名無し
10ヶ月前
加害者と被害者は表裏一体であり、私たちもみなそのどちらにもなる可能性を秘めている……ていうのがテーマなんだろうけど、少し惜しいと感じた。 今のところ(12話まで)出てくる「加害者」側のキャラも、なんというか蓋を開けてみるとそこまで「加害者」ではないような〜…。 美大生の子の罪はアウティングされた相手と揉めてスコップで顔に傷をつけてしまったこと。 メガネの罪は人を轢いたこと。でも轢き殺したわけではなく、妊婦を轢いて流産させてしまい、妊婦はそれを苦に自殺、という、確かに罪は罪なのだが間接的で…。 それにメガネは元々家族からいじめられていて、挙句兄の虐待から姪っ子を守っていた、という可哀想なエピソードも描かれる。(途中までてっきりロリコンなのかと思った) 加害者はある意味被害者の側面もあり、加害者にも同情の余地があるんだよ!というテーマならこれでいいのかなあ〜…。 加害者虐待被害者をテーマにした作品は「羊の木」「モリのアサガオ」などがあるけど、これらの作品と比べると今作の登場人物たちが抱える「罪」は、なんというか「割と許してもらえそうな罪」であるように感じた。読者のストレスにならない程度の罪というか。 だからこそ熱血主人公のはからいであっさりわだかまりが解けていくんだけど、うーーん。 ハードでスリリングであればいい!というわけではないし、この作品の目指す方向とは違うのも分かるんだけど、それにしても全体的に少し予定調和に感じてしまったかも…。 しかし作者さんは浅野いにおのアシスタントらしく、背景や作画は一流。どこか鳥海茜っぽさも感じられる絵柄。今後、女性誌などでも活躍しそう。
六文銭
六文銭
10ヶ月前
伊豆諸島南部の青ヶ島に引っ越してきた、高校卒業したての少女が主人公。 まず、どこだ?と興味本位で調べみたが、 東京から飛行機で八丈島にいきソコからヘリで20分(ヘリ!?) もしくは、 船で八丈島までいき、ソコから乗り継いで合計13時間 しかも、天候や海の状況によっては上陸が困難になるというから、なかなかにハードな場所だということがわかる。 そして、日本一人口が少ないのも特徴。 さて、そんな島での生活だが・・・ 「絶海の孤島」という地形から自然の脅威をもろにうけて、思い描いていたまったり島ライフとは無縁な感じ。 そんなところで若い娘が生活していくというのだからすごい。 そのあたり、良いところだけ描いている感じじゃないのが、リアリティがあって個人的に好感がもてます。 数日の観光ではなく、住むとなったら色々不便になるだろうなと思いながら読むのも一興。 自分の環境が恵まれていることを痛感しますね。 また、島民の人たちとのやり取りや、豊かな自然の描写が読んでいて小気味よい作品です。 現実に疲れたらぜひ本作の過酷な島ライフを読んで、どこも大変なんだと思いなおしてください。
ゆゆゆ
ゆゆゆ
10ヶ月前
どうせ、女の子がいっぱい出てきて、ハーレム状態イチャイチャキャッキャの日常系なマガジン的展開でしょ? と思ったら、違った。 ジャンプです。 マガジンでなく、ジャンプです。 友情、努力、勝利なのです。 女の子はいっぱい出てくるけれど、等しく愛するのです。 君が一番スキとかないのです。 ――まるで、推しを並べたオタクのよう。 君も君も君も、等しく好き。 そして、君も君も君も強烈に個性的。 みんな全力で愛城恋太郎を愛しているし、恋太郎もその思い以上に気持ちを打ち返す。 ものすごいテンション高く、ものすごい細かいオマージュやらなんやら入れつつ、眼の前にいる彼女たちに平等にキスしては感想を述べ、くすぐり合ってはキャッキャウフフ、いやなんだこれは、何を見せられているんだ。 愛城恋太郎のすごいところは、みなを愛せなければハラキリを宣言しているところ。 愛せなかった子は不幸になって死んでしまうから、覚悟を示しているんだろうけど、その設定を彼女たちは知らない。 あらすじに書かれているママが起きているのに、読んだらどこか違うなんて初めて見た。 読まずに毛嫌いするなんて、もったいない。 男女逆転しても、いや性別が入り乱れても、性別なんてなくなっても、恋太郎はこのテンションで皆を愛しそうだし、恋人たちも同じテンションで恋太郎を愛しそう。 がんばれ、恋太郎。