トーチの感想・レビュー125件<<12345>>面白い言葉の獣 鯨庭名無し「頑張れ」という言葉の獣も一種類ではない。 確かに、同じ言葉でも人によって違う意味を持っていたりもするな、と思った。 世間的には良いニュアンスの言葉であっても、自分にとってはあまり良くない意味を持つ言葉、という単語やフレーズはある。 女の子がTwitterで自分に向けられたリプを読んで「質問系や自分語りや宣言やポエミーな呟きなどがごちゃ混ぜで気分悪くなった」的なことを言っていて、「これは作者の実体験かな?」と思った。 作者さんに感想の手紙を送りたいと思っていたけど、自分の手紙で気分を悪くさせたら申し訳ないのでやめた。 でも、他人からの言葉で気分が悪くなるのはわかる気がする。何らかの言葉を投げかけられると、「そうじゃない」という苛立ちを感じたり、自分語りの道具として利用されたような気がしたり、要求(質問に答えろ等)を押し付けられた感じがしたり、自分がベタベタ触られたような感じがしたりすることはある。言い得て妙な緩さ、サラウンド。サラウンド 紺津名子さいろくモブでさえ素晴らしい。 このシーンなんか2コマ目どっちもモブぞ。 そんな高校生男子達の何気なく過ごす日常。 日常系なんだけどこれはもはや日常ではないのではないか?尊くて。 だって3年間しかないんだよ!儚い!! 何にしても、とても良いということです。 永遠に続かないかなーーーお好み焼きが食べたくなりました平太郎に怖いものはない スケラッコstarstarstarstarstarママ子いきなりのSF展開?大きな手が平太郎を握って異世界へ?!一つ目の子どもが出てきたり主人公たちの幻想なのか想像を掻き立てられます。冒頭のごんちゃんは何に怒っていたのか。「うちのこと…」の先はなんていうつもりだったのか展開がわからず試し読み終了。続きが見たい!優しく、哀しく。いい短編集。千の夏と夢 鯨庭さいろくとても良い短編集(作品集?)でした。 龍神・鬼・白狐・ケンタウロス・グリフィン・ヒポグリフ…などなど、いずれも魅力的な題材であるだけでなく、物語の造りが素敵で、誤解を恐れず言うなら「ガロ」や「コミックCUE」なんかと近い空気がある。 トーチwebでの連載と聞いて妙に納得した。 トーチの作品も好きなのがいっぱいある。 美しさもあって、複雑な心理描写もあって、ファンタジーならではな空気感もあって、哀しみもある。 リモート登校は最先端!?2年1組 うちのクラスの女子がヤバい 衿沢世衣子starstarstarstarstar_borderママ子読み始めはまさかのファンタジー風?!と思ったけどリモート登校中が出てきて実は最先端かな。生徒たちが消えた原因を求めて唯一リモート登校していた真緩さんに担任は付き添いをお願いする。みんなが消えた時のポーズをしてみるとなぜか担任の先生が消える。どこへ行ってしまったのかがファンタジー。事件性は…なさそうかな?!【昭和劇画×バンド・デシネ】女組長のハードボイルド・ノワール・アクション!龍子 RYUKO エルド吉水starstarstarstarstarたか※ネタバレを含むクチコミです。怖いものってなんだろう平太郎に怖いものはない スケラッコstarstarstarstarstar野愛無愛想で淡々としていてお好み焼きを焼くのが上手で怖いものがない少年・平太郎。 ある日突然身の回りに怪異が起こり始めるが、怖がるそぶりはまったく見せない。 お世話になってる叔父さん叔母さんにも、めんどくさい先輩にも、彼女のゴンちゃんにも、妖怪にも、平太郎は変わらぬ温度感で接している(ように見えてしまう)。 平太郎が誰に対しても距離を取るのは、傷つけたり傷ついたりしないように、これ以上失うものがないようにという感情なのだと思う。 怪異を怖がることはないけれど、怪異以外の恐れているものがだんだん見えてくる。 次から次へと出てくる妖怪たちとクールな平太郎の温度感を楽しんでいるうちに、平太郎を応援する気持ちが湧いてくる。 実は誰よりも人想いで優しくて頼り甲斐があって、平太郎に惹かれたゴンちゃんの気持ちがよくわかる…! 上下2巻、たったひと夏の短い物語だけど読み応えは充分。また夏に読みたい! これは一体何を読んでいるのか奈良へ 大山海hysysk売れない若い漫画家が自分のやりたい表現と世間(の媒介者である編集者)が求めるものとの間で思い悩む話、というのが始まりなのだが、いつしか奈良の寺周辺の群像劇になって、気付いたら異世界ファンタジーになっている。 登場人物の台詞や仕草が妙に細かく人間臭さを持っていて愛おしい。作者の日記やnoteを読んでいるとやはりそういう映画なり物語が好きなようだ。ずっとこんな作品が読みたかった。 https://www.instagram.com/p/ByAmAgWlh7s/不器用な恋自転車屋さんの高橋くん 松虫あられstarstarstarstarstar_bordermotomi素朴な絵だけどキュンキュン止まらないし、現実的な感じもあり感情移入しやすいです。 単純な恋愛ものじゃなく、人間関係とか2人のこれからも紆余曲折ありながら絆を深くしていくんだろうなぁと期待感もあり読み応えがあります! とてもとても不器用な男の人ですが、お互いを想う気持ちに癒されます!すれ違いでモヤモヤするところもあるけど、先の展開が気になります!!!何回も読みたくなる!自転車屋さんの高橋くん 松虫あられstarstarstarstarstar_borderこめつぶなんだろう・・・ハマる!!一気に読んでしまいました。 ドキドキするし、優しい気持ちになって涙が出てくるし、とにかく心を動かされました。 最初から遼平くんのパン子ちゃんへの好意がダダ漏れでニヤニヤしてしまいました。2人がくっつくまでの過程が妙にリアルでよかったです。パン子ちゃんがこれから先も幸せになればいいな~と思います。 生活保護特区というワードのパンチ力。生活保護特区を出よ。 まどめクレテックstarstarstarstarstarこめつぶすごく気になった!タイトルの生活保護特区。 なんとなくの予想で、現代でリアルに生活保護を受けている人達の集落というか保護区みたいなエリアの話かな?って。 外れてはないし大まかに合っていた。 そこでの人間模様や登場人物が抱える背景があるが故の考え方など、 理解出来ないと一言で斬ることは出来ず、物語を読んでいくと感情移入が止まらなくなる。 続きが気になります!優しい作品集🎵大きい犬 スケラッコstarstarstarstarstar干し芋大きい犬って、カバーを見たときに大きいなと思っていたが、ページをめくってみた時のインパクトが大きくて笑ってしまった。 すっぽり家と家の間に挟まれている。 本当に巨大な犬なのにずっとそこにいることで風景や目印になってしまっている。 そして、高田君と犬語で喋って意思の疎通ができる。 表情と佇まいと性格が可愛い。 気持ちがトロトロした。 全編、不思議な空間に連れて行ってもらえる素敵な作品の数々。 心が穏やかになる💓美しく幕を下ろす不思議な短編集うみべのストーブ 大白小蟹短編集 大白小蟹さいろく型にはまらないというか、型破りというほど乱暴さはないんだけど 「そこで終わるのか」という幕を下ろすタイミングがなんとも秀逸。 きみが透明になる前に がすごく好きでした。 他も良かった、いい短編集だなぁ 十人十色の男の友情を描いた短編集ストレンジ【電子版特典付】 つゆきゆるこnyaeこういう人はどうせこうだから、といった固定観念を取り払って視野を広げてくれるようなお話が多いです。 ゲイ、どんくさい奴、不良など、その人の内面を見ようとしないで勝手に距離を置こうとするけれど、ふとした時に相手の人間的な部分に触れることで、自分の方が見ようとしてなかっただけなんだなと気づき、ちゃんと向き合ってみようと一歩踏み出すキャラクター達に、自らの振る舞いや凝り固まった考えを振り返るきっかけをもらえた気がします。 各話の後日談もしっかり描かれています。マンガは愛と魂ッッッ!!!!! #1巻応援ゲモノが通す 堀北カモメ兎来栄寿「シシファック」の堀北カモメさんが初の連載を始める。 それは、2022年のマンガ界において明らかに大きなトピックのひとつでした。 「シシファック」をご存知ない方は、検索またはマンバのリンクを辿って読んでみてください。 野生の獣のような剥き出しの荒々しさは、技術云々を超えたところにある圧倒的な熱量を体内を駆け巡る血液に与えてくれ、興奮を呼び覚ましてくれます。 この『ゲモノが通す』も、「シシファック」の持つ類稀なる熱量を見事に引き継いでいます。その上で、秀でた現代的なキャラクターたちの魅力、抜群なセリフのセンス、エンターテインメント性たっぷりの設定やストーリー展開など更なる進化を遂げた境地を見せてくれます。 作者の実体験からくる「補修職人」のディティールも素晴らしく、あまり知らない、しかし誰しもの身近に存在する世界を見せてくれる仕事マンガとしての魅力も携わっています。 それでも、やはり一番の魅力はこの作品に込められた魂の超常的な熱量。『ゲモノが通す』という怪作が放つ咆哮を、言葉では伝えきれない原石というにはあまりに巨大な聳え立つ巌の魅力を、その身で体感してみてください。 明らかに人を選ぶ作品ですが、『忍者と極道』などが好きな方には特にお薦めです。 #マンバ読書会淡々としていて味がある宙に参る 肋骨凹介名無し淡々としてますがこういう漫画こそ面白いんだよなあ〜 コミティア思い出しました。 宇宙の漫画って無から何かアイデア生み出してる感じがして天才だなと思うんですよね…。 主人公が何気に言葉遣い荒っぽいのが良い、メカ可愛い、日常系っぽいのに地球に行ったり葬式とか地味に暗い話から始まるのもいい。 じっくり時間作って読んでほしい漫画です。 旅先とかで読むのに最適じゃなかろうか空飛ぶ馬 タナカミホ 北村薫さいろくこういうの好きだなーと思った。 手に取ったキッカケが連載誌であるトーチのタグからだったので、期待半分で読んだがしっかり「トーチっぽさ」もあり、マッチしている。 旅先や出張先なんかで、宿泊先で部屋には入ったけど窓からの眺めは雨…というシチュエーション。 出るの面倒だなってなっちゃう時が私は結構あって、そういう時は割と夕飯時まで漫画を読んだりする。 そういうのに向いてるやつ! ・おしゃれな感じがする絵柄・構図。 ・物語展開は1話ごと、ショートショート。主人公は同じ。 ・文化系要素が多分に含まれている。 ・読んでいてハラハラしないってわかる造りをしている。 要素を挙げてみると全然的を射た感じにならなかったが、そういうやつです。 水彩筆っぽい塗りも味があって非常にいい。細かすぎるコマ展開だとちょっと全体が暗く感じてワチャワチャして見えるけど、わざとかも。 あと、意外とハッとするような話も。おすすめ。紙版で欲しくなる神装丁生活保護特区を出よ。 まどめクレテック兎来栄寿トーチwebで連載されているこの作品、また素晴らしい才能が出てきたな、と思いました。 生活能力が低い人が、生活保護特区トーキョーに強制的に収容されて共同で暮らしていく世界を描いた作品です。 若干のマンガ的な嘘こそあれ、この作品で描かれる人間たちの姿は現代を生きる私たちと地続きで、そこで生じる葛藤や不条理は単なるファンタジーや他人事とは到底思えない迫力があります。 1,2巻が同時発売された本作ですが、私がこの作品を強く推したい理由は、2巻に集約しています。特に2巻収録の6話や9,10話はたまりません。「生活保護」という単語によって引っ張られてしまうかもしれませんが、それを超えた普遍的な文学性が存在します。様子見で1巻だけ買ってみようかな、と思う方もいるかもしれませんが、『生活保護特区を出よ。』は1,2巻を同時に買って一気に読んで欲しいと強く願います。 そして、何より本の装丁が凄いのです。2022年ベストに選ばれてもまったくおかしくない、素晴らしい仕事です。 装丁を担当した鈴木哲生さんによると、昨今の紙の値上げにより用紙の原価を押さえねばならないという事情があったのを逆手に取り、 「『特区』の環境を想定すると AdobeCC 不使用で作るのがいい」 として、 「本屋に並ぶような本を作る設備のない(特区の)環境」 で、特区の中にいる人が実際に作り得るような本として作られているそうなのです。普段は電子派という方も、もし書店に行く機会がありましたら実物を手に取ってみていただきたいです。 続編だけどここから誰でも読めるし、前作も大好きだから最高です!2年1組 うちのクラスの女子がヤバい 衿沢世衣子starstarstarstarstar吉川きっちょむ(芸人)※ネタバレを含むクチコミです。 お客さんも同僚も・・・。色んな人がいます。牛乳配達DIARY INAstarstarstarstar_borderstar_border干し芋私も、宅配でヨーグルト頼んでます。 うちの近所で頼んでいる人は、結構います。 きっと、S木さんのような人がいるんだと思います。 日々、かなりしんどい仕事だと思います。 その時に、クスッと笑えたり、癒されたりすると固まっていた気持ちが緩やかに溶けていきますよね。 一ヶ月分の請求に来るとき、おまけで他の商品をくれる時とくれないときがあります。 あれは、何なんでしょうか? 私の態度で決まるのでしょうか? 一回くれると毎回欲しくなります。#幸せになってほしいカップル とかタグつけたい自転車屋さんの高橋くん 松虫あられさいろくもう付いてるかもしれないが・・・! ピュアで自分を圧し殺して我慢を続けてきたOLの朋子。 美形過ぎてモテモテのモテ男で輩なのに死ぬほどピュアな遼平。 どちらも育ってきた家庭や置かれた環境はとても複雑で見ててしんどいところがあるぐらい。それらのエピソードや乗り越え方を見ていくうち、気づけばめっちゃ引き込まれている。 どっちも素敵。どっちもいい。貧乏でも頑張ってほしい。不思議な力で「言葉の世界」へと入り込む女子高生たちの物語 #1巻応援言葉の獣 鯨庭sogor25詩に強い関心を持っている女の子・薬研(やげん)は、国語教師との会話をたまたま聞かれたことをきっかけにクラスメイトの東雲(しののめ)と接点を持ちます。 普段からどこか挙動がおかしくてクラスでも少し浮いていた東雲ですが、それは彼女が五感の1つを感じると同時に別の五感も感じる「共感覚」という感覚の持ち主だったからでした。 「共感覚」といえば“音に色が見える”だったり“字に色が見える”などが代表的ですが、東雲の「共感覚」は『人の言葉を聞くとそれが獣の姿に見える』というもの。 その獣は言葉の意味や解釈、発した人間の感情などを反映した姿をしているらしく、そんな東雲との交流によって薬研は「言葉の獣」の世界へと入り込んでいきます。 詩や言葉に興味を持っていた薬研と「共感覚」を持つ東雲との出会いにより、2人が身の回りにありふれた「言葉」に対して理解を深めて心を耕す様子が見て取れます。 そしてそれが「言葉の獣」という形で視覚化されて描かれる、まさに物語がマンガとして描かれるべきものに昇華されている、そんな作品です。 1巻まで読了 作者の心の声が面白いつつがない生活 INAかしこ仕事を辞めて今はフリーランスで働く妻を手伝いながら生活している…という書き出しから始まりますが、作者さんはハードコアパンクバンドのギタリストでもあり、途中でアメリカにライブツアーに行ったりもするので、なかなか普通の人間が体験しないような非日常の場面も描かれています。なので「ガロみたいな貧乏話はゴメンだぜ!」と思っていたアナタはぜひ読んでみて下さい。 とはいえメインテーマは作者夫婦の話で、これからも何気ない幸せを共有できるようなつつがない生活を送りたいという気持ちが込められた作品なんだと思います。奥さんの気が強いところと、たまに作者が心の中で毒を吐いてるのが好きでした。新婚旅行のパリで記念撮影を依頼したカメラマンがやたらに映えを意識するのに毒づいてたのが最高だった。 ハードコアパンクバンドの名前が「MILK」なのはデビュー作と関係あるのだろうか?「牛乳配達DIARY」も読んでみようと思う。人生とりあえず登るしかないもんね人生山あり谷口 谷口菜津子野愛生きるっていいことばっかりじゃなくて、めちゃくちゃ頑張って疲れてボロボロになってなんとかたどり着いた先にあるものがめちゃくちゃ素晴らしいとも限らない。でもまあよかったような気がするなあ楽しかったっちゃ楽しかったかなあ、みたいなことの連続だ。 それでも一度幸せを味わってしまうと、また味わいたいって思ってしまう。 谷口先生の人生も登山もまさにそんな感じ。 辛いことが重なって眠れなくなって、でもなんでもない顔をしながら舐めすぎなくらいの軽装&無知で山に登る。 もう二度とやりたくない!って思ってもいいはずなのに、周囲の人を巻き込みながら知識を身につけながら再び山に登る。 なんでも面白く作品に昇華できちゃう谷口先生だからできることかもしれないけれど、登山って人生だなあなんて思ってしまった。 イラストらしくデフォルメされてるのに妙に生々しい自然、くだらない日常会話の中に見え隠れする人間讃歌、生きるとはなんと辛く馬鹿馬鹿しく幸せなことか。 共に山を登るメンツの豪華さも霞むくらいに人生とは何かが描かれています。でも霞まないくらい豪華です。 人生って面白いね。<<12345>>
「頑張れ」という言葉の獣も一種類ではない。 確かに、同じ言葉でも人によって違う意味を持っていたりもするな、と思った。 世間的には良いニュアンスの言葉であっても、自分にとってはあまり良くない意味を持つ言葉、という単語やフレーズはある。 女の子がTwitterで自分に向けられたリプを読んで「質問系や自分語りや宣言やポエミーな呟きなどがごちゃ混ぜで気分悪くなった」的なことを言っていて、「これは作者の実体験かな?」と思った。 作者さんに感想の手紙を送りたいと思っていたけど、自分の手紙で気分を悪くさせたら申し訳ないのでやめた。 でも、他人からの言葉で気分が悪くなるのはわかる気がする。何らかの言葉を投げかけられると、「そうじゃない」という苛立ちを感じたり、自分語りの道具として利用されたような気がしたり、要求(質問に答えろ等)を押し付けられた感じがしたり、自分がベタベタ触られたような感じがしたりすることはある。