かつて週刊少年マガジンで短期集中連載された「哲也」コンビによる作品。
昭和22年の函館を舞台に、賭場荒らし・フクロウと、雇われ玄人たちの対決を描いている。

哲也の時系列だと、坊や哲と印南の死闘があった時期だが、今作は哲也との関連はなく、麻雀勝負ではない。勝負には、伝統的な日本の博打「手本引き」が用いられる。

ルールをかいつまむと、親が1から6までの札を1枚選んで、子は出目を当てるというもの。
単純なように見えて奥が深く、一局にかける緊張感は「心臓が張り裂けるほど」と作中では表現されている。
勝てば全面勝利、負ければ全面敗北の状況で、最後は、特攻帰りの博打打ち・桜庭とフクロウの一騎打ちになるが…。

「哲也」にも言えることだが、この時代のギャンブラーは皆、戦争の記憶を引きずっていて、
それが凄みというか悲哀というか、博打勝負を超えた何かを感じますな。

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