『動物のお医者さん』が知られていないのは、アニメ化されていないから…ってのが、身も蓋もない理由だとは思いますが、実は、『ドラゴンボール』も『ちびまる子ちゃん』も、今の二十代前半あたりには読まれていない(知らない)可能性あったりして、事態はなかなか深刻です。
それはそれとして。
『動物のお医者さん』って、すっごく強靱なナンセンス・マンガなんですよね。
そこが、本っ当っにっ、素晴らしいと思います!
菱沼さんでも誰でも、普通は、ついつい主人公格の男性陣との恋愛物っぽい展開にしたくなっちゃうと思うんですが、まったくもってそういう方向に話が進まない。
ただひたすらに、みんな変な人。
恋愛とか師弟愛とか家族愛とか、そういう「湿り気」が物語から排除されているので、すっごくピュアにナンセンスな「状況」(テキスト中でいう「奇人賛歌」)を楽しめる。
そういう意味で、ハリウッド黄金期の「スクリュー・ボール・コメディー」の、マンガに限らず日本カルチャーでは極めて珍しい継嗣の大ヒットだと思います。
『赤ちゃん教育』とか『レディ・イヴ』とか、どっちも男は(奇人な)学者ですので。
まあ、どちらの映画にも「まったく湿り気のない」恋愛はありますがw そこがまた、ハリウッド黄金期っぽくて良いんですけど。
とにかく『動物のお医者さん』、今も代わりがない絶品の面白さですから、本当にもっと読まれて欲しいですよねえ。
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なるほど。
帰属に関して拘りが無いというのは納得で賛成。
それに喩えの筆力に感心する。
まぁ、でもサイヤ人の自覚、夫の自覚、父の自覚とかが、まるで持続しないその場限りの『軽い』ものだとは思いたくないかな。