年代少年サンデーで連載してた懐かしいヤンキー漫画。 最初の絵柄は見たまんま「ろくでなしBLUES」似なんだけど、巻が進むにつれてサンデーっぽい雰囲気に変わっていった。 ヤンキー漫画にしては登場キャラの女子率が多くて、硬派な不良漫画とはちょっと違うかな。(そういえば、たまにあるエッチなサービスシーンが思いのほかエロかった…) コメディ展開を中心に細々と12巻まで続いたものの、「ろくでなしBLUES」や「今日から俺は!!」ほどの話題作にはならならず。 97年あたりで、「ろくでなし」と「今日俺」が終わり、この作品も連載が終了したのだけど、その時にはじめて本格ヤンキー漫画の終焉みたいなものを感じた気がする。東京にも少なからずヤンキーはいたのだが、もはや時代遅れのものとして見られるようになった過渡期の作品だったと思う。 東京番長鈴木けい一
ウマタロ2020/01/16バカップルと賢い弟兄のトラビス(スーパーバカ)と、トラビスの彼女みぽち(おバカ)、そしてトラビスの弟・ケンゴ(賢い)の3人で繰り広げられる平和な日常コメディ。 弟は、兄とみぽちのバカップルに毎度振り回され、ツッコミ役になりがち。 見た目は不良のトラビスとみぽちだけど、ワルになりきれてない感じで、その純粋なバカさと愛嬌で何故か憎めない。 事あるごとに有能な弟・ケンゴに頼りきりで、ケンゴも文句を言いながらも二人のことが好きなので助ける。そして、ケンゴが困っているとき、兄もまたケンゴを必ず助けようとする。(おバカなので失敗したりするけど笑) 人から見れば、単なるバカな不良にしか映らないのかもしれない。 でも、どんなにバカでも思いやりは人一倍強くて、それだけでも生きていくには充分に素敵な事なんじゃないかと、最後まで読んでそう思った。 トラビスといっしょなら中田あも
ウマタロ2020/01/032013年の映画「呪界」を基にしたホラー漫画コンビニコミックで読んだのだが、いやーめっちゃ怖かった… アイアムアヒーローの樹海篇のような見た目の怖さとはまた違う… 得体のしれない何かの呪いにかけられているかのような、本能的な恐怖を感じた。 絵のタッチがもの凄い禍々しくて、例えるならガンニバルの二宮正明の荒々しさに近い。 人食い描写もあるのでホラー好きだけでなく、ガンニバルファンにはとくにオススメできる。 呪界 踏み入れてはいけない場所金風呂タロウ
ウマタロ2019/12/12※バレーボール漫画です📷ギャグマンガだけど真っ直ぐな熱さも兼ね備えたスポ根ギャグ排球(バレーボール)漫画。表紙の戦国時代の武将にしか見えないオッサンが監督。自らを将軍と名乗り、排球軍(バレーボール部)にとんでもない練習メニューを課してくる。例えば、人間を投げ飛ばしてレシーブさせる「人間レシーブ」や、本物のヤクザにアタックさせて精神力を鍛えさせたり…。主人公はこれらのアホ練習を乗り越え、熱い試合展開を見せてくれるようになるのだが…。とにかく監督だけでなく同級生や先パイもキワモノ揃いなので、マジなのかギャグなのかわからない時もあった。特にクセが強いのは、やはりリベロの「たかし麿先輩」だろう。優雅な平安貴族の装いで、蹴鞠の技術をバレーに活かす姿は一度見たら忘れられない。入学してこれから入部という所で終わってしまい残念だった。出陣!! ムショ高排球軍栗元健太郎
ウマタロ2019/12/10以蔵の気持ち1969年公開の映画「人斬り」公開と同時に発表された作品であり、映画を基にした劇画作品。幕末に人斬りと呼ばれ、恐れられた岡田以蔵の生涯とはどんなものであったか。近年、イケメン風以蔵があふれる世になり嘆かわしい限りだが、平田弘史の劇画で読んでこそ、以蔵が本来背負った悲哀がより理解できるというもの。記号化された以蔵を追いかけてばかりいる若者には「これを読みなさい!」と言いたい。喝!人斬り平田弘史1わかる
ウマタロ2019/11/29タイトルの意味はググってくれ恋人も友達も作らず、ひとり平穏に暮らしてきた主人公・富岡(32才) ある日、自分の今までの人生を振り返り、まわりに誰もいないことに気付く富岡。人生においてオレは遭難している!と感じるところから物語が動き出す。 パンツ一丁になった富岡は流れ星に祈る。 「友達をください…友達」と。そして、人との繋がりを求め、いろんな人物と濃い関係性を持ち始める。どうしようもない奴と知り合ったばかりに大損をすることもあれば、隣に住む小説家志望の美女と接近することになったり。また、仕事仲間のためにとんでもないことに巻き込まれ、恐ろしいサスペンス展開を思わせる事件に遭遇してゆく…。 なかなか暗い作品ながら、これが古谷実という漫画家の巧さなのか、一度読めばグイグイと引きつけられてしまう。 当たり前のことだが、自ら行動しなければ人とのつながりは生まれないのだ。 そうして生まれた不思議な縁には、理屈では説明できないなにかがある、と思わせてる。わにとかげぎす古谷実
ウマタロ2019/11/28はじめて読んだ小田扉作品だった最初に表紙を見た時は、買うのを躊躇するレベルだった。 「そっと好かれる」というタイトルがまずよく分からなかったし、 「ヤリーー」という謎のフレーズが余計に怪しくて、結局買ってしまった。 で、どんなもんかと読んでみたら大爆笑するほどじゃないんだけど、 独特の笑いに満ちあふれていて、最初から最後までずっとニヤケた顔が続いてしまうような短編集だった。シュールとも違う、脱力気味の笑いというか。 とぼけたセリフとカット、キャラクターの表情の変化等、どこをとっても味がある。パロディネタも良い。例えば、「サイボーグ大作戦」では、メンバーが「01」から「06」で、お互いの必殺技を打ち明けるシーンとかね。短編集『男ロワイヤル』にも収録されている、野木さん&古野さんコンビが登場する作品も味わい深くて好き。そっと好かれる小田扉
ウマタロ2019/11/14河童と相撲を取ってはいけない!五大湖フルバーストの作者による、人間と河童の相撲を描いた短編作品。迫力ある豪快なアクションと、爽快なストーリーで、河童の恐ろしさと強さを存分に味わえる。基本は「河童よりの相撲マンガ」だが、「ホラーマンガ」「友情マンガ」としても楽しめた。美女もヨシ。全3話の中では、やはり表紙「禿鷲山」が登場する話が一番好きだ。読んでいて言葉に表せないような、なにか凄いものを見てしまった、という感覚に陥る。えんこうさん西野マルタ2わかる
ウマタロ2019/10/17変人揃いだが、わりと楽しそうに生きてるおじさんたち気の抜けたようなタイトルと表紙のおじさんたちの顔が気になり、本屋で買ってみたところ、これは面白いと思った。 そこらへんにいるような、そうでいないような、一癖も二癖もある変なおじさんたちが一話ずつ登場して、独特でマイペースな生き様を見せてくれる。 (ちなみに表紙ではおじさんが集合してるけど皆孤立してます) 展開がファンタジックすぎて、なんだかよくわからん話もあるけどそれも含め好き。 他人の家の雑草を刈りたがる「ボーボーおじさん」という、ほとんど妖怪か仙人のようなおじさんから、 生き辛さ、孤独を抱えるおじさんの話(「なめくじおじさん」「2個ずつおじさん」)もあり、登場するおじさんの幅が広い。 お掃除道具と会話する「ハッピーおじさん」、ハンドパワーで家事をこなそうととする「念力おじさん」、電柱や自転車の気持ちになりきる「イマジンおじさん」など、想像力でもって楽しそうに暮らしているおじさんたち。これは独身中年に差し掛かってる自分も共感する部分が多かった。 憎めないけど、ちょっと迷惑なタイプのおじさん(「センチメンタルおじさん」「案内おじさん」など)も登場。 実際にこういう近付きたくないおっさんいるな〜と思いながらも「自分もいつかこうなってしまうのでは…」という考えが頭をよぎってしまう。これは反面教師にしたい。 おじさんに(比較的)やさしい世界で、ホンワカとした絵柄なので全体を通して、明るい気分で読めた。 おじさん自身も、あまり自虐的になったり卑屈になることはなく、 「ありのままで生きてる」って感じなのが、 いいよな〜(いいよなおじさん) そこらへんのおじさん物語佐久間薫
ウマタロ2019/09/26川みつばちとロボコップ好きなら読んで損はない 1980年代後半に映画ロボコップが一世を風靡した時代があった…のだけど、それに思いっきり便乗したギャグ作品。 主人公は子持ちのロボコップ(死後、脳も機械化して復活)という設定。知能が高いのか低いのかよくわからない振る舞いが多く、とにかく任務優先で、息子の面倒をロクに見れないロボコップを、小学校の島津先生(独身女性)が何とか父親らしい事をさせようと奮闘する、というストーリーである。 1話目などは完全にこち亀の作風をインスパイアしていて何とも言えない気持ちに…。正直、川みつばち作品のギャグ自体にそこまで面白味はないのだけど、やはり独特のリアクション芸を楽しめてこそ、というのはある。コマ枠いっぱいの引き笑いの表情とかね。あと、ちばてつや直伝の背景シーンも見どころの一つ。 後半は人情っぽい話になってきて、島津先生とイイ感じにくっつきそう…というところで終わってるのがちょいと残念。ニッポンのロボコップ THE 鈴木くん川三番地
ウマタロ2019/09/18どこまでも救いがない救いようがないほど登場人物がクズばかりで、陰湿ないじめを受ける春花に同情してしまうが、そこから淡々と恨みを晴らしていくところが逆に怖い。そして唯一の味方だと思っていた晄君までもが、歪んだ愛情を持ったサディストだったという・・・どこまでも救いようがない話なのに、一度狂気に当てられたらもう読むのをやめられない。スーパーバッドエンドまで一直線で向かうべし。誰彼構わず死んでほしい、と願ったことがある人であれば何かしら思うことがあるはず。ミスミソウ 完全版押切蓮介3わかる
ウマタロ2019/09/17巻末のインタビュー&解説はファン必見ジョージ秋山の代表作「銭ゲバ」の続編ということで、かなり期待して読んだ作品だったけど、非常に残念な漫画になってしまっていた。 プーコのキャラ自体は魅力があり悪くなかったのだが、 話の展開がイマイチなのと、とにかく銭ゲバが生き続けている設定が萎えまくりだった。(個人的な感想だけど) 「どうしてこうなった・・・」と思わずにはいられないが、その辺の心境というか、事情については、巻末のインタビューで語られていて、ぶっちゃけこの本の価値の8割くらいは巻末付録にある気がしている。 インタビュアーの大西祥平という方が、とにかく物凄いジョージ秋山マニアで(単行本未収録を含め、ほぼ全作品をコンプリートしているような人)、とても濃い内容のインタビューと、ジョージ秋山引退失踪事件の解説などを大量ページに渡ってまとめてくれている。ここでしか語られていない話もあるので、そういう意味では貴重な本。銭ゲバの娘 プーコジョージ秋山
ウマタロ2018/08/13遺作📷2018年正月、吠夢と書いてポエムと読む1人のホラー漫画家が亡くなった。 第1話を書き上げた後、遺作となってしまった作品。亡くなったことがメディアでも取り上げられ話題になった。 食い詰めた漫画家が、生活保護を受けに行くという内容のストーリーだが、追い詰められた男の切実さが非常によく描かれていて、なかなか読むのが辛かった。 また本作とは別に、コアマガジンの雑誌で追悼漫画が載っている。 『ゴミ屋敷で孤独死した本誌漫画家「生ポのポエムさん」で訴えたフリーの現実』というタイトルで、編集部の視点から見た、吠夢先生の晩年が描かれている。作画をされた子原こう先生はどんな気持ちでこれを描かれたのだろうか… 「まんがこれが現実貧しい日本 みんな結局、無関心」 (コアコミックス No.541 - 2018/7/30) 興味のある人はこちらも併せて読むといいだろう。生ポのポエムさん吠夢2わかる
ウマタロ2017/11/13 マンバで見つけた面白そうな漫画をひたすら書いてくトピックマンバで偶然見つけておもしろそうだと思った漫画、ちょっと気になった漫画があれば、メモ代わりに書き込む場所として使って下さい。 何がおもしろいかは直感がすべて!自由広場5わかる
ウマタロ2017/10/10博打打ちの終着点と言われる「手本引き」勝負!かつて週刊少年マガジンで短期集中連載された「哲也」コンビによる作品。 昭和22年の函館を舞台に、賭場荒らし・フクロウと、雇われ玄人たちの対決を描いている。 哲也の時系列だと、坊や哲と印南の死闘があった時期だが、今作は哲也との関連はなく、麻雀勝負ではない。勝負には、伝統的な日本の博打「手本引き」が用いられる。 ルールをかいつまむと、親が1から6までの札を1枚選んで、子は出目を当てるというもの。 単純なように見えて奥が深く、一局にかける緊張感は「心臓が張り裂けるほど」と作中では表現されている。 勝てば全面勝利、負ければ全面敗北の状況で、最後は、特攻帰りの博打打ち・桜庭とフクロウの一騎打ちになるが…。 「哲也」にも言えることだが、この時代のギャンブラーは皆、戦争の記憶を引きずっていて、 それが凄みというか悲哀というか、博打勝負を超えた何かを感じますな。賭博師 梟星野泰視 さいふうめい
ウマタロ2017/09/10ザ・賭けゴルフの世界ギャンブル狂の父親・巌の生き様が最高だった。 見た目といい、破天荒さといい、昭和のスターである勝新太郎を思わせる風貌。親父が登場するだけで、漫画の面白さが倍くらい上がってた気がする。ゴルフはド素人でも、勝負師の勘を頼りにキャディーとして娘をサポートする姿が熱い。飛美も粋で度胸のある娘なので、この親子のゴルフは見ていて気持ちいいものがある。 他は碌な奴が出てこない。 あらすじに書かれていないけども、貧乏とギャンブル狂親父のせいで、金にまみれた連中と違法な賭けゴルフをやり続ける展開だからね。 坂田信弘が付いてないから、風の大地みたいな爽やかさはないぞ! 親玉’S マスターズかざま鋭二8わかる
ウマタロ2017/08/26雀荘経営って大変なのね…麻雀詳しくないし、雀荘に行ったことも無いけども、この漫画で雀荘の苦労というものが少しわかった気がする。 楽そうな商売というイメージを勝手に持ってたけど、今の時代は集客するにも一苦労なんだな。 店側が客に勝ちすぎても駄目だし、負けすぎても駄目という、さじ加減が難しい商売だと感じた。 オッサンばかり登場する漫画だが、救いはバイトのカオリちゃんが居ることだな。 よく働く子で、愛想がよくお客さんからの人気は高いし、麻雀もちゃんと打つ。 爽やかな明るさが、店のオッサン臭さをファブリーズばりにかき消してくれる。 志名坂先生の描く女性は、時代の流行という感じじゃないけど、独特の良さがあるんだよなー。(色気はないけども。。) 「逆脱衣麻雀」とか、ちょっとしたサービスシーンでも、全くエロさがなくて健康的な下着CMみたいだったwすずめの唄志名坂高次1わかる
ウマタロ2017/08/22最近、日本の政治が酷いな…。よし!アクメツを読むか!国の税金の無駄遣いは許せない!と思ってる人は、この漫画を読むとめちゃくちゃスカッとするよ。 不死身の超人アクメツが、日本の公共事業等の利権に巣食う税金泥棒たちを「悪人」と定め、バンバン懲らしめてくれる。 裏で暗躍する政治家や要人を表に引きずり出しては天誅を下してくれるから、爽快この上ない。税金を浪費した額が大きければ大きいほど、怒りは高まり、得られるカタルシスは高まる。 日本の政治に不満のある人間なら多少なりとも抱いている願望を、存分に満たしてくれる!!のだが…。政治的に過激な主張が多いので、あまり周囲に喧伝できる作品じゃないのは確か。 この漫画の通りに、極論で「悪人」を排除したところで、日本が良くなるかといったらそう単純な話ではない。 結局は、日本の組織の構造が変わらなければ、根本的な問題は解決しないと思うッス。 なので、とりあえず娯楽として楽しむが吉かと。 できれば若いうちに読んだ方が、ピュアに楽しめる漫画かもしれない。アクメツ田畑由秋 余湖裕輝15わかる
ウマタロ2017/07/10人助けを生業とした流浪のヒーロー1972年の週刊少年サンデーに掲載されていた劇画ヒーローもの。 主人公は「牙走り百文」と名乗り、困った人を助ける代わりに百文を貰って生活している青年で、 よく乞食に間違われるほどみすぼらしい風貌をしている。 カムイ伝のように、農民の虐げられ方がえげつない時代設定になっており、そんな時代に牙走りはとある信念によって困った人を助けるため全国を放浪している。 牙走り自身は温厚な人間ではあるものの、人助けの最中にどうしても盗賊や悪い商人が湧いて出てくるので戦闘は避けられない。 剣術はかなりの腕前なので、大抵の荒事は乗り切れるが、人を守り切れずに死なせてしまうケースも多い。この世の残酷さに苦悩し続ける主人公。。 ちなみに牙走りは剣術のみならずDIYも得意。 持ち前の器用さと機転によって、生活道具や武器を作り出す。 「いすぱにあの投石機」なんてものまで自作してしまう謎のスキルまで持っている。 後半では、少しずつ牙走りの出自の謎が明かされていくのだが、ここが一番面白かったりする。 牙走り小池一夫 ながやす巧
ウマタロ2017/06/28夢枕獏のSF時代アクションこの漫画、前半のドライブ感がすごい良かった。後半はアレだけど。 主人公の源九郎と、忍者の佐助の邂逅するシーンが特に好きで、何度も読み返した覚えがある。 2人の殺陣が格好良すぎて痺れた大帝の剣夢枕獏 渡海
ウマタロ2017/06/09賭博野球 ✕ 兄弟愛必殺の宜野座カーブでバッタバッタと野球賭博を勝ち抜いていく主人公が、元天才選手だった兄の行方を探すというストーリー。 絵がちょっと怖いが、普通の野球ルールからは外れた異様な野球が繰り広げられる。 地下世界に足を突っ込んだ登場人物はいずれも曲者ぞろいで、昔はまっとうな野球選手だったんだなという思いになる。 1話目の試し読みが81pもあるので、まずは序盤の輝かしい野球人生を転落していく様を存分に味わってほしい。BADBROS藤井良樹 佐藤周一郎1わかる
ウマタロ2017/06/05※人面犬ではありませんストーリーも設定もイマイチだった…。 「トッキュー!!」や「海猿」原作の小森陽一ということでかなり期待してたのだが。。 一部では「人面犬マンガ」などと呼ばれているが、 どこか忘れられない味わいのある漫画なのは確か。 マッシュGO!!小森陽一 米林昇輝
ウマタロ2017/06/03覇王とは小林多喜二の「蟹工船」を、ジョージ秋山のアシスタントを長年務めるイエス小池がコミカライズした作品。もともと読切作品だったが、2008年の蟹工船ブームの折に文庫化された。 出版に至った経緯はドラマチックだ。詳しく知りたい人はたけくま先生のページを読むとよい。 http://memo.takekuma.jp/?p=1217 読んでみての感想としては、個人的には原作とは大分違う印象を持った。 過激な描写が多いものの、表紙の罰河原赤蔵(ばつがわらあかぞう)のクレイジーなキャラと、不屈のヒーロー龍さん(オリジナルキャラ)の存在が痛快で面白い。 過去にも蟹工船系作品には触れてきたものの、プロレタリア文学とか格差社会という固まった評価の中で理解していただけだったかもしれない。 イエス小池バージョンでは、罰河原中心の視点で、世界が孕む狂気そのものを描いていて、そこはかなり際立っていて良かった。この漫画はとにかく、ラストの罰河原赤蔵の咆哮がすべてなんじゃないかと思う。これから大東亜共栄圏に突き進む歴史をも示唆していて、そこまで通して考えると、「おい、地獄さ行くんだで!」という書き出しの意味しているものが変わってくるようにも思えた。劇画 蟹工船 覇王の船小林多喜二 イエス小池