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群緑の時雨
江戸時代初期、幕府が開かれた直後はまだ地方では小さな国同士の争いが起こっていた。その中のひとつ、士々国の武家で育てられている中谷霖太郎は、父親が戦で背中を斬られて死んだという不名誉な噂で他の武士から蔑まされていた。それでも霖太郎は親友の府介と共に、その幼い胸に武士の誇りを刻み、まっすぐ生きようとする。
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猛き黄金の国 柳生宗矩
徳川家康(とくがわ・いえやす)に仕える柳生宗矩(やぎゅう・むねのり)は、秀頼(ひでより)を世継ぎにするために豊臣秀吉(とよとみ・ひでよし)が勧めた、家康の世子・秀忠(ひでただ)と淀君の妹・小督(おごう)の婚姻を、秀吉の企みを知りながら受け入れた家康の真意を理解できずにいた。しかし、石田三成(いしだ・みつなり)と淀君の妖しい関係を噂に流す家康の行動から、家康が天下取りを諦めていないのだと知った宗矩は……!?
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Y十M(ワイじゅうエム)~柳生忍法帖~
堀の女たちの手によって鉄斎と孫兵衛、そして犬使いの丈之進と、すでに三人を倒されてしまった悪逆・会津七本槍。藩主の加藤明成は緊張の中、会津藩への帰路についた。しかし復讐に燃える堀の女たちも二手に分かれて明成一行を追う!奥州街道を北上する明成に献上するため、またしても娘をさらう七本槍。そして街道で明成と相対した大和尚・南光坊天海の秘密とは!?