南Q太の最新作「ボールアンドチェイン」を語ろう
※ネタバレを含むクチコミです。
Web版「GINZA」の2023年漫画コンテンツ・年間PV数1位を獲得。読むと心が奮い立つ話題作!誰かに決められた〈幸せ〉は、いらない。結婚と、離婚。人生の岐路に立たされた二人を描いた南Q太最新作。【この物語は…】冷え切った夫婦関係に悩む〈あや〉。性自認に揺らぐ中、結婚を控える〈けいと〉。まったく接点のなかった二人の人生が交差するとき…「女」だとか「妻」だとか。「普通」だとか「常識」だとか。自分を縛るものと闘い続ける「私たち」の物語。行き詰まりを感じる日々。自分の本心に向き合ったとき、人生が動き出す。
主婦のあやさんは「平凡な女と結婚して人生がつまらない」と愚痴る夫との離婚を考えています。会社員のけいとさんは「君を愛してる」「君は僕の妻だから」と無自覚に束縛しようとする婚約者との結婚に悩んでいます。2人は近所に住んでいますが面識はありません。しかしどちらも何者でもなかった自分を取り戻そうと奮闘します。
分類すればシスターフッドの物語になるかもしれないけど、共闘するんじゃなくてそれぞれがそれぞれに戦っているところがいい。戦うのはあなた自身だけど味方はいるよって南Q太先生の作品らしいなと思う。ジェンダーとかハラスメントの問題もストーリーに含まれているけど、それだけで語るのが物足りなくなるくらいのパンチ力がある。こんなに自分を奮い立たせてくれる作品は今のところ他にない。