おおきいいぬ
大きい犬
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あらすじ

犬好きの高田くんが、ひょんなことから出会ったとてつもなく大きい犬。その犬はずっと昔からそこにいて、飼い主がいなくて、名前もなくて、少し退屈そうだった…… 発表から3年以上経つ今も話題となり続けているデビュー作「大きい犬」を表題に、その後日譚となる描き下ろし「小さい犬」ほか7編を収録した作品集。実力派新人・スケラッコの楽しい線が紡ぐ、穏やかに不思議でやさしい世界。

ふぁんたすてぃっくわーるど
FANTASTIC WORLD
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あらすじ

「歯ちゃん、世界は美しいねェ。」地球の内側には、もう一つの文明がありました。地球の内側はゴムボールのように空洞になっており、その内部世界にはもう一つの文明があった。一九〇八年に出版されたウィリス・ジョージ・エマーソン著『THE SMOKY GOD, or, a Voyage to the Inner World』などを参考に、地球空洞説を大胆に取り入れて描かれる、人と人外たちの知られざる因縁と美しき景観。内部世界『シャンバラ』唯一の人間・ビコと、その友達・歯ちゃんの冒険を通じて明らかになる、その歴史とは。侵略戦争や、民族紛争、差別や宗教摩擦… 地球外皮歴史とリンクするような出来事は、地球の内部でも起こっていた!?

超絶的な冒険マンガがここにあった。

未知の世界。 見たことのない景色や生物。 知的好奇心から来る「冒険」というものへの憧憬は、人間の奥底に根ざしています。そして、物語はその冒険の興奮を疑似体験させてくれます。『指輪物語』や『地底旅行』、『エルマーの冒険』などを読んで、夜眠れなくなるほど心踊らせた子供の頃のあの想い。 『ファンタスティックワールド』は、そんな感覚を再び呼び起こしてくれました。 トーチWebで読んでいた時から様々な面で普通のマンガとは一線を画した作品でしたが、紙の本になってそれは更に加速しました。何と豪華な装丁! 実際に手に取った時にその素晴らしさに感激しました。 表紙をめくった部分にある、異文化の文字による手稿。全く読めはしないのですが、図解で何となく概要は掴めます。もうここだけで最高にときめき、わくわくします。 小口や天地が表紙と繋がる一枚絵になっているなど、なかなかこのような贅沢な装丁のマンガはありません。 WEB掲載時にはなかった冒頭部のイントロダクションとタイトル見開きも、それだけでこの作品のスケールの大きさを雄弁に語ってくれます。圧倒的に広大で、明らかに既知の地球上にはない光景。この見開きを見せられて胸が高鳴らないわけがありません。 大判サイズで、これだけ美麗なフルカラーのビジュアルで見せられると圧巻です。極彩色の世界に陶酔します。これは紙で持っておきたくなる一冊。 内容については「地球の内部に存在する地表とは別の文明圏で、少年が歯を相棒に旅をしていく」という、あらすじだけ字面だけで見ると若干意味不明なものです。キャラクターの造形が独特過ぎると共にシュールな部分も多々あるが故に、最初は取っ付き難さを覚える方もいるかもしれません。しかし、そんなものはこの本の中の広大な世界と遙かなる奇想の数々に比べれば瑣末なことです。 ファンタジーだとかSFだとか、そんなジャンル分けをすることもこの作品に関しては無粋に思えて来ます。ただただ、ひらのりょう先生によって紡がれていく独特の世界を、読むというよりは体全体で浴び続け深く味わうような感覚に陥ります。そして、それが非常に心地良いのです。脳の普段使わない部分を活性化させられます。 これは、ただ単純に絵が魅力的であるというだけではなく、マンガとしてのコマ運びや静と動の緩急が上手く行われている所に起因しています。この作品がマンガとして表現されている意義を、読んでいて十全に感じます。 一見すると荒唐無稽な世界観に思える箇所もいくつかありますが、一方で現代社会や人類史上の現象や問題、哲学的なテーマを掬って解体し提示する面も見られます。 未知の世界のもたらすわくわく感を純粋に楽しむのも良いですし、創作的な刺激や思考の材料にもなる優れた物語です。 主人公の少年、ビコの以下の言葉に共感するなら、ぜひともこの唯一無二のファンタスティックな世界を体験してみて下さい。 > 「色んなヒトや知らない景色と出会える… >  もっと見たくない? >  この世界の先を…」 果たして、ビコと歯ちゃんの旅はどこまで達するのか……。続きと結末が非常に気になります。

兎来栄寿
兎来栄寿
つつがないせいかつ
つつがない生活
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あらすじ

第一回トーチ漫画賞受賞『牛乳配達DIARY』のINA最新作! 買い出しメモ、ヒヤヒヤの通帳記入、義妹の宿題、妻が寝るまで待つ時間、卒業式、バンドで行ったアメリカツアー、妻からの手紙コレクション、事故、深夜徘徊、海、パリ新婚旅行、失くしたピアス、旅の出会い、旅の終わり、告白――― 優しく鮮やかな筆致が照らし出す、暮らしの中の、なんてことなくて美しい瞬間の数々。若き著者[二十代・新婚・自営業・パンクス]が描く、現代ニッポンを他者と共に生きる暮らしの記録。

幸と不幸が重なり合うつつがない日々の尊さ #1巻応援

前作の『牛乳配達DIARY』の時から、INAさんはまるで清少納言のように何気ない日常の一コマを巧みに面白くマンガとして切り出す方だなあとしみじみ感じます。 本作『つつがない生活』も、前作に続いて筆者の実体験を基に描かれています。中盤以降にはバンドでアメリカツアーに行った話や妻とのヨーロッパでの新婚旅行など日常の中の非日常もあって、そこでは刺激的なエピソードもあります。一方で、前半はありふれた日々の中の何気ない情景が描かれます。 20代新婚でありながら先月仕事を辞めたばかり、フリーランスでコミュ力の高い妻の仕事を手伝いながら家事をこなし、中学生になる手前の義妹の面倒を見るという生活。 こたつでみかんを食べて寝落ちたり、コンビニにアイスを買いに行ったり……本当にミニマムな日常。でも、それらはもし人生の終わりに振り返ることがあるならばどこまでも掛け替えのない価値のある時間なんですよね。 仕事でピリピリする妻と時には喧嘩もしながらも愛情に触れ心を救われる瞬間や、義妹の成長に感じ入る時。つつがない生活の中で訪れる大いなる幸せこそ、人間が真にこれ以上なく大切にすべきものであろうと思います。 しかし、人生は幸せなことばかりではありません。時には辛いことも起きてしまいます。コロナ禍のように、個人だけではなく人類全体に訪れる試練も襲い掛かります。でも、それこそが人生でもあります。 最終回の素晴らしいモノローグは、『自虐の詩』の至高の名言である「幸や不幸はもういい。どちらにも等しく価値がある。人生には明らかに意味がある」を髣髴とさせ、この作品の読後感を非常に豊かにしてくれるものでした。 この本を彩る「優しく鮮やかな筆致が照らし出す、暮らしの中の、なんてことなくて美しい瞬間」といった帯文も、作品に対する慈愛に溢れていて大好きです。こういうマンガが絶えずに生み出される世界は何と美しいことでしょう。 余談ですが、現代っ子で『天空の城ラピュタ』よりYouTubeの方が楽しい義妹にジェネレーションギャップを感じるシーンは、幼少期に無限にラピュタをループしていた身としては筆者同様に切なくなりました。

兎来栄寿
兎来栄寿
みちくさにっき
みちくさ日記
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あらすじ

13歳の若さで「ちばてつや賞」を受賞し漫画家としてデビューするも、ほどなく精神科病院に入院……病院から通う学校生活、農作業に盆踊り、ボクシング部入部、デイケアで輪投げの日々、元カレの逮捕・出所・プレハブ暮らし、新しい診断、脱腸、恩師との再会……著者・道草晴子が歩んできた15年以上にわたる途方もない“人生の道草”と、再び絵筆を執るまでの涙と笑い、そして再生の記録。「トーチweb」での連載時から、漫画、文学、音楽、現代美術、音楽、医療、福祉、教育の分野でも大きな反響を呼び、多くの現役クリエーターが注目する、ノンフィクション漫画の最前線!! ★坂口恭平、佐藤龍一、曽我部恵一、高浜寛、ちばてつや、tofubeats、野中モモ、深町秋生、山田参助ら、各界の第一線から称賛の声が続々と! ・ぐっとくる…窓からの青の色すごくいい色。(坂口恭平) ・ユーモアがあってものすごく面白い。ブルースが聴こえる。(佐藤龍一) ・素晴らしい。(曽我部恵一) ・他人事と思えない。私は晴子ちゃんを応援する。(高浜寛) ・漫画描くのやめないで頑張って、偉いぞ!(ちばてつや) ・良いと感じました。(tofubeats) ・本物の才能を確信した。(野中モモ) ・これはハード&面白い!(深町秋生) ・とても“良い意味”での成長譚!(山田参助) ★世代や職業、性別を越えて“ハマる”人が続出! ・死ぬほど笑って死ぬほど泣いた(看護師 35歳) ・病院内が「LOVEマシーン」でブチ上がってるのとか、壮絶(大学生 21歳) ・道草さん、どんな社会人よりマトモだと思う(主婦 55歳) ・今まで読んだ中で一番パンクな漫画!(会社員 29歳) ・医療・福祉関係者にとって考えるべきことが沢山詰まった作品(介護士 42歳) ・ボクシング部の先生の熱血指導、何度読んでも笑う(塾講師 28歳) ・「保護就労」と「障害」の意味、もう一度考え直したくなった(精神保健福祉士 36歳) ・恩師との再会の場面、涙なしには読めない(小学校教諭 27歳) ・あ、これ、ガチな人だ……(アルバイト 28歳) ・この絵! この字! この線! 全部ヒドいのに、どうしようもなくクセになる!(会社員 43歳) ・恋人のプロフィールが衝撃的すぎる!(薬剤師 28歳) ・道草さんが今、漫画を描いていることが嬉しい(公務員 36歳) ・なんて幸せな結末だろう!(会社員 33歳) ……ほか多数!!

たろうはみずになりたかった
太郎は水になりたかった
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あらすじ

疲れてるとき、しんどい時、私はいつも大橋君の漫画を読む。――――東村アキコ 忘れてた、あの感情がよみがえる。ノスタルジック・イリュージョン。「母さん。ボクらは今、漠然とした不安の中、たしかに中学2年という季節を過ごしています。」中学2年の太郎の家にはお母さんがいません。人より少しシャイです。親友はヤスシ。同じクラスの谷村さんにこっそり想いをよせています。冴えない学生生活をおくる太郎は、それでも何かデカいことをやってやろうと… いや、やったほうがいいのか? という気持ちで生活をしていますが… 雨上がりの虹のように描かれる、誰にでも平等にあったはずの青春物語。繊細でリリカル、モラトリアムと妄想が爆発するヤングゼネレーション・コミック。トーチweb連載時の原稿を大幅加筆&修正。描き下ろし漫画とコラムも特別収録した決定版。

ないとめあばすたーず
ナイトメアバスターズ
1巻を試し読み
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あらすじ

美しくも残酷な「夢の世界」に挑む人々の物語。 2034年・東京……世界規模の異常気象や苛烈の一途を辿る軍拡競争によ時代の閉塞感はいよいよ高まりつつあった。そんな中、眠ったまま目が覚めなくなる原因不明の難病が猛威を振るいはじめる。東京に住むごく普通のサラリーマン・一条はある昏睡病患者との出会いを通して、人々を連れ去り生きる力を奪う「夢の世界」の存在を知り……

げものがとおす
ゲモノが通す
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あらすじ

金子・42歳・(株)カワサキリペアの補修職人。仕事はいい加減だが会社の仲間たちに助けられながら地道に暮らしている。「清らかで美しい社会生活」を掲げる清浄党が国家権力をほしいままにする中、金子はある日派遣されたマンションの異変に気づく。それは「人の絶望を食う」とされ、不当に虐げられてきた“ゲモノ”たちによる死闘の幕開きを告げるもので…… 痛みも、悲しみも、後悔も……俺がまとめてブッ直ぉぉおす!!!! 第1回トーチ漫画賞「山田参助賞」受賞! 『シシファック』作者が描く不撓不屈の物語!

マンガは愛と魂ッッッ!!!!! #1巻応援

「シシファック」の堀北カモメさんが初の連載を始める。 それは、2022年のマンガ界において明らかに大きなトピックのひとつでした。 「シシファック」をご存知ない方は、検索またはマンバのリンクを辿って読んでみてください。 野生の獣のような剥き出しの荒々しさは、技術云々を超えたところにある圧倒的な熱量を体内を駆け巡る血液に与えてくれ、興奮を呼び覚ましてくれます。 この『ゲモノが通す』も、「シシファック」の持つ類稀なる熱量を見事に引き継いでいます。その上で、秀でた現代的なキャラクターたちの魅力、抜群なセリフのセンス、エンターテインメント性たっぷりの設定やストーリー展開など更なる進化を遂げた境地を見せてくれます。 作者の実体験からくる「補修職人」のディティールも素晴らしく、あまり知らない、しかし誰しもの身近に存在する世界を見せてくれる仕事マンガとしての魅力も携わっています。 それでも、やはり一番の魅力はこの作品に込められた魂の超常的な熱量。『ゲモノが通す』という怪作が放つ咆哮を、言葉では伝えきれない原石というにはあまりに巨大な聳え立つ巌の魅力を、その身で体感してみてください。 明らかに人を選ぶ作品ですが、『忍者と極道』などが好きな方には特にお薦めです。 #マンバ読書会

兎来栄寿
兎来栄寿
せんねんだーりん
千年ダーリン
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あらすじ

命を投げ出して戦う岩男児×命をかけて修復する枝美男 驚異の新人・岩澤美翠のデビュー作。ロマンティック全開! 男二人、切っても切れないハート&イノセント 血と肉と鉄で結ばれた束ノ間一平&仮初銀色のブロマンス・ストーリー。【あらすじ】 気がつくとそこは知らない美少年の家だった――。二人は出会ってしまう。あらかじめそう決められていたかのように。死んだはずなのに改造人間として蘇った束ノ間一平が、怪人・怪獣たちと大格闘! 古代兵器・千年人機を操るネイロンより放たれる刺客VS愛する街を守るために戦う昭和の人造人間 1980年代の千年谷を襲う一大事変。※電子版は5ページの電子限定特典を収録しています。

古き良きこの手触り!

1980年代、不良、喧嘩、改造人間、怪人、ロボ、束ノ間一平(つかのまいっぺい)や仮初銀色(かりそめぎんいろ)といったネーミングセンス…… 令和3年に発売されたこの作品、まるで80年代〜90年代前半の少年誌に載っていた作品のようで、絵柄も含めてあまりにもノスタルジーを感じさせます。 コミティアなどで活躍しながらこの作品がデビュー作となる作者の岩澤美翠さんの机の前には明菜ちゃんが貼ってあるそうです。納得。 デジタル作画がダメという訳では全くないです。が、この手描きのアミナワやベタフラッシュ、トーンの削り、枠線のカドのインク溜まり……今はもうあまり見なくなったアナログ感が無性に愛しく感じられます。 「今日も地獄の炎がマックスだよ!!!」 と猛る食堂のおばちゃんがいる滅茶苦茶な高校生活、好きです。 カバー下の遊び心も好きです。 何より1巻収録のジグザグのお話が大好きです。毛布をプレゼントして貰った時のジグザグのかわいさときたら、もう。ジグザグが何不自由しないような暮らしを一緒に営みたい。 荒唐無稽な設定と展開の裏で、丁寧に切なく紡がれるドラマもあり心に沁みます。 益荒雄×美少年という組み合わせに非常に愛と拘りを感じる内容で、そうしたキャラクターの絡みが好きな人に特にお薦めです。 岩澤さんには今後も自らの好きな物を好きなように書き連ねていって頂きたいと思う、才気溢れるデビュー単行本でした。

兎来栄寿
兎来栄寿
ぱんだたんていしゃ
パンダ探偵社
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あらすじ

現代の“変身物語”開幕――!! 身体が徐々に動植物に変化していきやがて人格が失われる不治の病“変身病”。パンダ化進行中の半田と学生時代の先輩・竹林は変身病に関わる案件専門の探偵業を営む。そんな彼らに舞い込む5つの依頼、その結末は…!? ヒトでなくなっていく変身病者たちの覚悟と選択、そして残された者に宿る勇気と希望の物語!! 才能を賞賛する漫画家多数!! 『金剛寺さんは面倒臭い』とよ田みのる ――“ネームも絵もセンスありすぎて怖い” 『バイオレンスアクション』室井大資 ――“最新天才作家・澤江ポンプ、堪能しました” 『メタモルフォーゼの縁側』鶴谷香央理 ――“直視できないくらいかっこいい漫画です” ※電子版は電子限定描き下ろしイラストを6枚収録!

まんがとしてあらわれるであろうあらゆるこいのためのぷろれごめな
漫画として現れるであろうあらゆる恋のためのプロレゴメナ
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あらすじ

漫画界最後の秘宝・窓ハルカ最新作!! 恋愛以外に夢中な二人の“初めての恋”のプロレゴメナ(序文)極度の男性恐怖症のため、男性をいじめる漫画ばかり描いてしまい中々デビューができない漫画家志望の神宮寺ウェンディこと成田香澄。そんな彼女が出会ったのは少女コスプレが趣味で下ネタ全開の青年で―― 全く知らない誰かのようで、どこか自分に似ているような繊細な自意識を持った変わり者二人が織り成す純情恋模様。

スペシャル
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あらすじ

出来事には意味がある。その一挙手一投足。授業中でもヘルメットをかぶり続けることにも。超人的怪力の持ち主・伊賀こもろは時節を問わずにヘルメットをかぶっていた。転校生の葉野は、伊賀の隣の席となるが、明らかに尋常ではない伊賀について誰からも説明も無く、新しい日常生活になじんでいくのであった。ワケあり彼女とひとクセあるクラスメイトの普通じゃないのが普通の日常コメディ。(このマンガは優しさ100%で出来ています。)

うみべのストーブ 大白小蟹短編集
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あらすじ

俵 万智 「小蟹さんの澄んだ心の目。そのまなざしを借りて私たちは、忘れそうなほど小さくて、でもとても大切な何かを見つめなおす。たしかに降ってきたけれど、とっておけない雪のように。」 雪のように静か。冬の朝のように新鮮。自分の気持ちに触れることができるのは、こんな時かもしれない。[収録作品] ●「うみべのストーブ」 運命のように出会ったえっちゃんとスミオにも、ある日訪れた別れ。傷心のスミオを海に連れ出したのは、隣で彼を見守り続けていたストーブだった…。「ふたりが…お互いに、好きだったこと 私はちゃんと覚えてる 何度だって思い出すよ」 連載時のカラーを再現し、2色刷で収録。●「雪子の夏」 トラックドライバーの千夏が雪の日に出会った、雪女の雪子。夏のあいだは消えてしまうという雪子に夏を見せてあげたい。忘れられない夏の物語。「誰もあたしのことを 思い出してくれなくなったら こんなぼんやりしたまま 永遠に消えちゃうの?」 ●「きみが透明になる前に」 ある日事故で透明になってしまった夫。彼の姿が見えないことにほっとしている自分はもう、彼を愛していないのだろうか…。見えないものに触れる、夫婦の絆のかたち。「ねえ泉 ありがとう 僕を見つけてくれて」 ●「雪を抱く」 パートナーとの間の妊娠を知り、複雑な気持ちの若葉。大雪で家に帰れなくなったある日、偶然出会ったコウコと朝までの時間を過ごす。女性の身体をめぐる物語。「わたしの身体が わたしひとりだけのものだったことなど 一度でもあっただろうか」 ●「海の底から」 仕事で忙しい毎日を送る深谷桃は、かつてのように小説を書くことができない。いまの自分はまるで海の底から上を見上げているようで…。創作に向き合うことができないでいる生活者の苦悩の物語。「悔しい 書かなくても幸せでいられるのが」 ●「雪の街」 はなれていた親友の突然の死をきっかけに訪れた、昔住んでいた町。思い出のファミレスで出会った森田という男と、死んでしまったスーちゃんのことを思い出しながら、雪道を歩いていく。夜の黒さと雪の白さは、彼らの弔いを静かに描き出す。「鈴木さんがどこかで 元気でいてくれるといいなって ずっと思ってました」 ●「たいせつなしごと」 単調な仕事に明け暮れる毎日のなかで、いつのまにか自分の心は動かなくなっていた。いつかどこかのゲートが開いて、別の世界へ行けたなら…。暮らしのなかにある光を見つける小さな物語。