青年マンガの感想・レビュー15414件<<538539540541542>>センス抜群! 二次沼に引き摺り込まれる中年男性の悲劇部長が堕ちるマンガ 中村朝兎来栄寿最近のギャグマンガの中でも個人的に特にツボに入っている作品です。 上司である純朴で真面目な部長を、悪魔のような腐女子と夢女子の部下二人が沼へと引き摺り込み、あまつさえ部長総受けの同人シリーズをガンガン発行していくというアクロバティックな物語。 実際に存在したらとんでもないのですが、未知なる女性向けオタクコンテンツに中年男性として独自の共感を見出してハマっていき布教者が喜ぶコメントを発していく小山田部長のキャラクターが絶妙です。実在する部長・小山田誠一郎のTwitterアカウント @oyamadaseiitiro をフォローしていると、更に楽しめること請け合いです。 また、とにかく天性のものを感じさせるセリフのセンス。小気味良いテンポで繰り広げられる掛け合いや、強引なルビの面白さなど随所にギャグマンガとして光るものがあります。 この作品自体も楽しみですし、中村朝さんの今後の活躍も併せて楽しみです。誰がなんと言おうと可愛いボクらは魔法少年 福島鉄平名無し1巻読んだので感想。 魔法少年可愛い!! 絵がうますぎて完成されすぎててコミックスで読むと重厚な感じしますね。 やっぱ1話1話の完成度高い気がします。なんか安心して読める。 深読みして分析してしまう大人なので、自分に自信のない人(男でも女でも)が人から言われた些細な言葉とか世間体とかで自分の意見を変えてしまうことが多々あるけどそんなことしなくていいんだよ!君はそのままでいいよ!みたいな話に思えて小学生主人公なのに社会人の自分、勇気出てきました。 オレ、カワイイ=自分はこのままでいい、自信を持っていい いや、やっぱこれしか考えられない。ありがとう、福島先生…; 確実に著者の好きなもの詰め合わせではあると思うのでカワイイのが好き、少年少女好き、っていうのはバシバシ伝わってきますね。 やっぱカワイイは正義なんですよ…!序盤の雰囲気にみんな騙されるがいいヨヨハラ ogrossogor25美人の転校生とのいきなりの同居生活が始まるという少女マンガのような設定から、その実はエロネタ多めのラブコメという思いっきり青年マンガ向けの内容。twitterやpixivに掲載してたということもあり各話のページ数は短めでその分テンポよくネタが詰め込まれてるし、全編フルカラーで画面作りも爽やかでサクサク読める。 …という感じでサクサク読み進めてると、後半になり突如として挟まれる衝撃展開。WEBでコマ切れで掲載されてたはずだから最初からこの展開を考えていたとは思えないんだけど、それにしては伏線の配置の仕方が自然過ぎる。序盤からずっとIQを下げながら読んでいたところに突然「外天楼」のようなSF展開が流れ込んでくるこのギャップをぜひ味わってみてほしい。 全1巻読了幼馴染を守るカッコいい女の子、では終わらないカノジョになりたい君と僕 たかせうみsogor25あらすじの通り、セーラー服で学校に通うMtoFのアキラがバカにされないように学ランで通い始める幼馴染のヒメという、ヒメの剛直なカッコよさが現れる導入の作品だけど、物語はそれで終わらない。 ヒメの行動の原動力は「アキラに嫌な思いをさせたくない」の一心なんだけど、2話以降では「思いが強い=正しい」とは限らないという事を含め、様々な人の考えにヒメが触れることになる。表紙や導入からはセクシャルマイノリティがテーマのように見えるけど、本質的にはこの作品はヒメの成長の物語なのだと思う。勿論タイトルにあるように恋愛の要素も見え隠れするんだけど、それよりもっと深く本質的なところからヒメの感情を掘り起こしていき、彼女やその周りの人々の成長を見守る作品になっていきそう。 1巻まで読了。 理想の田舎暮らしか、これが日常か。リトル・フォレスト 五十嵐大介む※ネタバレを含むクチコミです。今まで読んだ猫漫画の中で一番好きな作品ですカボチャの冒険 五十嵐大介名無し 結構な田舎に住んでいますが、もっと山奥に移住して この漫画みたいに自由に猫を飼ったら楽しいだろうなぁ と思ってしまいます 言葉で説明しづらい、不思議な読後感に浸れる足摺り水族館 panpanya鳥人間panpanya先生の作品は、不定期だけど繰り返しパラパラと読み直したくなる、アナログで手元に置いておきたいマンガのひとつ。 その商業第1作『足摺り水族館』。 個人作品を再構成しつつ、未収録作品を追加されたもの。この雑多な感じが魅力だなーと思う。panpanya先生といえば現実と非現実をフワフワと漂いながら行ったり来たりするような、不思議な世界観が魅力。 表題作「足摺り水族館」は作中で3編に分かれて描かれている。古めかしい栞に誘われて不可思議な空間へ向かう。中編は写真と文章で日記みたいな感じ。後編はなんだかもう集大成といった雰囲気。 他にも様々なテイストの作品があって面白い。 お母さんからのメモに全く読めない謎の言語で書かれた品物が一つあり、それをなんとかして買いに行こうとする「完全商店街」。木炭絵?っぽい画風の「イノセントタワー」(2つ目の京都タワーに向かうお話)。不可思議な空間を少年が歩いていく描写で台詞が一切ない「無題」。喋るし動く自動販売機のお話「マシン時代の動物たち」などなど多種多様。 これ以降の作品も、もちろん素晴らしいけれど、本作はとくに各作品個性が際立っている気がする。まさに混沌。中には合わない作品もあるかもしれないが、「読んでよかったなー」と思うエピソードがきっとみつかる、はず。 そして「無題」がさっぱりわからないので誰か教えてほしい……(笑) 女子高生が散歩するだけのマンガ。だがそれがいいぐるぐるてくてく 帯屋ミドリ兎来栄寿この文章を今正に池袋で書いているのですが、本作は主に池袋周辺を「散歩部」の女子高生が散歩する、それだけのマンガです。 電子の地図には頼らないというポリシーで紙の地図を持ちながら歩くもいつも迷ってしまう先輩と、そんな先輩にそそのかされて渋々散歩に付き合う内にその魅力を知っていく後輩。二人のゆる〜くふわっとした散歩の中で、その場所に込められた歴史や普段は気にも留めない面白味などが解説されます。 土地勘があり実際に行ったことのある場所も複数登場しているからこそより楽しめていると感じる部分もあります。しかし、一方で自分が行ったことのない場所の回でも同様に「こんな場所あるんだ!」などと楽しめてもいるので、まったく東京の地理は解らないという方が読んでも問題なく楽しめると思います。 『サヨナラさんかく』『放課後ミンコフスキー』の帯屋ミドリ先生の描く新たなる日常系。自分の住んでいる場所の近くにも、きっとまだ思いも寄らない面白いスポットがあるのだろうと予感させられ、自分でも散歩をしたくなるマンガです。こじらせ中学生の恋愛模様 #読切応援五月に隕石、六月には京都 安彦晴名無しイケてない中学生男子3人はクラスメイトの仲良し女子3人組をモデルに漫画を描いている。本当は来月の修学旅行も同じ班になりたいのに、なかなか自分たちの恋心を打ち明けられずにいる。思春期のモヤモヤとエネルギーが溢れてる作品です。どのキャラクターも味があって好きなのですが、ちびまる子ちゃんでいう野口さんのような脇役の女の子が登場して、最後にポツリと漫画を褒めるのが特に好きでした。こういった技が全体に決まっててオチまで余すことなく面白いです。前号に掲載されてた読み切りそれが視えたらと同じ作者さんだったのか!マジで早急に連載を始めて欲しい。推しです!バットマン×戦国タイムスリップ×久正人=最高ニンジャバットマン 久正人 DC COMICS兎来栄寿「バットマンやジョーカーが戦国時代にタイムスリップしてくる」 一行のあらすじで既に面白いニンジャバットマン。それ単体だけでも強いものを、「久正人さんがコミカライズする」。そんな、間違いようもなく約束された面白さのコンテンツがあるでしょうか。 久正人さんといえば、太い線と白黒のコントラストがバシッと決まったあまりにもスタイリッシュなその画が特徴です。普段からアメコミテイストを感じさせてくれる画風ですが、それでバットマンを描いて合わない訳がない! 全編生き生きと描かれていますが、特に今巻ラスト付近のドライブ感溢れるシーンなどはもう最高of最高です。 私もそこまでバットマンに詳しい訳ではないですが十分に楽しめていますので、バットマンにも忍者にもそこまで興味ないという方も騙されたと思って試してみて頂きたい作品です。 「病院訪問教育」が投じる生き方への一石マジスター 見崎先生の病院訪問授業 棚園正一 山本純士兎来栄寿『学校へ行けない僕と9人の先生』でご自身の体験に照らし合わせ教育のエピソードを描いて世に一石を投じた棚園正一さんが、『15メートルの通学路』の山本純士さんを原作に据えてまた新たにこの社会における「教育」のあり方を描いた作品です。 本作はサブタイトルにある通り、長期入院する生徒・児童を対象とした「病院訪問教育」をメインテーマにしています。私もこの本を読むまで病院訪問教育については全くの無知でした。しかし、誰しもがいつどのような形で関わることになるか解らないのでその実情を知るために読んでおいて損はないと思います。 体だけでなく心まで深く傷付いてしまいまともにコミュニーケーションも取れない子供たちに対して奮闘する新米のヒロインの姿を見ながら、「自分だったらどういう対応ができて、どういう結果に繋がっただろうか」と考えずにはいられませんでした。 「健康に生きられることは当たり前ではなく、掛け替えのない時間である」ということ、「一生懸命に、特に誰かのために一生懸命に生きることの尊さ」、「望んだ結果が出なかったとしても自らのなし得る最善を目指して努力する大切さ」などメインテーマ以外のことも強く思わされる内容でした。 教育に関わる方には特に、またそうでない方にも一読してみて欲しい一冊です。『春琴抄』の蠱惑的コミカライズ!ホーキーベカコン 笹倉綾人 谷崎潤一郎 Mint兎来栄寿日本の文学史上でも最も変態的でフェティシズムに溢れた作品を描く作家の一人である谷崎潤一郎。その代表作である『春琴抄』を見事な筆致でコミカライズしたのが本作です。 何と言っても、主人公・琴の幼い頃から漂う妖艶で危うい魅力が笹倉綾人さんの美麗な絵で見事に表現されているのが素晴らしいです。美しく金色に彩られた装丁の表紙に描かれた琴の眼力に惹かれるものを感じたならば、その勢いのまま手に取ってみて間違いありません。 蠱惑的なあのシーンも、背徳的なあの描写も、マンガという媒体のパワーを十全に発揮して描かれており、原作を好きな方も知らない方も楽しめる内容になっています。この作品を読んで原著へ向かう切っ掛けとなる方も数多くいるでしょう。中学生や高校生が文学史を学ぶ際の副読本としてもぜひお薦めしたい作品です。ビリヤードとヤクザが融合して弾ける稀有な人生ドラマ獣のように かわぐちかいじ名無し※ネタバレを含むクチコミです。 頑張れ太郎!茨の道をいざ進め!開口一番! 町田翠nyaeそばかすの男子高校生、佐藤太郎くん。 ひょうきんな性格で、学校ではお笑い担当。友達もたくさんいて、将来はお笑い芸人に!と思っていたら、実は僕って…全然面白くない? そんな時に落語に出会い、一瞬でのめり込み「落語家になる!」と決意したものの…そこには、太郎には想像もつかなかった茨の道がありました。 今のところ、彼に落語の才能や素質はないようですが、とにかく異常な諦めの悪さと情熱を持ち合わせているので、最新話まで読んだ感じ、スポ根落語漫画っぽいです。 思い立ったら即行動、まっすぐな性格の太郎ですが、 親に心配をさせたくなくて正直な気持ちを話せなかったり、 同級生の前では相変わらずひょうきんキャラをやめられなかったりと、いまいち破天荒になりきれない姿がとても人間らしい!これはいいSF…!ノア 町田粥名無し※ネタバレを含むクチコミです。これは服の話だけではとどまらないもっと誰にでも当てはまるあなたの物語。着たい服がある 常喜寝太郎starstarstarstarstar吉川きっちょむ(芸人)世間体。キャラクター。あなたはこうあるべき。そんなもんクソくらえ! 生きたいように生きることの難しさ。 しがらみに絡めとられ身動きができなくなっている人にこそ読んで欲しい。 背が高く、クールな見た目で周囲から思われるようなキャラクターを自然と演じてきてしまった主人公が、バイトのヘルプに来た人の世間体度外視の服装を見てハッとする。 着たい服を着て良いんだ、と。 かねてから好きだったロリータファッションに思い切って袖を通してみると・・。 ズシンッ!と脳髄に響いた。 誰より自分を肯定しなきゃいけないのは自分だったのだ。 そしてそれが何より難しい。 多様性の時代に突入したとはいえ、他人と違うことをするのが怖いと思う人は多いだろう、特に同調圧力が強い日本では。 なぜ、やりたいこと、表現したいことを抑え込み、息を潜め、自らの欲求を見て見ないふりして、日常を過ごさなくてはいけないのか。 自分の欲求に素直に生きた方が100倍気持ちがいいのではないか。 他人に迷惑をかけるわけでもなし・・。 しかし、世間にどう見られてしまうのか・・。 こういった悩み、葛藤を丁寧に描き、「自分らしく生きたいように生きる」大切さを分からせてくれる素晴らしい漫画だ。 まだ1巻なのでこれから、さらにどのように向き合っていくのかが楽しみだ。 信頼できるグルメマンガみつめさんは今日も完食 山崎童々 ツレヅレハナコhysysk食ブログ担当の編集者が色んな店を食べ歩く話。出てくる店は実在するのだけど、これが個人的に好きな店だったり、周りの食通がおすすめしてる店とかなり合致していて、グルメガイドとしても使える。2巻のジョンティは本当に大好きな店。自家製ジンジャエールとデザートもおすすめです。激アツ陶芸マンガ緋が走る ジョー指月 あおきてつおhysysk陶芸家のイメージってなんか気難しくて仕上がりに納得いかなかったら容赦なく叩き割る人、みたいなのあると思うけど、そこに至るまでにも大変な苦労がある。だから窯出しした焼き物を割るってのは相当なことなんだよ、というのがこれ読むとよく分かる。自然と陶芸や萩焼に詳しくなるのでおすすめです。漫画家が描くということ精G 母と子の絆 ひさうちみちお名無し※ネタバレを含むクチコミです。 リアルな女心ってこんな感じ女の解体新書 シモダアサミ名無し漫画ゴラクで連載してたというギャップも面白いです。女のリアルを描いたマンガは多数ありますが個人的に読んでて一番楽しかった。背伸びしてない女心がよく描けている。女性誌で連載したら反響が大きそう!漢の中の漢の漫画誌ゴラクの男性読者の感想がどんなんだったのかも気になりますね。単行本の出し方がややこしい!インハンド プロローグ 朱戸アオ名無し初期の2作「ネメシスの杖」「インハンド 紐倉博士とまじめな右腕」を新装版としてまとめたのが本作「インハンド プロローグ」です。注意すべきは2巻目のサブタイトルが「ガニュメデスの杯」に変わっていること。タイトルが変わっているだけで中身は「インハンド 紐倉博士とまじめな右腕」の新装版なので、重複購入に気をつけてください。といっても、旧版は各電子書籍ストアで配信停止となったので、紙の単行本でしか読めませんが…。いつの間にか読めなくなる電子書籍というのも困り物ですね…。現在イブニングで連載している「インハンド」はタイトルがシンプルになった分、今後は同じ様なややこしい事態にならないことを祈ってます。通勤はクリエイティブRAPID COMMUTER UNDERGROUND 座二郎hysysk都市で働く人間にとって、通勤時間てのは苦痛でしかないと思う。作者は通勤中にこのマンガを描いたのだが、話の内容自体も通勤時間を利用してマンガを描く話になっていて、入れ子の構造になっている。 サラリーマンとしては建築関係の仕事をされているそうで、建築物や乗り物などの構造物がすごく魅力的。舞台が地下鉄っていうのがまた想像力を刺激してくれる。こんな風に通勤時間を過ごしてる人がいるんだと思うだけでも、ちょっと考え方が変わるんじゃないかな。 人類史とも密接につながる奥が深い話王様の仕立て屋~サルトリア・ナポレターナ~ 大河原遁mampuku雑誌の統廃合でグランドジャンプが創刊となり仕切り直しの新シリーズ。 1話完結が主だった前シリーズと異なり、「シャツ」「コート」「モノトーンコーデ」「モード」などテーマを絞った全1巻構成になりました。相変わらず人生観とか教養の大事さとか勉強になるので、これも定期的に読み返したい漫画です。当方、自由な自営業でスーツは冠婚葬祭以外でほぼ着ないのですが、ジーンズやジャケパンなどカジュアル寄りの特集も時々あるので為になります。変わり者が集まった不器用な家族の物語アナグマの気持ち ナナトエリ 亀山聡たか※ネタバレを含むクチコミです。<<538539540541542>>
最近のギャグマンガの中でも個人的に特にツボに入っている作品です。 上司である純朴で真面目な部長を、悪魔のような腐女子と夢女子の部下二人が沼へと引き摺り込み、あまつさえ部長総受けの同人シリーズをガンガン発行していくというアクロバティックな物語。 実際に存在したらとんでもないのですが、未知なる女性向けオタクコンテンツに中年男性として独自の共感を見出してハマっていき布教者が喜ぶコメントを発していく小山田部長のキャラクターが絶妙です。実在する部長・小山田誠一郎のTwitterアカウント @oyamadaseiitiro をフォローしていると、更に楽しめること請け合いです。 また、とにかく天性のものを感じさせるセリフのセンス。小気味良いテンポで繰り広げられる掛け合いや、強引なルビの面白さなど随所にギャグマンガとして光るものがあります。 この作品自体も楽しみですし、中村朝さんの今後の活躍も併せて楽しみです。