青年マンガの感想・レビュー15394件<<315316317318319>>ロリータハウツー本ではない着たい服がある 常喜寝太郎漫画を読む女Sロリータ服のハウツー本では全くなかったです。着用の心得とか、立ち居振る舞いのコツとか、メイク方法とかそういうのは一切無いです。ちょっとそういうのに興味があったのです… ロリータ服をきっかけとする、主人公の気づきと成長と出会いの物語とでも言いましょうか… 登場人物の中でもカヤさんは素敵です。毎日酒場(バー)に強めの服を着てやって来てビール類を流し込んでいるお嬢さんです、昼は介護福祉士、夜はバーテン?、働き者のうえ人間の出来た素晴らしいお嬢さんなのです。主人公は偶然彼女と出会いますが、この出会いなくしては物語が成立しませんマジで。全編通して一番好きなシーンはカヤさんちにお泊まりして着せかえごっこ遊びをするとこです。うらやましいぞ。 物語は終盤小澤君を掘り下げて進んでいきますが、羽根をむしって丸裸にしてから建て直しまでの流れの無駄のなさがお見事だと思いました。中盤のSNSで主人公が攻撃される、生徒が改心するまでのくだりも、きつすぎる悪意の描写は無い(ひかえめ)なのが美点だと思いましたが、小澤君の過去と現在の描写も、つらいけど必要最低限というか、過激ではないのが良かった。 ※ここで言いたい過激っていうのは、よく広告である、見た人の興味をひくことだけを特化したような思わせぶりでショッキングで醜悪なシーンの寄せ集めのアレみたいなことです ストーリーの流れありきの、材料の1つとしてのロリータ服なんだな!と勝手に思っていたら、作者インタビューにロリータ服を描きたかったという発言を見かけて今「????」ってなっています。ロリータ服の魅力を伝える的な要素は限りなく薄かったように感じたのですが、、、、???ボーイ・ミーツ・ボーイのグローバルチェス物語! #完結応援Stalemate/pat ステイルメイト 鳥維そうしたか※ネタバレを含むクチコミです。ほのぼのおフランス妖怪昔話 #完結応援ゴルゴラ クリストフ・クリタ名無し新刊で見つけて表紙の妖怪のデザインがよかったので読んでみたらすごくいい「漫画」でした。1話ごとに神話や伝承に基づいたフランスの妖怪を取り上げ、それに翻弄される人間たちが描かれるのですが、妖怪のビジュアルが素敵なのもさることながら、1話のまとまりの良さが素晴らしく、またナレーションが「フランス昔話」な雰囲気を出していて非常に読みやすかったです。フランスの九井諒子という感じ。 それぞれの時代の町並みや服装が解像度高く描写されているところがまた日本人にはたまらないです。 20世紀に憧れるロワール川で船乗りをしているじいさんといたずらっ子な妖怪。 親の反対を振り切ってパリに上京した娘のアパートを尋ねる母親。 フランスのカウボーイ「ガーディアン」と3人の死神たち。 妖怪が切り盛りする民泊(オーベルジュ)。 スペインとの国境ピレネー山脈でともに育った密輸人と税関捜査官。 …などなど、フランス全土を舞台にその地域の特色を反映した物語が盛りだくさん。 元ネタとなった伝承やその地方についての解説が各話ごとにあって読み応えがあるところもすごく良かったです。ロマンチックな戦場もの銃座のウルナ 伊図透黒木公一以前から面白いと話に聞いていた作品。 国が兵士をどう扱うか、兵士の心がどう傷つくかを体験するような話だと思いました。「私の故郷はトロップです」という台詞のシーンが好きです。 香港の九龍城をモデル…タオの城 板倉梓starstarstarstarstarひさぴよ香港の九龍城をモデルとした集合団地が舞台。(作中で「百窟城」と呼ばれている) 少女・タオをはじめとした様々な住人たちの切なくも温かい物語です。 カオスな場所に住む人たちのドラマってなぜこうも惹かれるのでしょうか。 アンダーグラウンドさを求める人にとっては少し物足りなく感じるかも。民主主義が当たり前じゃなかった時代ほーむ・るーむ 羽生生純 竹熊健太郎nyae羽生生純さんのファンなので読んでみました。 前後編に分かれて、日本が敗戦して民主主義に切り替えることになる話をとある小学校を舞台に描かれます。 民主主義をすぐに受け入れて授業に取り入れる女性教員・亀井と、生徒が主義主張することは間違いだという考えを変えられない男性教員・浦島のやり取りが笑いながら読めます。 ひどい痔を持っていることで兵士になれなかったけど、痔のおかげで今生きていることに感謝するシーンが好きです。 最後、民主主義にこだわりすぎていろいろおかしくなっちゃうオチが最高でした。ためになる本です。ひとりでしにたい カレー沢薫 ドネリー美咲starstarstarstarstar干し芋鳴海の職場には、ネットで調べなくても、専門書を読まなくても、色々知っている人がいるので、勉強になるなぁ。 那須田君は、鳴海に好意を持っているものの口走る言葉がとってもサド的。 鳴海の親戚のお墓に一緒に行ったり、実家に行って父親に物申す感じも面白い。それによって、鳴海は、那須田君に全てをさらけ出す感じになっている。誰よりも、もしかしたら本人よりも鳴海を知っている那須田君。ちょとキモイ。 そして、鳴海の同僚の、松岡さんはの発言は、かなりのリアル感をあり。 この本には、今まで誰にも聞けなかった内容が詰め込まれているので、是非、一読してほしい。 そういう話か(どういう話だ?)昼花火 野火けーたろ名無し※ネタバレを含むクチコミです。エルトゥールル号の読切テシェキュルエデリム~ありがとう 石川雅之starstarstarstarstarひさぴよ週刊モーニング2014年21・22合併号に掲載された32ページの読みきり。単行本未収録で電子のみ。 1890年にトルコの軍艦が和歌山県沖で沈没。事故の救助を行った日本は長らくその事を忘れていましたが、トルコの人々はその恩義をずっと忘れておらず、1985年のイラン・イラク戦争で、邦人救出に尽力してくれました。その一連の歴史を取り上げた漫画です。 作画の石川雅之先生、和風も西洋もどちらも上手いのでこの物語を描く上で適任ではないでしょうか。ドキュメンタリータッチで、かなり真面目な内容ですが過剰に美化などしてないのは良いですね。 トルコとの友情がこれからも続けばいいのですけど、少しでも裏切ったら逆に怖い国だな…と思いました。これは大賞だわ美人は3日では飽きない。 石田ゆう名無し地味なフリーター男(25歳・大学中退)と就活中の美人という人間関係の絶妙なパワーバランスがすごく良かった。 美人に偏見を抱いたり嫌悪するのは「本当は美人の彼女が欲しいから」っていうのは真理なんじゃないかと思う。本当に美人に興味がなければ、袖にされようが高い飯奢らされようが「次行こう」で忘れて切り替えられるはず。それができずに根に持ったり偏見を持つってことはやっぱそういうことなんだろうな。 こんな時代だからこそ、再読ドラゴンヘッド 望月峯太郎六文銭ふと青春時代に読みまくった漫画がもう一度読みたくなって、 その筆頭の一つドラゴンヘッドを読んだ。 つくづく、今、読んでも色褪せないなぁと思う。 「同窓会で初恋の人に出会うとがっかりする」 みたいな都市伝説があり、漫画も同じような経験あるんですけど、本作は違いますね。 携帯の機種がガラケーだったりして、そういう意味での古さはありますが、人間の根源的な恐怖に関する描写は、今読んでも変わらないなと思います。 暗闇に怯え、わからないものを憶測して不安にかられ、 最後は非論理的でも色んな理由をつけて自分を納得させる。 この流れが、人間の恐怖に対する本質、行動パターンだなとつくづく感じました。 自然災害を神の怒りとか言っていた時代と何も変わらないですね。 ストーリー展開も、何度読んでもハラハラします。 冒頭の生き埋めされたようなところからはじまり、東京の家に向かっていく、2人の男女。 日本全体が停止した世紀末のような環境下で、災害や人災からサバイバル的に決断が迫られる展開は、スリル満載です。 コロナが蔓延するパンデミックな時代だからこそ、もう1度読んでみたい作品でした。 また余談なのですが、本作はラストの展開に賛否がある作品です。 私も、当時はどちらかというと「え?」という感じでした。 ただ、後年、同著者の「鮫肌男と桃尻女」を読んで、その作品でも似たような終わり方をしていたので、安易に投げたと思うよりは何か狙いがあったと考えるようになりました。 そして、今読むと、当時よりも自分はすんなりいきました。 うまく言えなくて恐縮ですが、 東京に戻った時の主人公のおかれた状況(ネタバレなので控えますが、家族の安否や家の状況などを目の当たりにします)、それまでに出会った人、あらゆる狂気が蔓延するなかで、この終わり方は、逆に現実的だなと考えるようになりました。 漫画(フィクション)だからこそ、物語にきちんと理由つけて展開してほしいとは思いますが、現実問題、自然災害のもので、 謎が全て解明され、ご都合主義的な終わり方や、むりくりなハッピーENDは、それはそれでシコリが残るのでは?と約20年越しで考えるようになりました。 米国あたりの国が救助にきて助かりました、ちゃんちゃんもどうかな?と。 コロナですら原因がわからず人類は翻弄されているのに、 自然なんてより一層そうではないでしょうか? などと、改めて思い直すと、個人的には最終回にも腹落ちした所存です。 (一緒に最終巻まで生き抜いた気になっている登場人物たちが、その後どうなったかは、依然気になるところですが…。)単行本でもハンバーガーちゃん健在!ハンバーガーちゃん絵日記 ハンバーガー名無し遂に来ましたねハンバーガーちゃんの単行本がよ。基本的にはTwitterで公開されていた絵日記がそのまま入っていてぽちぽち描き下ろしマンガが追加されてます。 単行本化にあたっての編集とのやり取りとかもそのままマンガに描かれてるのですがそこでもなんともモヤッとするような目に遭ってたり…。 単行本になったからといってハンバーガーちゃんがハンバーガーちゃんであることは変わらないんだなと思いました。それがわかってなんだかホッとしました。いつまでもそのままのハンバーガーでいてくれよ……。コピペかってくらい顔が全員右向き運びの犬 清水ヤスヲミ名無しめっちゃ違和感感じるし臨場感もない。大事なシーンぽいところで大きなコマを使ったところがあったけど、2ページ続いて同じ顔すぎて笑ってしまった。 路地裏でもいい、一度だけでもいい。チームの看板を背負って、胸を張って肩で風きって歩きたい。荒くれKNIGHT 黒い残響完結編 𠮷田聡名無し※ネタバレを含むクチコミです。読んだことある人に聞きたいこれも全部あの夏のせい(フルカラー)【全年齢版】 BSさん野愛某読み放題のところで無料公開されてるぶんは全部読んだけど、続き読むべきかどうか誰か教えてほしい。 今のところ全登場人物に好感が持てなくて、特に主人公はここから成長しようが改心しようが幸せになろうが好きになれる気がしない。居そうと言えば居そうだし、他の漫画でもっとダメなキャラクターもいるけどなんだろうなあこの感じ。絶妙に嫌すぎてこの後まうなるか気になってはいる。 誰かこの後の展開をかいつまんで教えてほしい…読んだほうがいいか教えてほしい…また月刊!スピリッツにレディコミが載ってるwパーフェクト・ウェディング たかばやし澪名無し子前作の「鬼女たちのティータイム」が強烈に印象に残っていたので、また読みたいと思ってました!サンキュー月スピ!今作は友達の彼氏を略奪する性根が腐った女が主人公でしたが、今回も何これwwwな感じで最高でしたね。個人的にはワーッショイ!ワーッショイ!の掛け声と、今どきカーウェディングとか…しょっぼ…!!の一言が最強でした。絵があんまり上手くないのがストーリーのテンションと合ってて逆にいいんだよね〜。こういうレディコミみんな好きじゃん?どこかで配信したらバズりそうだけどなぁ。 人間の生死の危うさと霊峰富士の底知れなさ富士山 さそうあきら名無し電車の運転手たちの間には「天気が良くて富士山がはっきり綺麗に見える日には人身事故が起きる」という迷信があり、実際にそんな日に運転していたところ今にも飛び込んできそうな女がホームいたが、飛び込んできたのは女ではなく隣にいた男だった。しかし実は女にも死にたい理由があって…。人間の生死の危うさと霊峰富士の底知れなさが不思議とマッチしていて、今までに読んだことがないような感覚になりました。どの話も奥深いんですが、個人的には人身事故が起きてしまった運転手さんはどんな気持ちになるんだろうと常々思っていたので、一話目が印象に残りました。今井先生に傷つけられたいモノクロイエスタデイ 今井大輔野愛物語ごとにセルフライナーノーツというか、作者自身のコメントがあるのが好きです。 読者を傷つけたいという今井先生の言葉に思いを馳せながら作品を読み返してみると、胸の痛みも愛おしく感じます。 一生忘れられない記憶があるというのは素敵なことだなあ、一歩踏み出すきっかけは良くも悪くも痛みが伴うなあ、空が眩しいなあ…などなど甘い痛みも苦い痛みも味わえました。 真っ白と真っ黒の対比が鮮やかで印象的でした。やっぱり辛い内容だった...カネが泣いている 国友やすゆきマンガトリツカレ男15年くらい前モーニング連載中に読んでいたが読み返した今回の方が圧倒的にきつかった。内容は消費者金融マンガで「ナニワ金融道」と同じようなジャンルにはなるが「ナニワ金融道」のユーモアを無くしたストーリーがずっと続く。所々良い話もあるのだが登場人物の言動や上司から追い込みの連鎖などの会社のきつさもさることながら主人公の頑張りを見ているとどんどん辛くなってくる... 内容はほとんど覚えていなかったが最後のコマだけは完璧に覚えていたのでよっぽど印象深いシーンなんだな 近親百合、軽やかさと衝撃 #1巻応援ゆるおやこ 中村たいやきあうしぃ@カワイイマンガ一瞬、あれ私は何を見ているんだっけ?……と混乱する。 中学3年生の女子が、母親にしがみ付いている。母親に恋を告げ、関係を迫り、結婚願望をぶつける彼女。しかし最後に甘えしがみ付く姿に、脳がバグる……完全に母を信頼し切った幼児の甘え方。それは恋人からは遠い。可愛いけどあれ……? 彼女は娘としての距離感を上手く利用して、スキンシップし、母親に意識させていく。近親相姦という高い壁を「近親者」の立場を利用して乗り越えようとする矛盾と軽やかさに眩暈がする。 マザコンであり恋する乙女でもある中学生(ちょっとアホ)の様々な表現が見ていて飽きないし、それに振り回されて何なら陥落しそうになる母親の慌てぶりも愛らしい。更に母方の祖母の存在も関係性に説得力を増し、もうこれは運命だな!と納得。 禁忌をかる〜く乗り越えた先にある甘い衝撃に、クラクラするのを楽しみたい!小さくて巨乳な先輩こそ至高うちの会社の小さい先輩の話 斎創名無し世の男性陣の理想を詰め込んだかのような先輩が出てきます! 先輩メインですが同僚4人と姉が出てきてわちゃわちゃ漫画。 先輩、可愛い〜 やはり小さくてやわっこくて髪がフワフワで胸がHカップあって優しい先輩は最高。"多様性"の中で生きる教科書のような作品 #1巻応援ラストジェンダー ~何者でもない私たち~ 多喜れいsogor25"どんな人でも"受け入れる、多種多様な性自認や性的指向・嗜好の人々が集まるハプニングバー「BAR California」を舞台にしたオムニバス作品。 個々の登場人物それぞれが自分の人生に大切なことを見つけていく過程がドラマチックに描かれ、なおかつそれぞれの話が密接に関わる連作短編のような構造になっていて、全てが一連の物語のように読める作品です。 それでいて、"セクシャルマイノリティ"についての描写がとても丁寧な印象を受けました。セクシャルマイノリティはいわゆる"LGBT"だけではないし、「トランスジェンダーでレズビアン」のように複数の要素を併せ持った人もいるし、性自認・性的指向・性的嗜好などはそれぞれ異なる概念で…というベースとなる知識を押さえつつ、"セクシャルマイノリティ"という枠組みとしてではなく、"セクシャルマイノリティの特徴を持った一個人"として描いていて、まさに"多様性"、そして多様性が存在する中での"生き方"を描いた、教科書のような作品だと思います。 1巻まで読了 弱者の魂なんぞ救ってやらんとでも言わんばかりの新訳罪と罰 柳沢きみお ドストエフスキー野愛柳沢きみお先生にとっては格差社会も資本主義も大した問題じゃないのだろう、強者の理論で生きてる人だ、と思わせる作品。 原作を読んだのは数十年前なのではっきりとは覚えていないが、ドストエフスキーは強者の理論の人だと思った記憶はない。つまりこれは柳沢きみおオリジナルだ。 舞台は現代の東京に置き換えられているけれど、ストーリーはほぼ原作通りである。でもオリジナルだと言いたい。 苦悩の果てに殺人を犯す主人公・龍一がひたすら醜悪で傲慢で、とても有能な人物には見えない。やれ貧困だ不幸だと言うが、同情する気にはとてもなれない。 ラスコーリニコフが強迫観念に囚われ、狂気に取り憑かれていく様とはまた違った印象を抱いた。 雑な言い方をすると、龍一はただのちょっとヤバいやつ程度の描かれ方だと感じた。 それでこそ柳沢きみお先生だよなあ、と思った。 弱者に寄り添うような視点なんて、格差社会や資本主義に対する疑問なんて、描かれなくていい。いつまでもマッチョで家父長制の権化みたいな作品を作り続けてほしい。 そんな人じゃないのかもしれないけど、そんな人で居続けてほしい。 価値観や常識は時代に合わせてアップデートしていくべきものだと思っているけど、表現活動についてはその限りではないとも思っている。 良くも悪くも人の心に棘を刺せる作品は、凄いものだ。 このまま魂の救済されないまま終わらないかな。それぐらいのことをしても柳沢きみお先生なら許されるのでは。アフターコロナのウイルス駆除バディアクションGOAT HEAD 安堂維子里兎来栄寿コロナ禍になり、世界中の人々が外出する際にはマスクを着用するようになると、マンガの中でマスクをしていない姿が非現実性を際立たせる要素になってしまうのではないかという話もありました。 『バタフライ・ストレージ』安堂維子里さんの最新作であるこの『GOAT HEAD』では、現実と同様にウイルスに脅かされた人々が外では常識的にマスクをする世界が描かれます。 ただし、この世界のウイルスは現実のコロナよりも凶暴で、物理的に巨大化して襲ってきて命を脅かしてきます。 そんな未知の「ゴートウイルス」に組の親兄弟を殺されたヤクザの九頭(くず)が、復讐のため民間初のゴートウイルス退治会社を立ち上げて対峙していく物語です。 喧嘩が得意な九頭と、その舎弟で口が回り詐欺が得意な五味(ごみ)。得意分野を生かして、元ヤクザであることは巧妙に隠しつつ新たなシノギに取り組む彼ら二人の「ゴミクズ」コンビがまず良い味を出しています。 そこに、厚生省ゴート対策課の隊長であり家族をゴートに殺された美人の吉月も加わって凸凹なキャラクター関係が楽しめます。 「密」という言葉が常用されていたり、交通機関でソーシャルディスタンスを空けるようにしたり、またウイルス検査をしていても陽性者が出てしまう様子や、陰性者であっても都会から来た人に厳しい田舎の感じなどは現実と地続きです。 一方で、「非接触握手」という新習慣や、ゴート専用採集キットがフリマサイトで闇取引されている様子などは、現実にはなくとも非常に有り得そうと思えるリアルさがあります。 シリアスなメインストーリーがありながら、各話のラストでは思わず笑ってしまうような勢いの良さも。ゴートウイルスとのバトルシーンのアクションは前作に引き続き派手で気持ちよく、深刻になりすぎず楽しい読後感が残ります。 喧嘩で手榴弾からロケットランチャーまで出てきてしまう「(ピー)」の治安の悪さも好きです。<<315316317318319>>
ロリータ服のハウツー本では全くなかったです。着用の心得とか、立ち居振る舞いのコツとか、メイク方法とかそういうのは一切無いです。ちょっとそういうのに興味があったのです… ロリータ服をきっかけとする、主人公の気づきと成長と出会いの物語とでも言いましょうか… 登場人物の中でもカヤさんは素敵です。毎日酒場(バー)に強めの服を着てやって来てビール類を流し込んでいるお嬢さんです、昼は介護福祉士、夜はバーテン?、働き者のうえ人間の出来た素晴らしいお嬢さんなのです。主人公は偶然彼女と出会いますが、この出会いなくしては物語が成立しませんマジで。全編通して一番好きなシーンはカヤさんちにお泊まりして着せかえごっこ遊びをするとこです。うらやましいぞ。 物語は終盤小澤君を掘り下げて進んでいきますが、羽根をむしって丸裸にしてから建て直しまでの流れの無駄のなさがお見事だと思いました。中盤のSNSで主人公が攻撃される、生徒が改心するまでのくだりも、きつすぎる悪意の描写は無い(ひかえめ)なのが美点だと思いましたが、小澤君の過去と現在の描写も、つらいけど必要最低限というか、過激ではないのが良かった。 ※ここで言いたい過激っていうのは、よく広告である、見た人の興味をひくことだけを特化したような思わせぶりでショッキングで醜悪なシーンの寄せ集めのアレみたいなことです ストーリーの流れありきの、材料の1つとしてのロリータ服なんだな!と勝手に思っていたら、作者インタビューにロリータ服を描きたかったという発言を見かけて今「????」ってなっています。ロリータ服の魅力を伝える的な要素は限りなく薄かったように感じたのですが、、、、???