秘書マリ子
「生き抜くためには俺は何だってやるさ」。弓月マリ子は、中小企業ながら次々と新商品がヒットし売れ行き好調の『グローバル電業』で社長秘書をしている。時間にルーズで、三食ファーストフードで済ませるズボラな社長だが、アイディア商品を次々とヒットさせるその手腕に秘書としてそれなりに充実した日々を送っていたマリ子。だがそんな彼女に産業スパイをしろと待ちかける元同僚・横瀬。断るマリ子だが横瀬はマリ子が前の会社で巻き込まれたスキャンダルを妹の就職先へバラすぞと脅しをかけ、さらに肉体関係を強要し……。企業の裏側と社会の闇に揉まれながらプロの秘書として成長する姿を描いた美人秘書物語!
小野双葉単行本未収録作品集
「いいぜいいぜェ。燃えてきたぜェ!」江戸風俗絵師・歌麿は春画を描かせれば日本一!なのだが最近やる気が起きない。後援者である商人・蔦重は歌麿にやる気を起こさせるため、自分のハメ取りを描かせ……(1巻 江戸風俗絵師うたまろ)/「女の色気を知りたいと言ってましたなぁ…」女の色気を学ぶため、吉原で三人の花魁を買う女形の若衆。だが出てきたのは……(2巻 花魁道中)/「私が見たいと言っておるのだ!」心根は優しいが岩石のような顔をしている篭担ぎのお鉄。だがそんな彼女に一目惚れした上様。更に幼馴染の美形人気役者が彼女逢いたさに大奥に忍び込み…(3巻 大奥の花道)。江戸を生きる人たちの日常を描いた時代劇作品集!
悲鳴 ストーカー被害者の声
「心因性失声ですね」夜道でストーカーに襲われ声が出なくなった、まだ学生の娘にお医者様が告げた。ケーキを買ったり、服を作ったりして、心を閉ざし声の出ない娘と何とか打ち解けようとしている最中、娘と私を隠し撮りした写真が家に届く。娘をこんなに困らせているストーカーが、また…!? これからは何があっても、娘は私が守るから!!
愛依存 寂しい女のトラウマ
「もし 私が死んだら、誰か他の人と幸せになって下さい」写真家の俺が惚れたのは、儚げで今にも崩れそうな心を持つ月穂だった。深く想い合い愛し合う俺と月穂だったが、すれ違いから月穂は精神を病んでしまう。拒食症と闘い狂気を帯びるまでになった月穂はある日、美しい泣き顔を俺に見せた。その泣き顔に惹かれた俺は夢中でシャッターを切り――
~彼に愛されたい~もう独りには戻らない
お父さんは私より世間体が大事、お母さんは私より自分が大事。あたしは誰にも愛されない汚い存在だから、誰も好きになんかならない。そうやって全て諦めていたのに、目の前に優しい彼が現れた。いじける私にも根気強く接してくれる彼。諦めていたはずなのに、彼に惹かれ、彼にこんなにも抱きしめられたい――そう思ってしまう自分が許せなくて…!?
上手な恋のはじめかた
婚活パーティーでキツいことを言われちゃった。「つまりは遊ばれてただけってことだ」なんて、シングルマザーとして奮闘中で、当たってるから言い返さなかったけど、こんな失礼な人こっちだってお断りよ! …ってあの時は思ったのに、会場の外で彼と再開して、泣いてるあたしを放っておかなかったり、意外と子供好きだったり、すてきな面も少しずつ見えてきて、惚れっぽいあたしはもちろん――
母の罪~翼あるもの~
私生児だった私は愛になじめない女だ。そんな私に付きまとう同級生、浦辺暁生。彼はあたしを好きだと言って遊びに誘い出し、一緒に食事をとって、「おまえは幸せになるのが怖いんじゃないのか…?」と言うけれど――。幸せになりたいと願う自分と、幸せを拒む自分との間であたしは困惑する。もうあたしを惑わさないで…苦しめないで!
砂漠を越えて 狂気と正気の堺
いつからか私は精神障害者と呼ばれるようになっていた――。パッケージツアー旅行で同行してくれることになった添乗員の鵜浦さん。彼女は、私に少し冷たい。事前に精神障害があるって資料に書いたから…? 心配事を抱えてたら、移動するバスの中で気分が悪くなってしまった。私は、鵜浦さんに助けを求めるも相手にされず……?