トーチの感想・レビュー121件職人の凄み神田ごくら町職人ばなし 坂上暁仁starstarstarstarstaralank登場する職人それぞれもちろんそうなんですが、作品全体を貫く静かな熱量というか、凄みを感じました。淡々とひたむきに自分の仕事を突き詰めんとする姿勢に心が動きます。このマンガそのものが職人の仕事って雰囲気です。 個々の登場人物で言えば、自分の打った刀が不本意な使われ方をしたときの刀鍛冶職人の静かな抗議や、100年後を想像した仕事をする佐官職人。目の前のタスクをこなすことに躍起になりがちな普段の自分の姿が恥ずかしくなるほどです。 みなさん言うように絵も本当にすごい。熱した刀身を水につけた時の泡の感じが特に印象に残っています。 個人的には、静かな環境で紙で読みたいマンガです。おすすめです。「マンガ × 短歌」の絶妙なハーモニー。うみべのストーブ 大白小蟹短編集 大白小蟹starstarstarstarstarナカタニエイト<ログライン> マンガ家であり、イラストレーターであり、短歌が好きな大白小蟹先生の短編集。 <ここがオススメ!> 雪のように静か。冬の朝のように新鮮。自分の気持ちに触れることができるのは、こんな時かもしれないと思わされる珠玉の7作品。 あったまろうとした心冷え性のひとりか君かうみべのストーブ そんな一首を読みたくなるステキなマンガ。心が解きほぐされて、体がほんわかと暖かくなるような、そんなお話たち。 <この作品が好きなら……> ・日食ステレオサウンド https://manba.co.jp/boards/184832 ・レミドラシソ 鶴谷香央理短編集 2007-2015 https://manba.co.jp/boards/128188 ・家が好きな人 https://manba.co.jp/boards/178516もっと評価されるべき作品神田ごくら町職人ばなし 坂上暁仁starstarstarstarstar_border生卵江戸の街に生きる職人を描いていく基本一話完結の漫画。こういう漫画が評価される世界じゃないとダメだ。良すぎる その人たちにしか分からない細部のこだわり職人ワザ それを画力で見せてくれる。 取っ付きにくい題材なのに読みやすい 刀鍛冶と畳職人の絵でその職人の仕事を見せるシーンに惚れ惚れする 歴史物は 地頭があんま良くない僕は結構苦手なジャンルなんだけどそんな俺でも読めてしまったこの漫画はすごい「うみべのストーブ 大白小蟹短編集」感想うみべのストーブ 大白小蟹短編集 大白小蟹ニーナこの読後感を何と表現したらいいのだろう…。言語化がとても難しい作品だ。感動的なハッピーエンドや驚愕のバッドエンドはいっさい無いし、なんなら結末もハッキリ描かれていない話がほとんどだ。しかしそれが心地よい余韻としていつまでも胸に残る。 ほんのり優しくて寂しくて温かくて…苦い。 いや、この繊細な物語を言葉で伝えようとすること自体、野暮なのかもしれないな(笑)職人が職人を描く。神田ごくら町職人ばなし 坂上暁仁干し芋職人たちが働いている空気感まで伝わってくる説得力ある画力。 背景も細部にまでこだわって描かれている。 着物のしわひとつとっても丁寧な仕事ぶりが分かる。 そして、陰影のつけ方。 大胆なコマ割り。 江戸時代に乗り込んで、のぞき見しているような感覚になる。 坂上暁仁自身がかなりの職人である。 「国語の教科書」になってもおかしくない言葉の深さ!言葉の獣 鯨庭starstarstarstarstarナカタニエイト<ログライン> 言葉が「想像の獣」の姿で見える女子高生と言葉に強い関心のある女子高生の物語。 <ここがオススメ!> 言葉と感情のリンクの深さが物凄い! 「国語の教科書」以上に「言葉」について考えさせられる作品。 「言葉」の解釈が辞書のような「正しさ」ではなく詩的な「解釈」に重点が置かれており、新しい視点で物事を考えるきっかけになりそう。 心に突き刺してくるものもあるけれど、言葉を大切にしようと思わせる傑作。 「言葉」を体現する「想像の獣」の姿も「なるほど……」と納得できる。 この言葉はどんな「獣」なのだろう?と思うのも面白いかも。 <この作品が好きなら……> ・ほしとんで https://manba.co.jp/boards/96324 ・うみべのストーブ 大白小蟹短編集 https://manba.co.jp/boards/172968 ・テロール教授の怪しい授業 https://manba.co.jp/boards/96410好きしかない!江戸時代を生きる、職人たちの意地と腕の物語。神田ごくら町職人ばなし 坂上暁仁starstarstarstarstarナカタニエイト<ログライン> 江戸時代を生きる、職人たちの意地と腕の物語。 <ここがオススメ!> 表紙からして好き! となって、1ページめくって大好き! となった漫画。 あらすじに書かれている通り「伝統の手仕事を圧倒的ディテールと珠玉のドラマとともに描く歴史的傑作」と言ってしまって過言ではないでしょう! 時代の息遣いすら聞こえてくるような圧倒的な絵は見ているだけでも胸が躍ります。物凄く細部まで丁寧に調べられているであろうことが隅々から伝わってくるんです。 もはや、漫画家・坂上暁仁先生も「職人」と言えるのではないかと…… 職人の格好良さと鋭さ、江戸の生き様がたまらなく燻し銀。 大好き! <この作品が好きなら……> ・ふしぎの国のバード https://manba.co.jp/boards/13613 ・河畔の街のセリーヌ https://manba.co.jp/boards/164344 ・Artiste https://manba.co.jp/boards/75789アントロポセンの犬泥棒アントロポセンの犬泥棒 川勝徳重starstarstarstarstar寸々相変わらずの面白さ。漫画表現の多彩さに磨きがかかる。 判型と装丁の変態さは物理で持つことを強要してくる。 「犬泥棒」、「美しいひと」が好き。まばたきまばたき【電子版特典付】 ばったんstarstarstarstar_borderstar_border寸々これの前作は微妙だったけど試し読みした「アンテロースの恋人」が良かったので購入。 節ばって爪が分厚くなった老婆の指の描き方がとても好き。素晴らしい!龍子 RYUKO エルド吉水starstarstarstarstar_bordersawa絵がとにかく秀逸! キャラクターの造形がみんなカッコよくて、見てるだけでドキドキする! セリフの文体が、キャラクターによって書き分けれていないところが残念。。 全部のキャラが作者の発言っぽいというか。 ただ、それもこの世界なのだ!ていう説得力を絵の迫力によって感じる。 細かいことはどうでもよいのだ。ネタバレ自転車屋さんの高橋くん 松虫あられ名無し※ネタバレを含むクチコミです。職業漫画の極致でもあり、実は美少女漫画でもある神田ごくら町職人ばなし 坂上暁仁starstarstarstarstarmampukuこの作者の漫画を初めて読んだが、いったい何者なんだ…… トーチらしい漫画といえばそうだが、果たしてどれだけの知識、取材、リサーチがあればこれほどの解像度で江戸の街が描けるのか。陳腐なコメントになってしまうが職人たちの息遣いや染め物や木材の匂いなどさえも感じられるほど。 ただそれだけでなく、職業モノの短編としてとにかくストーリーがエモい。特に1巻後半の『左官』にはクリエイター物の魅力が詰まっている。江戸というひとつの場所と時代を切り取っていながら、悠久の時間をも感じさせる。 少し幼い顔立ちの女の子が主人公の話が多いのも特徴だ。職人漫画というやや堅苦しくなりそうな舞台がぱっと華やかかつ柔らかくなる、という一般的な美少女漫画的な効果も確かにありつつ、三者三様に奮闘する彼女たちの姿に、この時代にも色々な女性の生き方があったのだろうなと想像させられる。まめで四角でやわらかでまめで四角でやわらかで ウルバノヴィチ香苗starstarstarstarstar寸々日本から失われてしまった"四季"だ…… 江戸時代の考証がしっかりしてるのはそうなのだけど、その風俗豆知識みたいなのを決して押し付けがましくせずお話に上手く取り入れているのがプロい。食べ物が全部美味しそう! 線の省略とかは高野文子っぽくも思えた。神田ごくら町職人ばなし神田ごくら町職人ばなし 坂上暁仁starstarstarstarstar寸々コミティアで江戸の火消しを描いてた頃から注目してた!!(古参アピール) 絵はもちろんだけど、続き物のストーリーを描かせても超良い。戦闘シーンの白と黒がカッコいい龍子 RYUKO エルド吉水starstarstarstarstar_border寸々コマ割りの概念をブチ破って紙面を流れるような絵。巻物に書かれるナレーションが超良い。令和元年のえずくろしいの感想 #推しを3行で推す令和元年のえずくろしい 大山海starstarstarstarstar_borderマンガトリツカレ男・読んだ直後に思ったこと ※一番大事!※ 7つの大罪と言われている「傲慢」「強欲」「嫉妬」「憤怒」「色欲」「暴食」「怠惰」が混ざりまくったシェアハウスだった。おまけに俺の苦手な人間関係の組み合わせがほとんど出ていたのではと思うくらい複雑だったな ・特に好きなところは? みんなそこそこ不満はあるけど楽しいシェアハウス生活に徐々に現実問題が侵食してからのラスト数話 ・作品の応援や未読の方へオススメする一言! シェアハウスに全く憧れはないがこのマンガを読んだのでもっとシェアハウスが苦手になりましたが狭い空間で人間関係が複雑により煮込まれて濃くなる漫画を読むのは好きだね 【5巻まで読んだ感想】もはや恋愛マンガではないかも知れない…?自転車屋さんの高橋くん 松虫あられ名無し※ネタバレを含むクチコミです。ノスタルジックなデビュー作、千年鉄騎(ダーリン)千年ダーリン 岩澤美翠さいろく絵柄や内容がいい具合に最近見ない方向で、鉄騎と書いてダーリンと読ませるあたりも癖が面白くていいゾ~これってなりました。 絵柄もそうだけど、構図なのか?なんでかわからないけど、町並みや空き地の子供達など、昭和な香りがしてくる作品。 サイボーグのような鉄の身体で蘇った一平と、バディとなる心臓を捧げる銀色。 なんというか、めちゃくちゃだけどそこもまた良い感じである。 めっちゃ少年マンガだし、コロコロとかでやっててもおかしくなさそうなんだけど、トーチなんだよなートーチ良いよなーって思います。溜息が漏れるほどの凄まじい描きこみ #1巻応援神田ごくら町職人ばなし 坂上暁仁兎来栄寿先日『今村翔吾×山崎怜奈の言って聞かせて』というラジオ番組に出演させていただいたのですが、その際にパーソナリティのお二方が共に歴史好きということで、まだ単行本は出ていないものの是非ともお薦めしたいと思っていた作品がこちらです(なお本番ではバトルマンガや知識になるマンガを求められたため紹介できず終いでした)。 2020年の末に行われたマンガプレゼン大会では、作者である坂上暁仁さんの『火消しの鳶』を紹介された方がいました。 https://note.com/manba/n/n62e97c7ae279 プレゼン者に「ボクはこの見開きに惚れて今この場に立っています」と言わしめるほど、圧倒的に精緻な絵で描かれた打ち壊される家屋の見開きが視聴者の中でも話題となりました。その描き込み力は本作でも存分に、いえますます魅力的に発揮されています。 描かれるのは、タイトル通り江戸の街で活躍する職人たちの業と、それによって生み出される品々。 出来上がった品は現代でもその辺で意識せずに見られるようなものが多いのですが、染め物をする工程の荘厳さであったり、木桶のひとつひとつの木目や刀の凍えるような美しさであったり、その製作過程や出来栄えの圧巻のヴィジュアルに呑まれ、見惚れます。職人芸の美しさを、絵で語ってくれる一冊です。 他方で、「畳刺し」の話のような人間味溢れるエピソードもまた良い味わいを醸し出しています。読んでいると、まるで賑やかな江戸の地の喧騒の中にタイムスリップするような錯覚に陥らせてくれます。 ある種、アートブックのようにも楽しみめる作品です。森薫さんのような、微細で美麗な描きこみが好きな方には強くお薦めしたい作品です。 百聞は一見に如かずで、まず1話だけでも試し読みしてみてください。余談ですが、海外に持って行ったら日本の3倍以上の値段でも喜んで買う方がたくさんいるのではないでしょうか。単行本化が待ち遠しい神田ごくら町職人ばなし 坂上暁仁starstarstarstarstarktphy凄まじい画力と綿密な取材。 不定期連載なのでいつになるか不明だけど単行本化が待ち遠しい。 なお「死に神」(モーニング2017年30号)もすごかった。面白い言葉の獣 鯨庭名無し「頑張れ」という言葉の獣も一種類ではない。 確かに、同じ言葉でも人によって違う意味を持っていたりもするな、と思った。 世間的には良いニュアンスの言葉であっても、自分にとってはあまり良くない意味を持つ言葉、という単語やフレーズはある。 女の子がTwitterで自分に向けられたリプを読んで「質問系や自分語りや宣言やポエミーな呟きなどがごちゃ混ぜで気分悪くなった」的なことを言っていて、「これは作者の実体験かな?」と思った。 作者さんに感想の手紙を送りたいと思っていたけど、自分の手紙で気分を悪くさせたら申し訳ないのでやめた。 でも、他人からの言葉で気分が悪くなるのはわかる気がする。何らかの言葉を投げかけられると、「そうじゃない」という苛立ちを感じたり、自分語りの道具として利用されたような気がしたり、要求(質問に答えろ等)を押し付けられた感じがしたり、自分がベタベタ触られたような感じがしたりすることはある。言い得て妙な緩さ、サラウンド。サラウンド 紺津名子さいろくモブでさえ素晴らしい。 このシーンなんか2コマ目どっちもモブぞ。 そんな高校生男子達の何気なく過ごす日常。 日常系なんだけどこれはもはや日常ではないのではないか?尊くて。 だって3年間しかないんだよ!儚い!! 何にしても、とても良いということです。 永遠に続かないかなーーーお好み焼きが食べたくなりました平太郎に怖いものはない スケラッコstarstarstarstarstarママ子いきなりのSF展開?大きな手が平太郎を握って異世界へ?!一つ目の子どもが出てきたり主人公たちの幻想なのか想像を掻き立てられます。冒頭のごんちゃんは何に怒っていたのか。「うちのこと…」の先はなんていうつもりだったのか展開がわからず試し読み終了。続きが見たい!優しく、哀しく。いい短編集。千の夏と夢 鯨庭さいろくとても良い短編集(作品集?)でした。 龍神・鬼・白狐・ケンタウロス・グリフィン・ヒポグリフ…などなど、いずれも魅力的な題材であるだけでなく、物語の造りが素敵で、誤解を恐れず言うなら「ガロ」や「コミックCUE」なんかと近い空気がある。 トーチwebでの連載と聞いて妙に納得した。 トーチの作品も好きなのがいっぱいある。 美しさもあって、複雑な心理描写もあって、ファンタジーならではな空気感もあって、哀しみもある。<<12345>>