青年マンガの感想・レビュー15414件<<536537538539540>>読者を引きずり込むような構成ブルーピリオド 山口つばさにわか※ネタバレを含むクチコミです。工業高校×合唱部のボーイミーツボーイはしっこアンサンブル 木尾士目たたみ声変わり以降うまくしゃべれなくなってしまった、ぼっちな主人公。 人と会話しなくてすむ仕事に就きたいと、工業高校に入学するが、そこに運命の出会いが待っていた。 それは1人で『合唱部』を作るべく奮闘する、変わり者の同級生。 周囲の生徒から白い目で見られながらも、まったくブレることなく自分を貫きとおすその姿に、主人公は少しずつ心惹かれていく……。 という序盤はかなり王道で、合唱×工業高校というあたりが今までにない世界観で非常に面白い、のだが。 問題は、なぜ運命の相手が美少女ではなく『眼鏡男子』なのかという点である。 その答えは、作中にきっちり描かれている。 工業高校における圧倒的なリアル(女子率の低さ)が……。 とにかくこの作品には女子など不要。 ちゃらちゃら恋愛にかまけず、夢へと爆走するピュアな男子たちの青春物語を期待しつつ、主人公の成長を見守って生きたい。 ※もちろん大野さん的なキャラが登場してくれてもいいと思ryなんだこの終わり方!モテキ 久保ミツロウティモテ※ネタバレを含むクチコミです。何を食べたら絵もマンガもこんなに上手く描けるんですかプリズムの咲く庭 海島千本短編集 海島千本兎来栄寿イラストが上手ければマンガも上手く描ける? いやいやいや。マンガってそんなに単純なものではないのですよ。……普通は。一枚絵ですべてを表すイラストと、連続したコマで以って物語を表すマンガ。その二つは似ているように見えて根本的に異なるものです。コマ割りや構図のバランス、視線誘導、間の取り方、セリフや言葉選びなどマンガならではの要素も沢山ある訳です。 しかし、スーパーイラストレーター海島千本さんは普通ではありませんでした。絵が上手いのは勿論のこと、あまりにもマンガも上手い……。 9編の短編にWEBで話題となった「髪はおんなの」の続編となる描き下ろしを加えた計10編を掲載した短編集。現代劇、ファンタジー、SFにホラー、サイレントマンガまで内容は様々ですがどれも非常に上質。一気に読むのが勿体なく、一日に一話ずつ読んで少しずつ噛み締めていくのがより幸せである気すらして来ます。 SNSでしばしば公開されているマンガも面白く、今後もご活躍が楽しみです。 なにこれすごい…!!発想の勝利&疑似体験スケルアイロニー 三原すばるホラーマン※ネタバレを含むクチコミです。飯漫画の中でもかなり好き私のご飯がまずいのはお前が隣にいるからだ いのうえさきこ霧兵衛良かった点 ・登場する通気取りがいい感じで面白い。 ・卵かけご飯回の「ジブリネタ」がいい 総評 ・「掌で30分温めた卵で作った卵かけご飯」は魯山人曰く「この世でもっとも美味い」と作中に書いてあったので気になる ・最終的なオチも含めて良かった。寝る間に読むのには最高大江戸どんぶり繁盛記 剣名舞 石井さだよし霧兵衛良かった点 ・特に難しい話もなくいい感じで1話完結する。 総評 ・漫画も充分面白いが「大江戸コラム」も面白い 弱冠二十歳のデビュー作 #読切応援怪人ショウ 中浦友基名無し怪人症を患っているショウが変異するシーンがすごかった。序盤はスラスラ読んでいたのですが、ここでグッと心を掴まれました。唯一の理解者であるヒロインも複雑な事情を持っていて、単純じゃないラストに繋がるのも良かった。次回作もとても楽しみ。アラサー未亡人と女子高生の百合マンガ #読切応援あの娘は私の 悠名無し同じ書店で働く二人はもうすでに付き合っている。同性の恋人に対して奥手なアラサー未亡人を女子高生が積極的にリードしていきます。完全に相思相愛なのでデートやハグのシーンは恋の熱量がハンパないです。これは連載になったら化けそう…!全力のアホさ!青春コメディ #読切応援関根と岡谷とその他のアホ 田中光名無しサラリーマン山崎しげるの作者・田中光の読み切り。学校でAVを観るには部室が必要だ!ということで、地層研究部を立ち上げた関根と岡谷。なんとか規定の部員数も集まり、偶然にも美人な顧問も得た、よし目的を果たすぞ、と思いきや…。回を重ねていくほど面白くなるタイプの漫画だと思うので連載化を希望。 「グラゼニ」アダチ先生の読切!残虐坊主 足立金太郎ちゃん画風と時代背景がよくマッチしていてすごく雰囲気が良かったです。残虐坊主が語る、嘘か真かわからない恐ろしい話にどんどん引き込まれ、三吉の末路は予想外すぎてゾッとしました。 自分の理解が足りないため、末男・卍丸が結局どういう存在だったのか全く掴めぬままなのが残念です…。(本当にただの豪胆な子どもだっただけなのか、何かの象徴とか暗喩なのか…)平成最後の高橋留美子劇場 #読切応援きみはNo.1 高橋留美子名無し主人公はセールスマンの仕事をしていたが気が弱いので成績が振るわず上司にも嫌われ仕事を辞めることに。再就職したのは高齢者の話し相手となり心のデトックスサービスをする仕事だった。根っからの性格が受け身なので利用者からの評判も上々。まさに天職ともいえる環境で出会ったのが、パワハラ気質の元上司に似ているお得意様の北川様とその娘だった。 読み返すとタイトルが秀逸なことに気づきました。あの絶叫はある意味プロポーズだと思います。笑洋菓子から転向!下町と修行と人情とあんどーなつ 江戸和菓子職人物語 テリー山本 西ゆうじたか「パティシエールを目指していた女の子が、和菓子職人の弟子になる物語。「そんなん面白いに決まってんじゃん…!」と読んだら、案の定面白かった! (違う世界に挑戦する話が大好きなんです…Real Clothes、スピナマラダ!、空手小公子 小日向海流みたいな) まずこの絵柄がいい! キラキラした少女漫画やシュッとした少年漫画じゃ出せない「素朴さと温かみ」が下町の義理人情を引き立ててたまらない。 そして職人の在り方・心構えをガッツリ丁寧に描いてるところがいい! 和菓子を作るには、材料から日本の四季と文化に精通しなくてはならない。よって親方や女将さんがなっちゃんを育てるために、あれやこれや手を尽くすし、なっちゃんも期待に応えるために真剣に努力する。 店には親方、兄弟子、店を取り仕切る女将さんがいて、和菓子の道を極めるうえで主人公彼らとは「師弟関係」という線引きがある。 尊敬と愛情で繋がる「親しいが馴れ馴れしさはない」、職人の世界の人間関係がすごくよかったです。 そして何より、全く道の厳しい世界でもヘコたれない、主人公の真っ直ぐな心とタフな根性が読んでいて気持ちがいい! こういう子好きです。 何も知らずに読み進めていたところ、20巻のあとがきで衝撃を受けました。 作者の方がご病気で逝去されており、その遺志を継いで未完のまま完結させるというお知らせでした。 アメリカから来た新しい弟子となっちゃんの関係がどう決着するのか本当にワクワクして読んでいただけに、「ここでなっちゃんの世界は終わり」といきなり知らされショックで呆然としました…。 未完ではありますが、作中の下町人情や美味しそうなお菓子、日本の伝統文化は本当に最高。 最初から未完であると知ったうえで楽しんで読んでほしい名作です! 色んな人に手にとってほしい作品ナタンと呼んで 少女の身体で生まれた少年 原正人 カトリーヌ・カストロ カンタン・ズゥティオン名無し絵が可愛かったこともあり、知ったその日に購入し読みました。 僕自身もFtMなので主人公ナタンには感情移入が止まりませんでした。 僕はナタンと違って性別に違和感を覚えながらも、スポーツが嫌いで可愛いグッズが好きな男だったこともあり男性と自認をしたのは最近ですが、思春期になり女性の姿へと変化していくことに怯えるナタンの「子どものままでいたい」と零す悲痛な姿を見て、あの時のあの感情あの想いは自分だけじゃなかったのだと安心すると同時に当時の自分を思い出し胸が締め付けられました。 日本に限った話ではないですが、多くのメディアではトランス女性の話はよく聞くけれどトランス男性の話は少なく(ボーイッシュという言葉の存在による弊害も大きいのかもしれません)、FtMを大きく取り上げる事が少ないのでこういった作品が多くの人の目に触れられると良いなあと思います。 訳者の後書きでFtMを取り上げた作品を紹介しているところも良かったです。久しぶりに読み直したらやはり傑作だったサハラ 小池一夫 平野仁霧兵衛良かった点 ・俺の好きな小池一夫節が全開で何も言うことがない。 ・「チュチュ・ヒステリーカの場合」「VIVA エルザ」の回は主人公の「ヒステリーカ」の判断が面白すぎる。この感じこそ小池一夫原作だよな 総評 ・アンゴラ内戦編が一番好き 熱い!伝記グルメ漫画宮沢賢治の食卓 魚乃目三太名無し伝記漫画としてもグルメ漫画としても面白いです。何気なく読んでたら熱い展開もあり夢中になりました。賢治の人柄が数々のドラマを生んでいきます。印象に残ったグルメはやっぱり表紙の天ぷら蕎麦とサイダーですね。当時とても高価でしたが給料を三日で使い果たすほど店に通ったそうです。これを貧乏な教え子にご馳走するエピソードも賢治の優しさにほろりとします。 鳥宮はバカ!おもしろかった #読切応援鳥宮はバカ! 三原すばる名無しちょっとおバカな鳥宮は水泳部の先輩のことが大好きで、卒業式の半年前から第2ボタンが欲しいと交渉している。しかしファスナー式の制服なので残念ながらボタンがない!どうしても第2ボタンが欲しくて四苦八苦する鳥宮と、なんやかんや言いながらも優しい先輩のラブコメディー。第2ボタンの代わりになる物ってなかなか難しいね!!新企画も準備中らしいので楽しみ。もっとこの作家さんの描くラブコメ読んでみたい。これは紙で読んでほしい!!スケルアイロニー 三原すばる名無し最後のオチのためだけに描かれたマンガ。 透視ができるようになった幼馴染の男子が、女子の心も読うとしたとき… あー!透けてるーーーーーーー!!!!笑 勘が良い方はなんとなく言ってることはわかると思いますが、 「透け」の仕掛け方が良いです。声出して笑いそうになりました。 すべての趣味はドラッグである刑務所の前 花輪和一(とりあえず)名無し※ネタバレを含むクチコミです。 電子版で読みました。不朽のフェーネチカ 竹良実名無しマザー・ドロテアの過去を遡るほどにドロテアの姿も若く、美しくなってゆくのが心に残ります。 そして、現在の姿からは想像できない、壮絶でせつなすぎる彼女の人生を知ることになります。 100ページ弱で読み切れますが、一本の映画を見たような読後感です。 多分、2度め、3度めと読むごとに違う感情で読むことができそうです。とりあえず一度、ちらっとでもいいから中身を見てほしい。ひょうひょう ネルノダイスキ名無しネコのほんわかフォルムからは想像できない圧倒的な画力とストーリーがそこにはあります。 そして、一話目を読んでみれば、そこからは最後までノンストップで読み切ってしまうことでしょう。その瞬間、はやく他の人にも読んでもらわないと!!!という気持ちが湧き上がるはずです。 短編集ですが、基本的には表紙のネコのようなキャラが主人公です。 ファンタジーのような、近未来のような、なんとも言えない世界観の話が多いですが、一見、訳のわからない設定に思えても読んでみるとしっかりまとまってます。そしてわりとしっかり笑えます。 説得力があってすべて身近な出来事のようにも感じるんですよね。柴犬の話とか、実際にありそ〜、というかあったら良いな…みたいな 捕食系ラブコメあの人の胃には僕が足りない チョモラン名無し何だこれは!エロい!! 食べるという行為は実はエロティックだなとは思います。国によってはご飯を食べる番組が日本は多すぎるとかそんなことをテレビで言っていたようないなかったような。 美味しそうな少年が化け物の先輩と一緒に住んでしまう、というトンデモ設定。 これは恋なのかそれとも「食欲」なのか。。。 好きだ〜と思っていたら次はガブッと行ってしまう。 「あらしのよるに」のような関係でしょうか。作者が楽しんで書いてるのがとてもいいです。ムシャムシャ。 まだ年若いあなたにこそ読んで欲しい。神戸在住 木村紺ナベテツ天才・木村紺の処女作であり代表作。大学入学と同時に家族で神戸に引っ越した東京出身の一人の女子大生の物語。 淡々とした筆致で描かかれる日常風景は文豪が紡ぐ上質なエッセイのようであり、それだけでも一級の作品として評価されるものですが、この作品にはそれだけには止まらない、魂を震わす素晴らしさがあります。 まだ震災の痕跡が残る神戸の街と人々。少女は様々な出会いと、そして悲しい別れを経験します。作中の時期の、未だ復興を完全になし得ていない神戸という街の時代の空気感と、繊細な少女の成長という、この作品でしか描き得なかったフレーバー。彼女の受けた傷と、そこから立ち直る場面は、月並みかもしれませんが、明日を生きる勇気を与えてくれます。まだ年若く、何かを喪うことを恐れているあなたにこそ、読んで欲しい、そんな名作です。ラッキースケベと相反しながら共存する男の理想てのひらにアイを! ムラタコウジ名無し※ネタバレを含むクチコミです。<<536537538539540>>
※ネタバレを含むクチコミです。